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    南シナ海領土論争、台湾は中国の味方につくか?

    南シナ海領土論争、台湾は中国の味方につくか?

    © REUTERS/ U.S. Navy
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    アンドレイ イワノフ
    11600180

    南シナ海の緊張は高まっている。米国は武器を行使して「航行の自由」を擁護する姿勢をアピールしており、中国は「自国の領土」を守ろうとしている。ところがこの状況に台湾も首を突っ込んでしまった。

    今日、米国は南シナ海で日本と合同海上演習を開始した。これには原子力空母「セオドラ・ルーズベルト」と駆逐艦「冬月(ふゆつき)」が参加している。これより前、日中には米ミサイル駆逐艦「ラッセン」が南シナ海のスプラトリー諸島にある暗礁のひとつの12海里水域にこれ見よがしに侵入した。この暗礁の上に中国は滑走路を備えた人工島を建設している。

    中国はこれに厳しい態度で応じた。中国共産党中央委員会の機関紙「環球時報」は、「米国のあつかましさを前にして中国は作戦的に反応し、最悪の事態に備えねばならない」、「中国は米国との戦争を恐れない」という文言が踊った。モスクワ国際関係大学、国際調査研究所の上級研究員、アンドレイ・イヴァノフ氏はその戦争を今、台湾が食い止めようとしているとして次のように語っている。
    「中華民国(台湾)外務省はプレスリリースを普及させた。その第2項、第3項には領土論争の全ての当事者に対し、最終的に南シナ海を『平和と協力の海』に変えるため賢明さと自制心を発揮するよう呼びかけが書かれている。だが少なからず重要なのは第1項だ。

    そこには台湾は『歴史、地理または国際法の観点から南沙(スプラトリー)諸島、西沙(パラセル)諸島、長沙(マクレスフィールド)諸島および東沙(プラタス)諸島はその周辺の水域も同様、中華民国の固有の領土および領海の一部である。中華民国は国際法に準じてこれらの島およびその領海に対するあらゆる規則を保持しているいる以上、中華民国政府はこれらの主権に対するいかなる要求も、それらが他の国によって占領されることも、その理由や領土要求ないしは占領の際に用いられるやり方の如何によらず認めない』とある。

    南シナ海の係争領域に対する中国の権利を確証する歴史、地理上の理由を語るにあたって、台湾はいわゆる九段線を指している。これは1947年、蒋介石政府がこの地域の地図にひいた線だ。蒋介石と彼の率いる中国は抗日戦争で米国の同盟国であったため、米国は感謝の印に蒋介石に19世紀末から1945年まで日本の掌握下にあった領土の一部を渡す構えだった。たとえば釣魚諸島(尖閣諸島)もその一部だ。

    ところが1949年、中国の領域で共産党政権が樹立してしまうと、中華民国は台湾のサイズまで縮められてしまう。その台湾に蒋介石行政府は毛沢東の軍を逃れて移ってきた。米国は釣魚諸島を、アジアにおける共産主義を抑制する忠実な連合国となってくれた日本人に渡した。その後蒋介石に続いて中国共産党も釣魚諸島、沖縄、南シナ海における無数の島々、群島の領有権を主張し始めたが、米国は当然のことながらそうした要求を支持しようとはしなかった。それは米国が国際法を遵守していたからでは全くなく、中国は米国では敵視されていたからだった。

    1970年代の初め、ソ連抑止を土台に米中が接近した時でさえ、米国人が政治的に中国に最大限行ったことは、中国の共産党政権を中国で唯一の合法政府と認め、台湾に国連から「出るようお願い」し、中国をそこへ通したことだった。

    だが今、米中間のライバル関係が緊張化する中、米国が中国に与えようとする贈り物はない。その代りに台湾が贈り物を運び、全世界に係争諸島に対する中華民族からの要求を思い起こさせたのだ。
    ところで台湾がこの状況に介入してきたのは不思議に思われるかもしれないが、この状況の熱を冷まそうとしてのことだ。なぜなら今、ここは中国だけの問題ではないからだ。それにもし、仮に中国があいまいではない米国の脅威におののき、人工島の建設作業をたたんでしまったとしても、南シナ海の係争領土問題はどこにも消えてはなくならない。この問題は南シナ海に接する、あらゆる国が台湾のいうように「平和と協力の海」とするため尽力し、解決せざるを得ない。このため米国の原子力空母も日本の駆逐艦もこのプロセスを阻害するだけになってしまう。

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