北朝鮮外相に省内きっての米国通が任命

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朝鮮民主主義人民共和国の新たな外務大臣に外務次官のリ・ヨンホ氏が就任した。ロシア科学アカデミー東洋学研究所、朝鮮モンゴルセンターのアレクサンドル・ヴォロンツォフ所長はこの人選について、外交政策をより柔軟にし、対米関係の構築にこぎつけたいという北朝鮮の意気込みの表れとの見方を示している。

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「リ・ヨンホ氏の北朝鮮外相任命には北朝鮮の指導部の若返りプロセスが反映されている。しかもこれは、最高級のプロたちによる人材固めが行われているといっていいと思う。
私はある時ニューヨークの国際会議でリ・ヨンホ氏と同席したことがあったが、その時の印象は稀に見る専門的に養成された人物というものだった。リ・ヨンホ氏は落ち着いた、非常にインテリジェンスの高いディスカッションマナーを持っている。彼の発言はしっかりと論拠があり、安定している。これは古典的な外交流儀の具象化された形だ。

断っておくが、こうした手法は北朝鮮の外交流儀にはそうあることではない。北朝鮮外交には強硬に押し付けるやり方で外交課題を実現する強面スタイルの交渉もある。こうした様式は一般に受け入れられている外交マナー、外交術のイメージにいつも当てはまるというわけではない。ところがこのリ・ヨンホ氏は別の、文明的な世界で通用している外交術を代表する流派の人間だ。」

「スプートニク」:リ・ヨンホ氏の外相就任は北朝鮮の外交政策にどう影響するだろうか?

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ヴォロンツォフ氏:「 リ・ヨンホ氏任命の明確な意味は、ひとつには彼が北朝鮮外務省きっての米国通で米国政治に非常に精通していることだ。彼が6者協議に活発に参加してきたことも偶然ではない。リ氏が任命されたということは、現在の米朝関係があらゆる困難に直面しているにもかかわらず、北朝鮮にとっては米国は依然として注意を払うべき主たる外交政策上の対象であり、対米関係の正常化路線は未だに北朝鮮外交政策の主要課題に数えられているということだ。」

「スプートニク」:米朝関係になんらかの前向きな傾向が生まれると期待できるか? 米国が発動する北朝鮮の喉元を絞めるような制裁は解除されるだろうか?

ヴォロンツォフ氏:「制裁を発動した米国人自身が、その効果のほどは疑問だといっている。制裁が北朝鮮の核ミサイル技術の発展をおしとどめることはない。米国のプロの専門家、外交官らは北朝鮮の核問題で成功を収めようと思ったら、相手と交渉するしかないことを理解している。先日、ニューヨークである国際会議に出席した際、ちょうどウイリアム・ペリー元国防相もこれに出席していた。

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ペリー氏は1994年に北朝鮮との枠組み合意を調印するプロセスで主要な役割を演じたひとりだ。ペリー氏は、当時米国人は北朝鮮を自分たちがこうだと思う姿に描くのではなく、安全保障分野で北朝鮮が抱く憂慮も含め、あるがままの姿でとらえていたと語っている。そうとらえていたので、当時は事がうまく運んだのだ。そして今でも米国の政治エシュタブリッシュメントの中にはそうした北朝鮮の現状への理解は存在している。ただしこうした理解の持ち主がどれくらい影響力を持っているか、北朝鮮に対して毛嫌いする上院や政権の他のブランチの大多数を納得させられるかというと。これは別問題なのだ。」

ヴォロンツォフ氏は締めくくりとして、リ・ヨンホ氏が外相に任命されたということは、やはり米国との相互理解の路を積極的に模索し、そのなかで何らかの成功を収めたいという北朝鮮の期待の現れを物語っていると語った。

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