米政府にとって南北朝鮮は東アジアにおけるゲームの単なる駒

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国連総会で,朝鮮民主主義人民共和国のリ・スヨン外相が演説し、米国に対し、1953年の朝鮮戦争終結後締結され現在効力を持っている停戦協定の代わりに、平和条約を結ぶよう求めた。

北朝鮮は、こうした提案の根拠として、平和条約のみが、南北朝鮮の対立に終止符を打つことができる事を挙げている。そのさい北当局は、韓国と言うよりむしろ米国に対し、それをアピールしているが、これは何も驚くに値しない。米国は、戦争では、南側に立った基本的な参加者だったからだ。停戦協定に調印したのは、韓国ではなく、まさに米国だった。しかし米国は、北朝鮮との平和条約締結を望んではいない。

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ラジオ・スプートニク記者は、ロシア科学アカデミー極東研究所コリア・プログラムのリーダー、アレクサンドル・ジョビン主任に意見を聞いた-

「米国は、朝鮮戦争が残した結果に対する、倫理的な、そして当然ながら物質的な責任を自ら負うことを全く望んでいない。米政府は、米国は国として朝鮮戦争には参加しなかったと主張している。米国の将軍は、国連代表として、停戦協定に署名したというわけだ。韓国側が、1953年の停戦協定への署名を拒否したことはよく知られている。当時韓国大統領であったイ・スンマン氏は、勝利するまで戦いを続けると強硬に主張し、米国の圧力のもとでさえ、停戦に合意しなかった。他でもないこうした状況により、北朝鮮は具体的に米国との間で、交渉することになったのだ。北朝鮮は、現存する停戦文書を変更できるのは、それに調印したものだとみなしている。」

米国は、北朝鮮との間で平和条約を結ぶことができない、もう一つの理由としてしばしば、北当局が核ミサイル兵器製造放棄に関する国際的義務を果たしていないことを挙げている。

ジョビン主任は「これは人類全体にとって重大な問題だが、東アジアにおける米国の政策の目的は、問題解決につながるものではない」と指摘し、次のように続けた-

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「米政府にとって見れば、この問題を調整する必要はない。様々な口実のもと、米国は東アジアに、北朝鮮の脅威に対抗するミサイル防衛システムを展開するプランを正当化するために、問題を残したままにしている。しかし、アジア太平洋地域における対ミサイル防衛システム構築が、まず第一に、中国そしてさらにロシアを念頭においていることは、明白だ。なぜなら、もし明日にでも北朝鮮当局が、米韓の要求をすべて受け入れて、核兵器やミサイルを引き渡したなら、オバマ大統領は、納税者のお金はどこへ行くのか、それを国民や議会に、そしてロシアや中国に、どう説明できるだろうか? そもそも何のために対ミサイル防衛システムがアジア太平洋地域に必要なのか、大統領は説明できるだろうか? それゆえ米国は、北朝鮮を、この地域における悪者のままにしておき、そのおかげで対ロシア及び中国国境地区に沿って、米軍部隊を駐留できるというわけだ。

米国にとって北朝鮮は、外交関係さえ持つべきではない、具体的な悪である。一方南朝鮮、韓国は、反対に戦略的パートナ=である。このように南北朝鮮のステータスは違っているが、米国がアジア太平洋地域における中国抑え込みを目指す地政学的ゲームにという盤上では、北も南も同じただの駒に過ぎないのである。」

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