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    レイプ殺人は、街灯と防犯カメラを増やせば抑止できるのか

    レイプ殺人は、街灯と防犯カメラを増やせば抑止できるのか

    © AFP 2017/ ALI AL-SAADI
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    徳山 あすか
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    沖縄県うるま市で会社員の女性が米軍属のシンザト・ケネス・フランクリン容疑者に暴行・殺害された事件を受け、日本政府は沖縄県民の安心・安全のための犯罪抑止対策推進チームを設け、第一回の会合を26日の午後に開いた。再発防止策は来月上旬にも取りまとめられる予定だ。

    26日の時点で出てきた対応策は、街路灯を増設すること、防犯カメラを増設すること、およびパトロールを強化することである。果たしてこれは政府として打ち出すレベルの対応策なのだろうか、という疑問がわいてくる。街路灯は本来自治体が設置するものであり、防犯カメラやパトロールは主に警察の管轄である。沖縄で米軍関係者による事件が起こり続け、自治体や地元警察の限界を超えているからこそ、日本政府は地方ではできないレベルの対策を講じる必要があるのではないか。

    それと時を同じくし、26日、参議院議員会館で「沖縄女性殺害に関する緊急集会」が開かれた。オーストラリア出身で、日本に住むキャサリン・ジェーン・フィッシャーさんは、2002年に神奈川県横須賀市内で米兵の性暴力の被害にあった。バーで薬物を入れられ、見知らぬ男(後に米軍横須賀基地の兵士であると判明)にレイプされたのだ。緊急集会でフィッシャーさんは、沖縄で起きた米兵による性犯罪の犠牲の膨大な記録を見せ、いかに多くの日本人女性が被害にあっているのかを示した。フィッシャーさんの事件は不起訴となったため、フィッシャーさんは東京地裁へ民事裁判を起こした。賠償金支払いの判決が下されたが、その時すでに犯人はアメリカへ逃げ帰っていた。

    作家の落合恵子さんは同集会で、自身が30数年前に書き、映画化もされた小説「ザ・レイプ」が出版された当時のことを「週刊誌などで『落合恵子がポルノを書いた』と報じられました。レイプは彼らにとってポルノだったのです。女性が略奪と支配の対象である限り、レイプはポルノグラフィと同じ扱いを受ける、ということを(小説を)書いてみてあらためて知りました」と話した。レイプは、落合さんの言葉を借りれば「魂の殺人」であるにもかかわらず、日本では未だに親告罪となっており、被害者が強い意志をもって訴え続けない限り、加害者が罪に問われることはない。
    新日本女性の会・中央本部の油原通江(ゆはら・ゆきえ)平和部長は、自らも先週沖縄に足を運び、事件に対して抗議するとともに、街の人々の声を聞いた。油原氏は「事件の経緯から考えて、犯罪抑止対策推進チームが打ち出している防犯カメラ云々などの対策は話にならない」と指摘している。

    油原氏「沖縄の方は異口同音に『基地がある限りこのような事件は繰り返される。綱紀粛正と言っても抑止力が働かないのはわかっている。原因は日米地位協定だ』とおっしゃっていました。この協定は日本を属国とみなすような差別的なもので、そしてその差別的な協定に基づいて米軍人、海兵隊員、軍属に対する教育がなされています。主観的なものも含めてかもしれませんが、沖縄の女性たちは、日米地位協定に基づいて『なんとなく見下されている』ような気持ちがする、とおっしゃっていました。」

    事件を受けて25日夜には前倒しで日米首脳会談が開かれたが、日本側は日米地位協定の見直しについては申し入れさえしていない。日米地位協定の不平等が解消されない限り、形ばかりの犯罪抑止対策は何の効果ももたらさないだろう。

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    日米関係, 日本, 沖縄, 米国
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