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    状況を複雑化する米駆逐艦の南シナ海パトロール

    状況を複雑化する米駆逐艦の南シナ海パトロール

    © REUTERS/ US Navy
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    日本の横須賀を母港とする米海軍のイージス駆逐艦「ラッセン」は、中国が南シナ海のスプラトリー島海域に建設した人工島の12カイリゾーン内でパトロール活動を行っている。火曜日、駐日米軍司令部スポークスマンが、ロイター通信記者に伝えた。

    先月9月、米国のカーター国防長官は、南シナ海でのパトロール計画について明らかにし「米国は、国際法によって許される世界中のあらゆる場所で、空中、海上その他の作戦を実施する」と強調している。その際カーター長官は「南シナ海も例外ではないし、これからも例外ではないだろう」と指摘した。

    米国にとって、この海域で軍事艦船を使う事は、同盟国に対する重要なシグナルである。そうする事で、米国はアジア太平洋地域から撤退するつもりのない事を誇示できる。またそれ以外に、スプラトリー諸島周辺でのイージス駆逐艦「ラッセン」のパトロール開始は、この島々の領有をめぐって中国と対立関係にある国々に、米国はこれまで通り、この地域で中国の行動の抑え込みを目指しているのだと、はっきり示す事にもつながる。軍事力を増大しつつある中国を警戒し、米国を自分達の安全を保障してくれる存在と見ている日本やフィリピンが、今回、極めて肯定的反応を示したのも決して偶然ではない。

    東京での記者会見で、菅官房長官は「日本政府は、米国政府と緊密な連絡を取り合っている。開かれた自由で平和な海を守るために国際社会が連携することは極めて大事だ」と述べ、日本政府として支持する考えを示した。

    日本政府は、中国による南シナ海の人工島建設について、中国の領有権を認めず、航行の自由を確保すべきだとの立場をとっている。

    またフィリピンのアキノ大統領も、米国の今回の行動を認め「パワーバランスが維持される事を歓迎する」と強調した。

    一方中国側の反応は、十分予測可能なものだった。中国政府は、以前から米国に対し「自由航行を口実にした、海上国境での領海侵犯を許容する事はできない」と警告していた。米国のイージス駆逐艦が現れたとの情報を入手した後、中国外務省は声明を発表し「航行と飛行の自由が、他の国の主権や安全を侵害する口実として使われてはならない」と強調した。

    ラジオ・スプートニク記者は、中国国際問題アカデミー南太平洋調査センターのシェン・シクン所長にマイクを向け、今回こうした行動に出た米国の動機についてコメントしてもらった―

    「米国は、パトロールの口実として、自由航行の保証という問題を利用している。肝心なのは、この地域では、海上でもまた空中においても、航行や飛行を妨げるいかなる障害もなく、いかなる問題も存在していないという点だ。米国は、ここで自由航行が妨げられているという例を確認する事は出来なかった。米国は単に、状況を揺り動かすためだけに行動している。彼らの真の目的は、軍事的優位性を示し、日本とフィリピンを励ます事だ。

    米国は、この地域で建設的な役割をすべきである。今のところ米国が目指しているのは、アジア太平洋地域、特に南東アジアにおける自分の力を維持しようとする事だけだ。」

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    中米関係, 領土問題, 南シナ海, 中国, 米国
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