日本とEU、WTOの基盤を崩したとして米国を非難

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日本とEUは、WTOの基盤を崩したとして米国を非難した。きっかけは、4年間の任期が5月31日に切れる韓国のチャン・ソンファ判事がWTO上訴裁判所判事として任期を更新されることを米国が拒否したこと。一方の米国側は、氏を「抽象的」な決定をとったとして非難した。

EUと日本という米国の同盟国は、ほぼすべての問題につき米国を支持しているように思われていた。なぜこの場合につき彼らがワシントンを批判しているのか。スプートニクがロシアの雑誌「エクスペルト」アナリストのセルゲイ・マヌコフ氏に聞いた。

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「EUと日本はWTOへの信頼性を損なったこと、WTOの作業を怠ったことにつき、米国を非難しているのであり、それ以上でも以下でもない。相等奇妙な話であるが、これはWTOが経済ばかりでなく政治的組織であることを再び証明している。加盟国のほとんどは、グローバルな貿易を保護するためにではなく、主に自分の利益を守るためにそれを利用している。このケースでは、様々な紛争を解決する、判事7人からなる上訴裁判所が問題になっている。米国は非常に権威ある韓国の裁判官、尊敬されている国際法専門家の再任をブロックした。通常、裁判官の再任は自動的に行われるのだが、米国は突然、中国寄りの裁判官であるとして、硬化した。米国と中国は様々な違反につき互いを非難しており、米国はこの裁判所で韓国人判事のような振る舞いをとられることが気に入らないのだ。今回の出来事と、米国がWTOへの関心を高めたことは、米国が中国との対決のために準備をしていることの明らかな兆候だ。ワシントンは、非常に多くの立場について中国を非難したが、何よりもまず、特定の商品の価格の意図的な引き下げ、すなわち、ダンピングで非難をしている。最近では、特に中国の鉄鋼が問題になっている。米国が上級裁判所に関心を示しているのは、間もなくこの裁判所で、先進国としての中国のステータスが議論されるからだ。ある見方では中国はもはや二番手どころか世界第一の経済国であるにもかかわらず、中国は依然として発展途上国であると考えられている。ある時点まで、中国は、自分が何と呼ばれようと気にしなかった。しかし最近、中国は、先進国というステータスがWTO上訴裁判所で紛争を解決する際にある種の利点を提供してくれることが分かり、中国にとりこの問題が重要になってきた。北京は、12月にWTOへの中国の加盟15年が経過した後、中国は先進国の地位を付与されるのでは、と望んでいる。おそらく上訴裁判所における米国の策動は中国企業に対しこれまで同様の判決が下されることを見込んでのことだろう」

金融アナリストのアンナ・コロレワ氏もこの見解を支持する。

「米国の立場は全く明らかだ。彼らは彼らの第一の目標は、国連、世界銀行、国際通貨基金(IMF)など、独立した超国家組織とされるものも含め、ほぼすべての組織で、世界を支配することだ。米国の発言が威力を持つ理由は多くある。たとえば米国が世界最大の経済であり、膨大な数のプロジェクトに投資していること。しかし最近では、中国が米国を押し出し、経済や政治における主導的な地位に来ている。日本とEUが米国に反対しているというのは、画期的なことだ。それはこれまで主に米国に仕えていた国々が、今や自分の利益を考え始めていることを示している。米国は、もはやすべての分野で支配をすることはできず、それを米国の伝統的なパートナーたちさえ理解している。また、これは、世界におけるアジア諸国、主に発展途上の立場が強まっていることを示すものでもある。」

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