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    現代技術の助けによりプチャーチン使節団の「ディアナ」号引上げは可能

    現代技術の助けによりプチャーチン使節団の「ディアナ」号引上げは可能

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    1855年2月7日、伊豆・下田の長楽(チョウラク)寺で、ロ日両国間の外交関係樹立と国境線確定を規定した、ロシアと日本の間の初めての条約が調印された。ロ日和親(あるいは通好)条約である。この調印式に、ロシア全権代表として出席したのは、エフィーミイ・プチャーチン海軍中将、日本側(江戸幕府)の全権代表は、筒井政憲(ツツイマサノリ)と川路 聖謨(カワジトシアキラ)だった。

    ロシアの使節団を乗せたフリゲート艦(三本マスト軽帆走軍艦)「ディアナ」号は、日本到着後、下田港に錨をおろし停泊していたが、1854年12月23日、安政の大地震にともなう津波に襲われた。津波は、下田沿岸の家々をのみこみ「ディアナ」号も流され、損傷を受けた。そのため幕府の許可を得て「ディアナ」号は、修理のため伊豆半島西岸の戸田(ヘダ)湾に向かった。しかし航海の途中「ディアナ」号は嵐に襲われ、現在の富士市沖で座礁、沼津沖で沈没してしまった。

    軍艦「ディアナ」号は、ロ日和親条約調印から161年たった今も、駿河湾の海底に眠っている。1954年と1976年、それぞれ海底から「ディアナ」号の錨が発見され引き上げられた。一つは戸田造船郷土資料博物館に、もう一つは富士市の公園に大切に保存されている。

    なお「ディアナ」号が沈没した場所、その海底の深さについては、著名な歴史学者、岡山大学の保田孝一(ヤスダコウイチ)名誉教授、そしてサンクトペテルブルグのヨットの専門家コンスタンチン・ボイコフ氏らの調査により特定されている。彼らは、サンクトぺテルブルグ市海軍アーカイブに保存されている「ディアナ」号の航海日誌を丹念に調べた。

    スプートニク日本のアンナ・オラロワ記者は、サンクトペテルブルグ「ロ日」友好協会の理事会の役員で画家のナターリヤ・マクシモワさんに話を聞いた。マクシモワさんは、2010年に旭日章を受けている。彼女は「船は、深海に沈んでいるが、現代の技術をもってすれば、海底から引き上げることは可能だ」と考えている―

    「もし何らかの海軍学校が、それに取り組むなら『ディアナ』号の引上げは可能だ。ただそのための資金と技術が必要だ。今はソナーという優れたものがある。それを使えば、深海を調査し、沈んでいる物体の形を特定できる。コンスタンチン・ボイコフ船長の努力により、船が沈んている大体の場所は分かっている。彼は、潮の流れ、風、天候条件を考慮しつつ、水路学の知識も参考に沈没場所を割り出した。『ディアナ』号の引上げは、国家的な課題になると思う。しかし今のところ、残念ながら成果はない。」

    「ディアナ」号の捜索には、岡山大学の保田名誉教授や、富士市の郷土史家奈木隆雄(ナギモリオ)氏、そして下田の歴史家達も積極的に参加してきた。また下田の石井直樹(イシイナオキ)市長や、防衛庁長官を務めた経験を持つ斉藤斗志二(サイトウトシツグ)衆議院議員も、調査に対し援助を惜しまなかった。現在「ディアナ」号の捜索活動は一時休止となっているが、マクシモワさんは「それが再開され、伊豆半島の海岸部に「ディアナ」号博物館が作られ、スウェーデンの首都ストックホルムにある「ヴァーサ」号博物館に、勝るとも劣らない人気スポットになるよう期待している―

    「ストックホルムには、素晴らしい博物館がある。私も訪れたことがある。そこには1628年の処女航海でストックホルム港に沈没した王室の軍艦『ヴァーサ』号が展示されている。『ヴァーサ』号は、沈没から333年後に、奇跡的に極めてよい状態で引き上げられ、特別の博物館が作られて、そこに展示されている。この博物館は、北欧で最も多くの来場者を集める人気スポットだ。」

    最後に、スプートニク日本のオラロワ記者は、マクシモワさんに「ディアナ」号の博物館が作られるとしたら、日本のどこにできるだろうか、と聞いて見た―

    「おそらく下田か戸田だろう。どちらも、とても素晴らしい場所だ。富士山のふもとにある富士市もいいかもしれない。しかしこれは、日本の方々が決める事だ。すでにこれらの場所、下田、戸田、富士には博物館があり、そこではプチャーチン使節団の歴史に大きな注意が割かれている。でもまず『ディアナ』号の引上げが実現するよう願ってやまない。

    あの船をロシアと日本が共同で引き上げることになれば、両国の協力と友好、相互理解の強化に、必ずや役立つに違いないと思う。」

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    歴史, 露日関係, 日本, ロシア
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