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    靖国

    靖国公衆便所爆破事件と国際テロ、この間に関係はあるか?

    © AFP 2017/ YOSHIKAZU TSUNO
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    アンドレイ イワノフ
    119271010

    ここ2日間のうちに地球上の2つの離れた場所で事件が起きた。ひとつは東京の靖国神社。日本人ナショナリストが好んで集うこの神社で公衆便所の中で爆発が起きた。もうひとつはウクライナ。ウクライナ人のナショナリストらがクリミアの電力供給をまかなう送電線を爆破し、クリミア全域を停電させた。モスクワ国際関係大学、国際調査研究所の上級研究員、アンドレイ・イヴァノフ氏は、この2つの事件の間には関連性があるとして、次のような考察を表している。

    この2つの爆破騒ぎで直接的には犠牲者は出ていない。とはいえクリミアは市民生活に重要な施設である、たとえば病院も停電してしまったため、非常事態をしかざるを得なくなっている。こうした施設には非常用の発電機が自動的に作動した軍部が電力を分配している。また、ロシア大陸部からクリミアへの電気ケーブル敷設工事を受注している中国企業 は現在、その作業スピードを高めた。

    靖国神社の公衆便所ではタイルが損傷した。現在、警察による犯人捜査が続けられている一方で、これがテロ事件なのか、単なるいたずらなのかを判明する作業が行われている。
    問題は片がついたかのように見えるが、実はウクライナでは送電線が爆破されたために発電そのものの作業が支障をきたし、ザポロージスカヤとユジノウクラインスカヤの2箇所の原発であやうく事故が発生するところだった。つまりウクライナ人ナショナリストらは、もうすこしで自国民に対して2度目のチェルノブイリを引き起こすところだったのだ。

    もちろん彼らはそれを望んだわけではなく、単にクリミアに、つまりロシアにいやな目にあわせたかったのだが、ここでわからないのは、なぜ彼らはこんなにも不敵なのかということだ。それは、ウクライナ人ナショナリストら現ウクライナ政権が自分らを必要としていることを感じているからなのだ。まさに武装したナショナリストらがヤヌコーヴィチ政権を転覆し、ポロシェンコ氏を政権の座につけたのだ。ナショナリストらはポロシェンコ氏の指示を遂行し、新政権に従わぬものたちをオデッサでは焼き殺し、ドンバスではへし折ろうとしてきた。

    ポロシェンコ大統領はその多くがサディストで殺人鬼であるナショナリストたちをなぜ利用 できるのか? それはそのことを西側が許しているからだ。西側は、ポロシェンコはウクライナの秩序確立のため、軍事力を行使する権限を有していると公言している。

    なぜ西側はヤヌコーヴィチよりポロシェンコがかわいいのか? それはなにもポロシェンコがより民主主義的だからでも、彼の一団のほうが収賄に手を染める率が低いからでもなんでもない。それはポロシェンコがウクライナを、西側がロシアに体当たりをかけるための手段に豹変させる覚悟があるからなのだ。

    これから米国がどんな利益を得るか? これは明白だ。では日本は? 同じくポロシェンコに支持を示している日本には何の得があるのだろうか? 日本政府はポロシェンコの助けをかりてロシアを弱体化させれば、領土問題でもエネルギー価格の件でもロシアとは話がつけやすくなると期待しているのかもしれない。

    靖国神社で爆発
    © REUTERS/ Toru Hanai
    エネルギー価格について言えば、その下落は米国がシェールガスや石油に切り替えようとしたことだけが原因で生じたのではない。その試みはあとで不成功におわったのだが。石油価格の下落は「IS(イスラム国)」がシリア、イラクの石油採掘施設のかなりの部分を強奪し、石油を1バレル5~10ドルとほぼ投売り価格で売りはじめておこった。ISの石油購入国リストにはトルコ以外にEU、米国、日本も入っているという証拠がある。これが本当であれば、米国主導の反IS連合軍が1年もの間ISの掌握した領域を空爆しておきながら、テロ組織の主たる資金源となっている石油採掘インフラを破壊しようともしなかったわけがわかる。これはつまり、EUも米国も日本も、事実上ISに資金を提供していたことに等しい。これによって米国、EU、日本が受け取ってきた利益のは安価な石油にはとどまらない。

    20世紀前半、欧米はオーストリア、チェコスロバキアの占領やユダヤ人の虐殺には目を塞ぎ、ナチスドイツを止めようとはしなかった。なぜならナチスドイツを利用し、共産主義のソ連と戦わせようと期待をかけたからだ。そして今、西側はどうやら強力になったISを利用し、自分らにとってのライバルや敵と捉えるロシアと中国と闘わせようと期待していたらしい。だからこそ、ISやその仲間組織のテロリストが中東や北アフリカで一般市民を殺害することには目をつぶってきたのだ。だがそれは失敗した。テロリストらはパリで自分たちの存在を見せ付けた。彼らがそこで殺したのはアラブ人でもロシア人でもない。白人だった。これでやっと西側も事態のおぞましさを完全に意識し始めたかのようだ。

    繰り返すが、西側がこの陰惨さを意識するにはパリの大量虐殺を待たねばならなかった。だが安価な石油の購入はやめたわけではない。この互恵的でモラルに反するビジネスをロシアの爆弾や巡航ミサイルが停めることができるのではないかという期待はある。だが、視力を取り戻し、テロへの支援を完全に打ち切るためにどうしてもあれほどの流血のテロを経験せねばならないのだろうか? 靖国神社の公衆便所を少し爆破するくらいではわからないのだろうか?

     

     

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