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    ロシア人専門家「日本人は米国との軍事協力強化を危険だと捉えている」

    ロシア人専門家「日本人は米国との軍事協力強化を危険だと捉えている」

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    米国のシカゴ評議会(Chicago Council)、日本の特定非営利活動法人・言論NPO、韓国の東アジア研究所、中国のホライゾン・リサーチ(Horizon Research Consultancy Group)が共同で実施した世論調査によれば、日本人の53%は、アジア太平洋地域における米国の軍事プレゼンス維持を支持している。しかし、プレゼンスの拡大に賛成している日本人は、わずか9%に過ぎない。

    この世論調査の結果について、ラジオ・スプートニク記者は、ロシアを代表する東洋学者で歴史学者のアナトリイ・コーシキン氏に、意見を聞いた。コーシキン氏は、次のようにコメントしている―

    「この数字は、現在形成された状況を客観的に反映していると思う。日本では、かなり多くの方達が、米国の軍事プレゼンスは、これまで日本の安全を保障してきたとみなしている。特に、中国や北朝鮮と何らかの紛争が生じた場合、安全を保証してくれるものと捉えている。しかし米国が、もし以前は、日本に対する軍事援助の拡大を何とか抑えていたとするなら、今や米国は、恐らく東アジアに、NATOのようなバリエーションを望んでいる、と言ってよい。問題は、世界全体を自分達の軍事力でコントロールする事が、米国にとって難しくなりつつあるという点にある。米国にとって必要なのは、同盟国だ。日本は、まさにそうした同盟国になりうる存在である。そのために必要なのは、日本に存在する憲法上の制限をどうにかして克服する事だ。それゆえ米国は、2年前に、日本政府が、武器の輸出制限を解除する法律を採択する事に同意したのだった。現在、日本国憲法、特にその第九条の平和条項は、完全に骨抜きにされてしまった。第九条が何の意味も持たなくなっている事は、日本がすでに、完全な軍隊を持っている事によるばかりではないのだ。今や日本は、自国の軍隊を国外に派遣する可能性を持っている。おまけに、直接日本の領土を防衛するというのではなく、米国の国益を守るという観点で、それが可能となっている。しかし何千人もの日本人達が国会前で抗議行動を行ったという事実は、日本人が、そうした方向にそってさらに進んでいくのは、日本にとって危険だと考えていることを証拠立てている。この地域の米軍のプレゼンスをさらに増大する事を支持する人の割合は、高くない。特に日本ではそうだ。これには、米国との積極的な軍事協力路線に対する懸念が、実際に反映している。」

    次にスプートニク記者は「こうした抗議を政府は考慮するだろうか?」「抗議運動によって、政府の政策をより健全な方向に向けさせることが、果たしてできるだろうか?」コーシキン氏の意見を聞いてみた―

    「日本政府は、日本の軍事力拡大に反対する人々の数の増加、抗議運動の高まりを無視できないだろう。国民の70%が抗議しているにもかかわらず、法案は通されたが、野党や反戦勢力は降参したわけではないと、私は確信している。今後彼らは、法案の取り消しを求めたり、修正を要求するだろう。来たる参議院選挙では、野党勢力は、米国との軍事同盟を強固なものとし、同盟での日本の役割強化を目指す安倍首相の路線に反対する雰囲気を利用すると思う。安保関連法案審議の際の抗議行動の高まり、大衆化は、反戦機運の爆発など思っても見なかった与党や政府の予測を越えるものだった。参議院選挙は、どれだけ日本社会が、自分達の子孫の利益、国全体の利益を堅持するつもりなのか、それを示すものになるだろう。なぜなら日本が米国の軍事戦略に巻き込まれてゆけば、深刻な結果になる恐れがあるからだ。すでに現在、日本と隣国の関係は、よいとは言えない。これは領土問題や歴史問題ばかりでなく、日本が軍事大国としてよみがえるのではないかという、隣り合う国々の不安にも関係している。日本政府は、こうした事を考慮しないわけにはいかないだろう。さもなければ、それは日本の孤立化をもたらすに違いない。」

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