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    福井照(ふくい・てる)衆議院議員

    ロシアのスポーツ国家戦略を体感したソチの国際オリンピック大学訪問

    © AP Photo/ Alastair Grant
    オピニオン
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    徳山 あすか
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    先月16日、衆議院文部科学委員長の福井照(ふくい・てる)衆議院議員は、他の委員会メンバーとともにロシア南部ソチにある国際オリンピック大学を訪問した。

    福井議員は、以前もロシアを訪れたことがある。2013年5月に東京五輪招致活動の一環として、スポーツアコード会議に参加するためサンクトペテルブルグを訪問した。この会議にはプーチン大統領も出席した。福井議員は、スポーツの世界でもロシアは戦略的に色々なパフォーマンスをしていると感じたという。

    今回、国際オリンピック大学を訪問したきっかけと感想を福井議員に伺った。

    「プーチン大統領はスポーツアコード会議のスピーチで、ソチオリンピック開催にあたり、国家戦略として国際オリンピック大学を設置するのだと述べました。これは日本も真似しないといけないし、さすがプーチン大統領の戦略はすごいなと感じました。その後東京五輪招致が成功し、今回衆議院文部委員会の視察団に加わることができたので、オリンピック大学を訪問できることになりました。ソチオリンピックを開催した場所の視察ももちろんですが、国家戦略としてのオリンピック大学というのはどういうものか見てみたかったのです。

    オリンピック大学の学生さんに、大学を出たらどんな職業につきたいか聞いてみました。すると『スポーツ大臣になりたい』という答えだったので、さすが国家戦略の成果と申しますか、それぞれの学生さんが国のスポーツ行政を引っ張っていこうという志を持っており、また、それを磨いていると感じました。中国や韓国からもスポーツ産業のエグゼクティブ・クラスの人が留学で来ていて、スポーツに関するマネージメントやスポーツ哲学を勉強しているということで、ここでも国家戦略の志が成功しているなと思いました。まだ日本人の留学生は一人もいないということです。そのようなわけで、『びっくり』と『がっかり』と、称賛が入り混じったような気持ちになりました。

    オリンピック会場を見学し、とても日本では真似できないと思いました。日本では、オリンピックというのは暫定的なイベントであって、過大な投資は控えなければならないという世論が主です。しかしソチではスケートリンクもスキー場も、開会式をやった施設もそのまま残していて、観光客も地元のロシア人もスポーツにいそしむことができる、ということに深く感動しました。また、今パラリンピックの重要性は高まっていて、単に、車椅子で競技場にアクセスできるというだけでなく、情報という意味でも、見る・聴く・感じるという五感すべてのアクセシビリティが高まらないと、ユニバーサルなデザインとは言えないのです。そういう意味でソチが100 パーセントそれに成功しているとは言えませんが、そういことを感じさせるような街づくりができていたと思います。」

    建設省出身の福井議員は、都市計画の専門家としての顔も持っている。東京五輪に向けては、ユニバーサルデザインを感じられる街づくりが欠かせないと指摘している。

    「都市づくりについてロシアから学んだことも多いので、今までの経過をふまえてこれからの街づくりをしていきたいと思います。施設を作るだけではなくて社会を創る、歴史と文化を創るというのがオリンピズムの根幹です。100年、200年と続いていくオリンピック・レガシー(未来への遺産)をいかに創りあげていくかだと思います。ソチの例にあるように、国際オリンピック大学がずっと続いていけば、世界中の人がスポーツマネジメントを学ぶ聖地、ディスティネーションになります。東京をユニバーサルデザインの聖地として、世界中の人が東京を訪れたとき、ユニバーサルデザインとは何か、ということを感じてもらう街づくりをしたい。ソチオリンピックと異なるのは、東京には地震・津波といった自然災害が起こる可能性があるということです。2020年の8月、9月にパラリンピックをやっている最中に東京直下で地震が起きて津波がきても、ひとりのパラリンピア、ボランティア、サポーターの人も怪我させることなく、避難させることができるようにします。」

    聞き手:徳山あすか

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    露日関係, 日本, ロシア
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