日露2プラス2、再開実現できるか

サイン
2プラス2(外務・防衛閣僚会議)は、安全保障分野での協力を米国以外とも拡大したい日本にとって重要な枠組みだ。例えば今月17日、日本はインドネシアと初の2プラス2を行う。インドネシアと連携を深めることは、南シナ海問題で対中国のけん制材料となる。また今月22日にオーストラリアとも2プラス2を開催する。これはオーストラリア海軍に潜水艦を売り込みたい日本の働きかけの場でもある。

さて日露2プラス2は、2013年末に初回が開催されて以降、まだ2回目が開催されていない。しかし再開の目処について日露双方から前向きな姿勢が見えている。まず今年9月の日露外相会談にてラヴロフ外相は、2プラス2の再開を提案。それに呼応する形で先月、川村泰久外務報道官はリア・ノーヴォスチ通信の取材に対し「日本は日露2プラス2を、相互利益的な問題を協議するための重要なプラットフォームであると考えている。次の2プラス2を開催できるような雰囲気を作りたい」と述べた。

ロシアとの2プラス2再開によって得られる日本のメリットについて、安全保障問題に詳しい、防衛省防衛研究所・地域研究部長の兵頭慎治氏にお話を伺った。

兵頭氏「2プラス2を実施する意義については、2013年12月に策定された『国家安全保障戦略』と呼ばれる日本の国家戦略が書かれた文書の中でも触れられています。東アジアの安全保障環境が厳しくなる中、日本はロシアと安全保障面での関係を強化していく方針を策定しました。第一回目の2プラス2会合は2013年11月に東京で開かれました。しかしながら、ウクライナ問題が発生し欧米諸国とロシアとの関係が悪化したため、現在に至るまで、本来モスクワで開催される予定の第二回目の会合が先送りされています。

ウクライナ問題があったとしてもロシアとの間で2プラス2を実施していくという日本側の姿勢に大きな変化はありません。東アジアの安全保障環境悪化を背景に、日本側には『安全保障面でロシアと関係強化した方がよい』という戦略的判断があるからです。

もちろんウクライナ及びシリアの問題は注目されていますが、ヨーロッパ・中東という西側の安全保障環境と、日本周辺の東アジアの安全保障環境は基本的に異なります。西側の問題が変化したとしても、東アジアの安全保障環境が厳しいことに変わりはありません。対IS連合という形で欧米諸国とロシアとの関係が改善されていくことになれば、ロシアとの間の安全保障協力も進めやすくなります。また、安全保障問題の中にはテロ問題も含まれています。これについて2プラス2の場で協議ができれば、日本にとっても大きな意義があります。」

 

ニュース一覧
0
コメント投稿には、
ログインまたは新規登録が必要です
loader
チャットで返信
Заголовок открываемого материала