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    万が一、南シナ海で米中軍事衝突が起こったらどうするか

    万が一、南シナ海で米中軍事衝突が起こったらどうするか

    © AP Photo / Bao Xuelin
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    徳山 あすか
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    米国は、南シナ海を中国の領海にすることは許さない姿勢を明確にしている。22日に行われた東アジアサミットにて、オバマ米大統領は中国が南シナ海に人工島を造成し軍事拠点化を図っていることを激しく非難した。安部首相も、中国の行動に対して強い懸念を表明した。一方の中国は、自国の岩礁に必要な防衛施設を建設しているだけだとして、一連の行動を正当化している。米国が近日中に人口島周辺に再び艦船を派遣する可能性も高まってきた。万が一、人口島周辺で軍事衝突が起こった場合、日本はどのような行動をとるべきか。元駐中国防衛駐在官で、安全保障問題に詳しい小原凡司氏(東京財団研究員・政策プロデューサー)にお話を伺った。

    スプートニク「米中は互いにけん制し合っていますが、万が一南シナ海で軍事衝突が起こった場合、日本はどうするでしょうか。」

    小原氏「日本が、南シナ海で起こるだろう事象に対して個別的自衛権を発動できない、ということはつまり、軍事作戦に参加できないということです。しかし、日本は南シナ海で活動している米軍の行動を支持する必要がありますから、日本が取り得るオプションは、軍事衝突を『存立危機事態』と認定するか、『重要影響事態』と認定するかのどちらかしかありません。

    『存立危機事態』と認定するのは難しいと思います。となると、米軍等を防衛するための集団的自衛権の発動はできません。『重要影響事態』だとすると、自衛隊はやはり軍隊として活動するわけではありませんが、米軍の艦艇等に対して補給活動等を行うことができます。ただし戦闘区域には近づけませんので、南シナ海の外側で補給活動を行うことになるのではないかと予想されます。

    ただこれは中国側にとってみれば米軍の作戦行動の一部とみなされるわけですから、その場合に、戦闘区域から離れて活動していても、中国の攻撃対象になり得るということを日本は考えておく必要があるでしょう。現在の安全保障法制では日本が取り得るオプションは非常に限られています。日本が何をしなければならないのか、と考えた場合に、安全保障法制に関する議論を更に進めて、平時における自衛権について議論を進めなければならないのではないかと思います。」

    スプートニク「日本が米国と共同行動をとることになれば、日本は中国との対話の機会を失うおそれがあるのではないでしょうか。」

    小原氏「アメリカは、軍事行動を起こす一方で、中国との間に誤解がないように、ハリス米太平洋軍司令官が『航行の自由』作戦の直後に中国を訪問して話をしています。日本も外交的な議論の場をしっかり確保しておく必要があると思います。日本は中国と戦争をするつもりはないわけですから、『守りたいのは航行の自由のみ』であると明確に伝えること、そして中国の意図を理解することです。もし日本が南シナ海において何らかの活動をすると決めるのであれば、中国との議論の場は更に増やして、誤解が生じないように行う必要があります。」

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    中米関係, 領土問題, 南シナ海, 中国, 米国
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