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    「武力で平和はやってこない」:パキスタンで米無人機の被害を受けた11歳の少女

    「武力で平和はやってこない」:パキスタンで米無人機の被害を受けた11歳の少女

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    リュドミラ サーキャン
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    パキスタンの11歳の少女ナビラ・レフマンさんは、2014年に最年少でノーベル平和賞を受賞したマララ・ユスフザイさんにちなんで、日本では「もう1人のマララ」と呼ばれている。ナビラさんは、パキスタンで相次ぐ米無人機の攻撃による「偶発的」な被害について日本の人々に語るため、弁護士と一緒に来日した。

    マララ・ユスフザイさんは、パキスタンの武装勢力に襲撃され、ナビラ・レフマンさんは、パキスタンで米無人機の被害者となった。ナビラさんは2012年10月、自宅近くで家族と一緒に畑で作業をしていた時に米無人機による攻撃を受けた。ナビラさんは、「ドローンに攻撃された時は、とても怖かった。あの時の恐怖を今でも忘れられません」と語っている。ナビラさんは腕などに重傷を負い、妹はケガをし、祖母はナビラさんの目の前で死亡したという。ナビラさんは、「どうして米国は、罪のない人々を殺したり、傷つけたりするのでしょう?。ドローンや、そのミサイルに使うお金があるならば、学校をつくって下さい。それこそ、私達が本当に必要としていることです。武力で平和はやってきません、必要なのは教育です」と訴えている。

    ナビラさんと一緒に来日した弁護士のシャザード・アクバルさんによると、無人機の攻撃で殺される民間人はとても多いという。また武装勢力1人を攻撃するのに対して、30人の民間人が犠牲になっているほか、米軍が現地スパイから受け取る情報も、利害が対立する人物を「テロリスト」として報告される場合があり、偏っていることもあるという。しかし米国の無人機による攻撃は続けられている。これは罪なき人々も殺され続けているということだ。アクバルさんは、「米軍はそれを誤爆だとは認めず、謝罪も補償もしません。ドローンについての公聴会で発言するため、米国まで行ったナビラさんに対しても、同様でした」と語った。

    調査報道ジャーナリスト協会によると、パキスタンで行われた米無人機の攻撃によって殺された人たちの中で、「アルカイダ」のメンバーとして特定されたのは、わずか4パーセントだったという。調査報道ジャーナリスト協会は、1年にわたって「死者の名前」というプロジェクトの一環として、パキスタン内外で米中央情報局(CIA)の無人機による攻撃で殺された人々の情報を収集した。調査報道ジャーナリスト協会によると、2004年から無人機の攻撃で2379人が死亡し、そのうち身元が確認されたのは704人のみで、295人がなんらかの武装グループのメンバー、84人が「アルカイダ」のメンバーだった。なお「戦闘員」と呼ばれる人たちが本当に武装勢力のメンバーであるということを証明する事実は、少ししか見つからなかった。

    2001年9月11日の米同時多発テロから3日後、米議会は「武力行使の承認」(AUMF)という法律を可決した、これが空爆の法的根拠となった。AUMFは、米国への攻撃を組織する者たちに対して、彼らがどこにいようとも「全ての必要不可欠かつしかるべき軍事手段」を使用する権限を米大統領に付与している。なお文書に具体的な組織名は記載されていない。一方で、2013年5月、オバマ大統領はこれらの組織について、「アルカイダ」、「タリバン」、そして「それらを連想させる勢力」を示唆しているとしたが、その勢力について具体的にはしなかった。

    米無人機がパキスタンで過激派武装勢力を初めて攻撃したのは2004年6月。これは、米国とパキスタンの秘密協定に基づいて行われた。当時パキスタン政府は、無人機の使用を公にできなかった。なぜなら主権国家領内への侵攻としてみなされる可能性があったからだ。2014年12月にペシャワールの学校がテロリストらに襲撃され、大勢の子供を含む約150人が殺害されたとき、米国は無人機による攻撃が、パキスタン軍がアクセスできない場所で敵を殲滅するのに役立つと主張した。ナビラさんは、まさにそのような場所に住んでいた。その地域では、米無人機による大規模な攻撃の後、パキスタンの民間人およそ100万人が避難を余儀なくされた。ナビラさんに関する記事を執筆したジャーナリスト、志葉玲さんは、「安倍政権が安保法制の下、米軍への支援活動を行おうとしている中、日本の人々もナビラさんの訴えに耳を傾けるべきだろう」と指摘している。

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    パキスタン, 米国
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