2016年、我々を待つものは何か、欧米は牙をむくのを止め、ロシアに微笑むか?

© Fotolia / Maxximmm2016年、我々を待つものは何か;欧米は牙をむくのを止め、ロシアに微笑むか?
2016年、我々を待つものは何か;欧米は牙をむくのを止め、ロシアに微笑むか? - Sputnik 日本
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2016年が一体どんな年になるのか、楽観的に予想する事は出来ない。占星術者から始まって、地質学者や政治学者らは、皆仲良く、地球規模の自然災害から第三次世界大戦まで、人類にあらゆる災いが降りかかると予言している。実際果たして、すべてはそんなにひどい状況なのだろうか? 以下モスクワ国際関係大学のアンドレイ・イワノフ上級研究員の意見を御紹介したい。

起こり得る自然災害として、まず心配されているは、アジア諸国を襲う恐れがあるという干ばつ、そして欧州に洪水を引き起こす大雨だ。実際すべての大陸の沿岸地帯は、巨大な津波に見舞われる可能性がある。米国イエローストーンの巨大火山が爆発する危険は、今年も除外されてはいない。しかし、恐らくそうした事は、起こらないだろう。それらを阻止しようと努力しながら、我々は、自分達が生き残り、何も起こらないように願い続けることになるだろう。

とはいえ、軍事的政治的な大変動は、また別の問題である。そうした変動が起きる可能性は少なくない。昨年ロシア及び欧州では、しばしば、ブルガリアの盲目の女性預言者ワンギが残した言葉が思い起こされた。あのヒトラーさえ彼女の予言を恐れ、無神論国家であるソ連その他の社会主義諸国の指導者らも、彼女の言葉に耳を傾けたと言われている。ワンギは、チェルノブィリ原発事故やソ連邦の崩壊、原子力潜水艦「クルスク」の沈没事故などを予言した。そして昨年2015年は、シリアにおける戦争についての彼女の予言が、また欧州及びアジア、米国の人々は「大気中に溶け込んだ死」により非業の死を迎えるだろうとの彼女の言葉が、大きな注目を集めた。

他の予言も話題となった。シリア-トルコ国境付近にあるテロリストらの陣地を空爆していたロシア機スホイ24に対するトルコ空軍機の背信的撃墜行為、そしてロシアのそれに対する厳しい反応は、多くの人々、とりわけギリシャ人に「イスタンブールがロシア人によりギリシャに渡され、この町が再びキリスト教(正教)の町コンスタンチンノープルになる」というギリシャ修道士パンスィヤの予言を思い起こさせた。

さらに、誰が予言したかは定かではないが「第44代の米国大統領は黒人になり、彼が米国最後の大統領となる」という古い予言が人気を集めた。ただ何故そうなるのか、イエローストーンで大噴火が起こるからか、恐ろしい巨大津波を誘発する能力を持ったロシアの無人原子力潜水艦によるものなのか、米国のマスコミは確認していない。

一方、ロシアにも、その崩壊も含めた様々な不愉快な予言がなされている。中でも特に懸念されているのは、ウクライナ関連の諸問題の今後だ。しかしロシアも、もしできるだけ短期間に経済を改革し、原料やエネルギー部門への依存度を、最新のハイテク産業を発展させることを通じて減らしてゆかなければ、深刻な状況を迎えるだろう。我々自身も、その事をよく理解している。

また我々の西側の「パートナー達」の行動も、プーチン大統領が述べているように、我々に危険をもたらすかもしれない。米国やEUそしてNATOでは、ロシアに起因する危険について論じる事が好まれている。ロシアの攻撃的性格の例として挙げられているのが「クリミア占領」だ。しかしこれは実際のところ、ウクライナの中央政権を不法に奪取した「僭称者」に従うことを望まなかったクリミアの住民の意志により、ロシアに再編入されたのである。

またマレーシア機の墜落事件について言えば、ロシアは、この悲劇に何の関係もない事がはっきりしているにもかかわらず、罪を着せられている。さらに合法的に選ばれたシリア政府の要請によって行われている、シリア領内でのロシア軍機による空爆は、ロシアが「西側との協力」を望まないあかしだとされている。

ロシアの脅威という作り話を特に熱心に言い立てているのは、旧東ヨーロッパ諸国あるいは旧ソ連邦構成共和国だ。例えば、バルト三国は、自国市民と欧州諸国の人々に対し「ロシアは、ロシア語系市民の擁護を口実に、バルト三国を侵略するつもりだと言って怖がらせている。なおここで特に、バルト三国に住むロシア語系市民は、実際これまでしばしば、差別されているが、ロシアは、すでにはっきりと彼らを守るために軍事的手段を行使するつもりのない事を言明している点を、指摘しておきたい。それにもかかわらずNATOは、こうしたロシアに関するあらゆる恐怖物語を信じるふりをしながら、対ロシア国境付近に、重兵器を移動している。こうした中、ロシアに残された道はどんなものだろうか? それは、自分達の軍隊の近代化プロセスを加速化させる事である。

しかしロシアを隔離し抑え込もうとする政策の有害さについては、冷静なものの見方をする人々の間では、ますます明らかになりつつある。明白なのは、ロシアにとっても西側にとっても、そして人類全体にとっても、敵は共通しているという事だ。それは、テロリズムであり、宗教的過激主義であり、経済発展における格差であり、疾病、環境悪化、気候変動である。ロシアも、こうしたあらゆる諸問題との戦いにおいて,西側と協力する用意がある。けれども西側は、今のところ、ロシアとの戦いの方をよしとして、不自然な口実のもと、ロシアに対する新たな制裁措置を導入しようとしている。まさに今、我々は、昔話の小さなアライグマの話を思い出す時なのではないだろうか。その話とは、一匹の子供のアライグマが川を渡る際、川の中にいるものを威嚇しようとして牙をむいたが、実は相手は川面に映った自分の姿で、それを見て肝をつぶした、というものだ。後でアライグマのお母さんは、子供に「そういう時は微笑まなくてはいけない」とアドバイスした。 さて現在我々は、ロシアを恐れる西側の政治家達に、牙をむくのではなく微笑みかけなくてはならないのだとアドバイスできる人物を、果たして見つける事ができるだろうか?

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