15:48 2021年04月19日
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安倍首相率いる連立与党が参院選で勝利を収めた。これで自民公明連立は衆参両院で過半数を獲得した。これによってこの先、憲法改正を行うための法案採択を何の障害もなく行うことが可能となった。

与党の勝利はここ数年の安倍政権の活動へのポジティブな評価とも日本国民が積極的にう現状維持を求めた結果だとも捉えることができる。

ロシア科学アカデミー極東研究所、日本調査センターのヴァレリー・キスタノフ所長は、この選挙から説明がつくのは野党の不在と国民が2006年から2012年にかけての首相交代劇に疲れたことの証として次のように語っている。

「次から次へ6人も首相が交代した時代があったが、その時安倍氏も2006年に首相に就任したとたん、翌年2007年には退任していた。このため今日の有権者の気持ちとしては何らかの政治勢力に長く働いてもらい、なんらかの変化を起こしてもらうチャンスを与えようというものではないだろうか。この場合、自民公明連立にそれを託しているわけだ。安倍氏が特別な期待を集めているわけではないことは世論調査の結果示されている。それに内閣支持率もそう高くはない。このため今回に関しては安倍政権の長寿の秘密は安倍氏が成功した政治家であったからではなく、社会面、アベノミクスで大きな成果をあげたからでもなく、単に野党が不在だったからだ。国民は単に投票する先が無かっただけの話で、民進党はかなりポピュリズム的なスローガンを掲げて2009年に政権についたが。3年の間に社会政策でも経済、外交政策でも完全に失敗し、2012年に不名誉な退陣をした。そして2012年の選挙で自民党が得た票は自民党に入れられたものではなく、失敗した結果に対する抗議のしるしとしてのものだった。だが民進党は非常に不運だったことは忘れてはならない。その政権時期に福島の原発事故があったからだ。政権はこのカタストロフィー、その結果を解決できず、これから引き起こされた多くの社会問題の難題をこなすことができなかった。このため国民は仕方なく公明と連立を組んだ自民党に票を入れたのだ。」

キスタノフ氏はこれと同じこと、つまり力強い野党の不在が今も繰り返されているという。キスタノフ氏は野党に見られるのは思想の不一致とぐらつきだとして、さらに次のように語っている。

「岡田克也氏率いる民進党は具体的なプログラムを一切提示できなかった。この野党は民進党、共産党、社民党ともうひとつさらに小政党を内包したものだが、これはこんにち共通で唯一のプログラムを欠いているコングロマリットのようなものだ。ところが安倍氏は今回の選挙の勝利でアベノミクスが期待されたような生活の向上をもたらしていないにもかかわらず3期目の首相就任延長問題を提起できる。参院の3分の2の議席を確保し、衆院でもすでに3分の2の議席を持っている安倍氏は憲法見直し問題を提起することができる。だがこのためには国民投票が必要だ。とはいえ世論調査の結果を見ると、国民投票がなされたとしても憲法改正が大きな成功を収める保証は一切無い。このため安倍氏はこの課題を解決するために就任期間のさらなる延長要求を突きつける可能性がある。これは就任第3期に持ち越すために主要なモチーフになりうる。安倍氏には他の野心的目的もある。2020年五輪招致で点数を稼ぎ、歴史に名を残すというものだ。」

野心的目的はまだある。それはロシアとの領土問題を解決し、平和条約を締結するというものだ。安倍氏の政治寿命が首相就任時期にこれほど広範な問題を解決するために長続きするかどうかは時間が明らかにしてくれるだろう。

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安倍晋三, 日本
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