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    チェルノブイリとフクシマ‐事故原因は異なるが事故影響は似ている

    © AFP 2017/ Sergei Supinsky
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    リュドミラ サーキャン
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    4月26日、チェルノブイリ原子力発電所で世界で最も恐ろしい事故が発生してから30年となる。ベラルーシの汚染地域の面積は、同国の総面積の20パーセント以上、ウクライナは5パーセント、ロシアは19地域の0.6パーセントとなった。

    事故から数日後、原発周辺の30キロ圏内が立ち入り禁止区域となり、住民の退去が始まった。学者たちによると、現在圏内の平均的な放射線量は一時間あたりおよそ10ミリシーベルトで、人間の健康への有害な影響は事故直後の4分の1となった。しかし危険は今も近くに潜んでいる。道路から数歩離れた溝やコケでは、線量計の針が限界値を振り切るほど放射線量が高い。チェルノブイリ原発のイーゴリ・グラモトキン所長は、いつになったら原発周辺が居住に適した土地となるのか?との質問に、「2万年はかかる。少なくともチェルノブイリ周辺には3000年は住むことができない」と答えた。

    チェルノブイリ原発の事故処理には60万人以上が参加した。当時のソ連のほぼ全地域の代表者たちが事故処理に従事した。原発では現在2500人が作業を行っている。彼らの課題は、事故が発生した4号機を覆うコンクリート製の石棺の上に新たな「アーチ」型の構造物を建設することだ。4号機の石棺は、外部要因と放射線の影響で崩壊し始めた。これは極めて危険だ。なぜならそこには今もおよそ200トンの放射性物質が残っているからだ。新たなアーチ型構造物は石棺を覆い、その部分的な解体の開始を可能とする。

    チェルノブイリ原発事故後、事故の犠牲者として正式に認められたのは、急性放射線症候群で死亡した200人のみ。一方で複数の情報によると、犠牲者の数は2万5000人から30万人。放射性ヨウ素の作用によって引き起こされる甲状腺がんは、チェルノブイリ事故の身体影響の唯一の重要な指標となったが、多くの学者たちは、この結論は間違っているとの見方を示している。病気が外部被ばく及び内部被ばく線量と直接関係していることを証明するのは極めて難しい。一方で医師たちの情報によると、外部被ばく及び内部被ばくを受けた2人に1人に健康上の問題が見つかっているという。

    すでに10年以上にわたって、ロシア、ウクライナ、ベラルーシの被災した3カ国で、多くの国の代表者たちが、チェルノブイリ原発の事故処理作業に参加している。それは物理学者、放射線医学者、化学者、生物学者、医師、環境学者、ボランティアなどだ。日本は、診断、治療、および必要な機器の供給で多大な援助を行った。2011年3月に福島第1原子力発電所で事故が起こった時、多くの人がチェルノブイリ原発事故と比較した。この2つの事故では、特に事故の影響という点では、相違点よりも類似点の方がはるかに多い。それは立ち入り禁止区域、強制退去、子供の甲状腺がん、放射性廃棄物の処分の問題、被災者への補償、等々たくさんある。日本の学者たちが事故の様々な方面に携わるロシア、ウクライナ、ベラルーシの施設に最も頻繁に訪れたのも理由があってのことだ。

    チェルノブイリ原発事故から30年。この間に人類は、放射線医学、放射線生物学、遺伝学、細胞学、免疫学などの分野でたくさんの知識を新たに得た。その基礎にあるのは、数百ないし数千もの臨床研究、実験的および理論的研究だ。残念ながらこのテーマに終わりはない。ドイツの放射線生物学研究所の学者マイケル・アーベント氏は、「世界には非常にたくさんの原子力施設がある。そしてチェルノブイリ原発やフクシマで起こったような事故が繰り返されないことを保証できる人は誰もいない。このようなリスクが存在する間は、研究を行い、地球の未来のために事故の影響を最小限にすることを学ぶことが学者たちの義務である」と述べている。

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