北極圏への凍る事なき日本の熱き思い

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16日、日本政府は、北極圏開発で日本が主導的役割を目指すことを明らかにした。この問題に関する決定が下されたのは、安倍首相が率いる総合海洋政策本部の会合だった。日本政府は、北極海の有用鉱物資源の採掘や船舶の航行を調整する国際ルールの策定を求めてゆく考えだ。

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こうした声明は、恐らく、国際問題において日本の重みを増すための、示威的措置(デモンストレーション)だと思われる。 ロシア大統領付属国民経済・行政学アカデミーの学科主任で、ロシア安全保障会議付属学術評議会のメンバー、さらには雑誌「オボズレヴァーチェリ(オブザーヴァー)」の編集長でもあるウラジーミル・シトーリ氏もそう考えている。

シトーリ氏は、今回の安倍首相の発言に関連し、ラジオ・スプートニク記者に次のような見解を語った―

「日本は、経済的影響力を持った国だが、政治的影響力の方は、それほどではない。それは第一に、第二次世界大戦の結果により、米国との関係において、政治的にかなり従属的地位にある事と関係する。北極圏をめぐる世界的なプロセスにおいて主導的役割を演じたいとの声明は、ましてそのルール作りに参加したいとの発言になると、はっきり言ってプロパガンダ的なものである。日本政府は、自分達の抱負を世界に向け宣伝しているのだ。

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この事については、次の事実が物語っている。すでに北極評議会という組織があり、ここには日本は正式なメンバー国としては入っていないという点だ。加盟しているのは、北極あるいは北極圏への出口を具体的に持っている国々であり、日本とは全く違う。まずこうした国々の間で、北極圏開発をめぐる問題は、話し合われるだろう。

確かに、現在行われているプロセスを少しばかりリードしたいと望む一連の欧州諸国が、実際存在する。中国もそうだ。しかし、北極海大陸棚に対する自分達の権利を証明する事も含め、客観的な世界秩序や、可能性、パワーバランスを考えれば、北極圏で主導的役割を演じる国の一つは、やはりロシアだと思う。ロシアは、2001年から、このゾーンの問題に積極的に取り組んできた。それゆえ、日本の先端技術をもってしても、日本に残されたチャンスは、極めて小さいと言わねばならない。しかし北極圏開発への日本の参加は、もちろん歓迎すべきものだ。将来日本がそこで、主導的役割を果たすだろうことは、かなり自信を持って言えると思う。」

おそらく、日本自身この事を、よく理解しているだろう。安倍首相が、北極問題における重要なプレーヤーとして、日本は、まず何よりも、科学とテクノロジーを発展させる事、それが日本の最も強力な方向性であると強調したのも偶然ではない。

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ロシア最高経済学院の日本専門家ワレーリイ・フェシュン氏は「目の前で明らかに高まっている北極海航路の重要性が、今回安倍首相の発言が広く公表される理由となった」と指摘している―

「ロシアが、北極海沿岸全域にそって艦船サービス用の港湾設備を準備できればすぐにでも、ロシアは、巨大な優位性を手に入れることになる。経費の面でも速さという面でも優れた、極東から欧州へ貨物を運ぶルートを手にするからだ。北極海航路には、スエズ運河もなく、南米南端のフエゴ島沖やマゼラン海峡のような難所もない。この航路ができれば、対抗できるライバルはもうないだろう。まさにそれゆえに、日本政府は、北極圏開発に関する抱負を口にしだしたのだ。しかし、日本のプランが近い将来実現する可能性は、極めて低い。なぜなら、まず日本は、砕氷船団を持っていないからだ。北極圏の諸条件下での作業、そもそも非常な低温下での作業は、想像を絶する。とはいえ確かに日本には、沿岸の浅瀬での有用鉱物採掘に関しては、一定の技術がある。もし日本が、ロシアとの間で、合意に達するなら、まさに大陸棚での採掘に取り組むつもりだろう。なぜなら日本政府は、北極圏開発のプロセスから、当然取り残されたくないからだ。」

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有用鉱物資源の宝庫であり、同時にトランジット航路として巨大な可能性を秘めた北極圏に対するコントロールは、特別の意味を持っている。北極開発に向けた日本政府の抱負は、このゾーンをめぐって、真の意味での地政学的争いが展開されていることを、あらためて裏付けるものだ。安倍首相の声明は、彼が唱える対外政策、つまり世界政治において「より重みのある役割」を演じたいという政策の一環と言えるが、それがどの程度現実的か、となると話はまた別だろう。

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