日本が米国とMDをはじめとして協力しているのは、それを中国抑止戦線をつくろうとする米国が強要しているからだけではない。日本人自身も中国の尽力を恐れているからだ
外からの攻撃、あるいはテロに対する恐怖はここ数年、国際政治の主たるファクターに留まらず、暴力的行為を正当化する言い訳にもなっている。たとえばサダム・フセイン氏の所有する大量破壊兵器(といっても、結局それは見つからなかったが)への恐怖からイラクへの軍事侵攻は正当化された。
だがロシアが悪者なのは1990年代の経済、社会、政治カタストロフィー後、息を吹き返し、ロシアにだって独自の国益があり、これは米国の国益とは全部が全部一致しないと主張し始めたからなのだ。このためにロシアは償うことのできないあらゆる罪業(他人の分まで含めて)の張本人として糾弾され始めた。2008年はグルジアに対する軍事侵攻で責めたてられた。とはいえ、これはグルジアが南オセチアに最初に攻め入ったのだったが。そして2013年末、ソチでの冬季五輪を台無しにする目論見でロシアでは性的少数者が差別されているとして大々的な騒ぎが起こされた。これもロシアでは児童間でこうした性的少数者のライフスタイルを宣伝することが禁じられただけの話で、ところ変わってサウジアラビアなど性的少数者であれば首切りの刑に処せられているのだが。これに対しては、そういえば西側は口をつぐんでいる。それから極めつけはクリミアの「併合」だ。とはいえこの「併合」をクリミア半島の住民の9割が切望したのだが、西側の自由と民主主義の擁護者らはこれを見ようともせず、今度はロシアがバルト諸国に攻撃を仕掛けるぞと脅かし始め、ロシアと国境を接する諸国にNATOの兵員を増員している。
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