シリア国民連合(シリア反体制派革命勢力国民連合)のメンバー、ファウド・エリコ氏は、ラジオ「スプートニク」のインタビューに応じ、「ジュネーブ3」を取り巻く状況について、次のようにコメントした‐
「ロシアは、シリア反政府勢力の代表者15人のリストを提示した。ロシアは、彼らの『ジュネーブ3』への参加を主張している。これはもしかしたら反政府勢力の合同代表団のようでもあり、反政府勢力の2つの個別のグループのようなものかもしれない。ロシアは特に、シリア民主勢力大会の代表者や、クルド民主統一党のリーダー、サーリフ・ムスリム氏、カドリ・ジャミル氏(シリア元副首相)、ハイサム・マンナ氏(シリア産業省の元次官で「国民調整委員会」の元調整役)のジュネーブ3への参加を主張している。これまでのところ、これらの人々の参加は確認されていない。ケリー米国務長官は先日、サウジアラビアでシリアの反政府勢力と会談し、ジュネーブでの協議に向けた準備について話し合った。今後、協議の参加者リストを最終的に明確にするため、ロシア側との会談が予定されている」。
エリコ氏は、予定されている協議を前にしたトルコの立場についても述べ、トルコとシリア反政府勢力は、協議参加者にクルド民主統一党が含まれるのを望んでいないと指摘した。反政府勢力は、クルド民主統一党が、シリア政府軍と協力しているとして非難している。クルド民主統一党の協議への参加は、まだ確認されていない。またエリコ氏は、「自由シリア軍」、組織「アハラール・アシ・シャーム」と「イスラム軍」の代表者がジュネーブに訪れる見込みだと伝えた。なお「イスラム軍」からはリーダー自らが協議に参加するという。
シリア反政府勢力によると、存在するテロ組織は2つ、「ダーイシュ(IS、イスラム国)と「アル=ヌスラ戦線」のみだ。エリコ氏は、「我々は、他の組織はテロ組織と考えていない」と述べた。エリコ氏は、ジュネーブでの協議がどれほど効果的なものとなり得るか?またシリアにおける軍事行動を止めることはできるだろうか?との問いに、
次のように答えた―
「もしイラン、ロシア、米国、サウジアラビア、トルコが意見の相違を克服し、統一された政治的意思を示すならば、ジュネーブでの協議はシリアに平和を構築する助けとなるだろう。しかし、もしそのようなことが起こらなければ、戦争は今後も続くだろう」。