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    領土問題解決への「新しいアプローチ」:ブレークスルーかはったりか

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    リュドミラ サーキャン
    南クリル諸島:不和あるいは協力の島? (27)
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    5月6日にソチで開催されたプーチン大統領と安倍首相の会談で、両国関係が良い方向に進んだ。ロシアと日本両方の、専門家や外交官の多数のコメントから、そう判断できる。ただ、日本の首相が提案し、ロシア側も建設的なものと認めた、領土問題を解決するための「新しいアプローチ」は、公衆および両国の専門家に隠されたままだ。

    リア・ノーヴォスチのインタビューで筑波大の中村逸郎政治学教授は次のように語る。「重要なのはこの新しいアプローチが日本が問題は解決済みであるという事実を認めることを意味するのか、それともそれは領土問題の解決策を模索し続けることを意味するのかだ」「私は唯一の解決策は問題が解決済みであることを日本が認めることだと考える。しかし、ここで別の問題が発生する。もし問題が解決済みのものとなるならば、日本の首相とロシア大統領はもう何も議論することがなくなるということだ」と同氏は強調した。

    元ロシア大使を務めたアレクサンドル・パノフ氏は、安倍首相は以前に考案されていたいずれかのシナリオを提示した可能性がある、と見ている。 「日本側は平和条約締結によってハボマイとシコタンを譲り受け、イトゥルプとクナシルについては30-50年間ロシアの行政権を存置するという選択肢を示したかもしれない。これは日本にとっては妥協だ」とパノフ氏。

    一方極東研究所日本研究センターの主任研究員ヴィクトル・パヴリャチェンコ氏はスプートニクのインタビューで、日本人は自分の主張を絶対に曲げない、と述べた。日本人にとっては平和条約署名のためのあらゆる条件が彼らに満足のいく解決策と連動する。「私は、この点で、画期的な解決策などあり得ないと思う。しかし、安倍自身がプーチンに何かを提案し、それが両国の世論を喚起しないように非公開に伏されているという事実は非常に明白だ」氏によれば、これまで両当事者は交渉の中でいくつかの文書に依拠していた。それは1956年共同宣言であり、1993年と1998年の東京およびモスクワ宣言であり、2001年イルクーツク宣言であるという。

    プーチン大統領と安倍首相
    © AFP 2017/ Pavel Golovkin / POOL
    プーチン大統領と安倍首相

    もしそうなら、二つの選択肢が考えられる。まず、安倍首相はプーチン大統領に、日本の標準的定式である、「互恵的な経済協力に関する大規模イニシアティブと引き換えの平和条約プラス四島」。ここには追加の要因として、ロシアの経済発展を妨げる国際制裁もある。この場合、日本は一方的にその制裁を解除するが、ロシアも逆の措置を行う必要がある。ただし、この選択肢では、根本的に新しいものは何もない。これは1997年にクラスノヤルスクで当時のエリツィン大統領と橋本首相の会談で話されたのと同じことだ。このとき6項目からなる類似した経済対策が討議され、さらに2000年までに平和条約に署名する合意さえ結ばれた。

    2つ目のシナリオは、平和条約が署名された後、日本へシコタンとハボマイを引き渡す、と規定する1956年宣言への復帰。この1956年宣言は両当事者が署名し批准したクリルのステータスに関する唯一の文書であるという点もこの仮説を支持する。現在のロシア政権も度々この宣言を遵守することを確認している。この選択肢の新しい点として考えられるのは、クナシルとイトゥルプの将来の地位に関する協議の継続に関する当事者の義務、島の非軍事化、そしてたとえば、日本の資本への特権アクセスをもつ経済特区の設置などだ。

     

     

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