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    漂流ステーション「北極2015」

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    砕氷船「カピタン・ドラニツィン」号は8月16日、ロシア北西部のムールマンスクに、北極海の氷上で調査を行う漂流ステーション「北極2015」で活動した専門家たちを送り届けた。専門家たちは4か月にわたって漂流ステーションで活動した。調査はほぼ予定のルートに沿って行われ、北極海を420キロにわたって移動した。

    調査の準備は、実際に活動を行うずいぶん前から始まった。ステーションを設置する流氷へのアクセスが難しいことを考えた場合、基地の建設は極めて難しい作業だ。作業と生活に必要なものは全て空から届けられた。まず機械や特別装置が運ばれ、その後、19人の降下部隊が長さ1キロの滑走路を建設した。そして住居と実験モジュール10棟が建てられ、スノーモービル2台とトラクター2台も用意されて、氷の上に小さな町ができあがった。また本土との直接衛星通信の常時接続も確立された。なお重要なのは、ステーションから引き上げる際に、ロシア天然資源環境省が当初から約束していたように、漂流調査中に蓄積された廃棄物などを一切残さずに、しかるべき環境に戻すということだ。

    ロシア天然資源環境省・水文気象学・極地作業課のアンドレイ・チャイカ課長は、作業の性質という観点から見た場合、この調査は、第1回目の調査で始まった作業の継続ではあるが、それは技術的に新たなレベルで行われていると指摘し、次のように語っている‐

    「最初の漂流ステーションは、1937年にオットー・シュミットのイニシアチブによって北極調査の枠内で誕生した。その後、調査を準備する際の当時のアプローチは詳細に検討され、他の観測プログラムが加えられた。これによって北極中央のあらゆる自然環境を、現代的に、総合的に研究することが可能となった。私たちは今、漂流ステーションのメカニズムがその有効性を示し、厳しい自然環境の中で情報を入手するための十分に経済的な手段として実証されたことを理解している」

    当初、今年の漂流ステーションの活動期間は、2か月半から3か月と予定されていた。これは氷と気候条件によって左右される。なぜなら北極の春の天気は不安定で、調査員たちは常に計画を修正しなければならないからだ。しかし、結果的に調査活動は約4か月にわたって続けられた(4月18日から8月9日まで)。漂流ステーション「北極2015」のキリル・フィリチュク副責任者は、学者たちは提供された可能性を最大限利用できたと指摘し、次のように語っている-

    「漂流ステーションのメリットは、調査員を取り囲む北極の全ての環境の中で起こっているプロセスの研究に対する総合的なアプローチを、流氷を通して行うことができるという点だ。私たちは漂流する海氷を調査した。私たちの下には、深さ4キロの海が、頭上には、北極圏の大気が広がっていた。気象学者たちのグループもおり、彼らは大気測定を行った。大気の専門家は、ゾンデを用いて大気の上層部を調査した。氷の研究者も2人おり、彼らは氷とその特性の調査に取り組んだ。海洋学者2人は、海洋の調査をした。水文微生物学者、水文化学者、動物学者たちは、氷の上に姿を現す生き物たちの観察を行った」

    ロシアはこのような形で、ソ連時代に築かれた流氷上での活動技術を発展し続けている。そしてさらに現在、新プロジェクトの実現に向けた作業が活発に進められている。新プロジェクトとは、自走式の氷のプラットフォームだ。なぜなら漂流ステーションのあらゆるメリットと可能性を考慮したとしても、現代の要求からかけ離れていることも多いからだ。

    なお、専門家たちが調査活動で得たデータは、現在、体系化され、調査結果の整理が行われている。全ての詳細は、後ほど明らかにされる。学者たちは今後、大規模な作業を行わなければならない。すでに調査に参加した専門家たちが、北極圏の氷の成分が著しく変化していることを発見したことが明らかとなっている。北極はどんどん暖かくなり、急速に変化している。
    なおモスクワの「北極の日」に合わせて、ロシア天然資源環境省の支援の下、特別プロジェクトが準備されている。

     

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