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    TPP加盟への日本の呼びかけにロシアは応じるか?

    © AFP 2017/ Saul Loeb
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    タチヤナ フロニ
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    日本外務省の川村泰久報道官は、もしロシアがTPPへの加盟を望むなら、しかるべき交渉を開始するチャンスはある、と述べた。これに先立ち米国のケリー国務長官も、ロシアと中国をTPPに招くむねの発言を行なっている。

    専門家らはこれらの提案に注意をひきつけられた。なにしろ米国はこれまで一度として、TPPが当初、台頭する中国の貿易力に対抗し、ブラジル、インド、南アフリカに並んで他ならぬロシアと中国が連なるBRICS諸国の経済的影響力を制限することを目指したものだということを隠しはしなかった。これは、TPPの最重要戦略テーゼがワシントンにとってアクチュアルでなくなったことを意味するのか?真相ははるかに複雑なのだ、と語るのは、世界経済研究所日本経済・政治研究課長のヴィターリイ・シュヴィトコ氏だ。

    「TPPの目的は、特定国の政治的パワーを制限することだけでなく、誰よりもまず自身と自身のパートナーにとって唯一正しく、また利益になるとワシントンが考える貿易・投資ルールを強制することにあった。TPP合意が成立したことは、米国にとっては成功であろう。だからこそいま米国は、もはや平然とTPPに新メンバーを招くことが出来るのだ。なにしろ中国もロシアも、もはや交渉プロセスには参加しない。したがって、TPPのゲームのルールに何らの影響も及ぼすことが出来ないのである。ロシアも中国も、米国を筆頭とする創設メンバーが既に定めたルールに手も無く屈服することを迫られるのだ。さらに、たとえロシアと中国が呼びかけに応じるとしても、TPP加盟プロセスは数年を要するかもしれない」

    TPP合意成立のすぐ翌日、オバマ大統領は、中国のような国にグローバル経済のルールは書かせない、それをするのはひとり米国のみである、と述べた。これを見るに、TPPへの参加については、メンバー全員の平等などは予定されてもいないようだ。シュヴィトコ氏はそう語る。

    「TPPにおけるメンバーシップは、誰よりもまず、既にアジア太平洋地域市場での競争において強い優位性を持っている合意参加者に得になるようになっている。つまりTPPというのは、まず第一に、米国その他の先進国など、強いプレイヤーを守るものになっている。中国はいま、自分自身が立場の強化を望んでいる。よって中国はTPPのルールでプレイすることに関心を持っていない。もっとも、むろん、TPPに既に加盟している相対的に貧弱な国にも、一定の優位性はある。米国市場に比較的簡単にアクセスできるという利点である。つまり、輸出を増大するチャンスが現実的なのだ。ロシアにとっては、今その問題はそうアクチュアルではない。何しろロシアはもう資源輸出に軸足を置いていないからだ。換言すれば、ロシアがいまTPPに加盟するための強い刺激は、事実上ないのである。ガスも石油もTPP合意に何ら左右されないのだから」

    ロシアも中国もTPPへの招待にはっきりした返答を出せないことのもうひとつの理由は、TPPのルールが国際貿易の他の参加者に対してどのようなリスクを及ぼすのか、いまもって明らかでないことにある。よって、たとえば中国は、むしろ欧州と接する中央アジア市場での仕事を増大させるよう努力している。それを具体化したのがシルクロード構想だ。このロードの一部はロシア領土を通る。こういう次第でシルクロード構想における中国の熱意と投資がロシアの当該領域におけるインフラ開発を大いに加速する可能性がある。それは完全にロシアと中国の国益に適うのだ。

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