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    東アジアにおける米国のミサイル防衛システム配備は誰に向けられたものか?

    東アジアにおける米国のミサイル防衛システム配備は誰に向けられたものか?

    © AFP 2017/ Jung Yeon-Je
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    タチヤナ フロニ
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    韓国の与党セヌリ党のキム・ムソン(金武星)党首は「自国領内に、米国の最新鋭地上配備型迎撃システム『THAAD(終末高高度防衛ミサイル: Terminal High Altitude Area Defense missile;サードミサイル)』を展開する合意を結ぶ必要がある」と考えている。キム党首の意見では、北朝鮮の核問題に対し消極的に反応する事は出来ない、との事だ。

    韓国領内に米国がTHAAD(サード)ミサイル防衛システムを配備するという問題は、大分以前から論議されており、専門家の大部分は、遅かれ早かれそれが韓国領内に出現する事を疑っていない。しかし韓国は、米国のミサイル防衛システム配備問題を利用する事を決めたようだ。ロシア科学アカデミー経済研究所コリア・プログラムの責任者、ゲオルギイ・トロラヤ氏は、そう考えている-

    「まず第一に、韓国当局は、米国と取引をしながら、米国から二国間関係の他の分野での更なる譲歩を得ようと欲している。そして同時に、朝鮮半島へのミサイル防衛システム配備に対し激しく反対している中国に、韓国は、自分達には米国当局から独立した自主的な政策を行う能力がある事を示したいと思っている。現在北朝鮮が、核実験実施とミサイルの打上げに向けた準備を明言した事により、韓国南部でのTHAAD展開に関する議論が、再び活発化するに至った。」

    韓国のハン・ミング(韓民求)国防相も、自国領内に一つあるいは数個のTHAAD(サードミサイル)中隊を配備する事に積極的に賛成している。

    国防相は、もし配備されれば、韓国は、これまでよりもっと効率的に、北のミサイルの脅威に対抗できると考えている。しかし韓国内には、配備に反対する人達も多い。彼らは、THAAD(サードミサイル)システムの配備は、北東アジアに地域的なミサイル防衛システムを作ろうとする計画に韓国当局を引き込もうとする米国の、より広範な試みの一部であるとして懸念を表している。

    ロシア科学アカデミー経済研究所コリア・プログラムの責任者、ゲオルギイ・トロラヤ氏は「こうした論拠は、大部分の専門家にとっては、北朝鮮の脅威などより、もっと現実的に思える」と指摘し、次のように続けた-

    「ミサイル防衛システムが北朝鮮にのみ向けられたものだとの説明を、専門家達は、実際上、納得していない。なぜなら、北朝鮮のミサイルは、それほど多くないからだ。それゆえ、恐らく米国のシステムは、北朝鮮抑止だけのためでなないだろう。北東アジアの対ミサイル地域防衛システムづくりの問題は、米政府の努力によって、徐々に現実的性格を帯びつつある。こうした事は、言うまでもなく、中国にとって悪いことであり、ロシアにとっても大変良いこととは言い難い。おまけに、この地域における米国のミサイル防衛システムが、まず第一に、中国抑止に向けた米国の世界戦略の一環であるとの見方を、専門家らは決して否定していない。」

    実際のところ中国は、対外活動において、これまでより大きな自主性を発揮し始めており、自分達の国益を一層断固に守ろうとし始めた。その事は、米国や日本、そして中国の近隣諸国の不満を呼び起こしている。しかし朝鮮半島に、米国の最新鋭地上配備型迎撃システム、「THAAD(サードミサイル)」システムが配備されるならば、それはアジア太平洋地域の緊張を高めるだけだ。おまけに、北朝鮮当局とのいかなる対話もないという条件のもとでは、そうした状況は、抑止につながらないばかりか、あべこべに北朝鮮が、自国の核プログラム改善を進める励みになってしまう。

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    北朝鮮, 韓国, 米国
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