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    長崎市長、米国の核の傘に頼るなと日本政府を痛烈批判

    © AFP 2017/ Toshifumi Kitamura
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    タチヤナ フロニ
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    長崎の田上富久市長はアメリカの核の傘に頼ろうとする日本政府を非難し、北東アジアでの非核ゾーンを創設を呼びかけた。

    田上市長は長崎への原爆投下から71年に際して平和宣言を読み上げながら、日本政府は「核兵器の廃絶を訴えながらも一方では、核抑止力に依存する立場を取っている」とこれを批判。ロシア科学アカデミー極東研究所、日本調査センターノヴァレリー・キスタノフ所長はスプートニクからのインタビューに対し、長崎市長のこの演説は広島の松井市長が同様の演説を行なったわずか3日後になされたことに注目し、次のように語っている。

    「だが長崎市長のこの件に関する発言はより厳しい。核の無い世界を達成する具体的提案としても、自国政府の極端に矛盾する政策への批判としても通常にはない大胆さが示されたといってもよい。矛盾というのは日本政府および日本の政治家らはこの国を世界で唯一の被爆国と位置づけていることにある。これを根拠に日本は核非武装運動でリーダー的役割を要求しつつも、米国の核の傘を退けようとはしていない。とはいえこの矛盾はずいぶん前から知られていたが、ここ最近、この矛盾した状況はどこかに隠れてしまっていた。このため長崎市長の演説には皆が注目せずにはいられない。」

    スプートニク:この矛盾を取り除こうと長崎市長は日本政府に「非核三原則」を法的に根拠付ける事を提案しているが。

    キスタノフ氏:「 これは非常に賢い提案だ。核を持たず、作らず、持ち込ませずというこうした自らに『非核三原則』の責任を引き受ける自発的なものはそれ自体素晴らしいものだ。だがこうしたものは採択しても、自発的にこれを退けることもできてしまう。

    例えば日本は武器輸出禁止の原則を守ってきたが、今やこれを退けているではないか。しかもこれをやったのは他でもない、今の安倍首相だ。この前例が示すところは日本は非核三原則だっていつか軽々と破ってしまうことができるということだ。

    2015年、国連の軍縮第1委員会の会議では日本と中国の国連大使の間で激しい論議が戦われた。中国の国連大使は、日本には核大国になることに賛成する政治家らが存在するとしてこれを非難。そして日本が10.8トンものプルトニウムを所有する事実を指摘した。中国のフー大使の上げた数値ではこのプルトニウムは1350発もの核弾頭を作るに十分足りるものだ。これに対し日本の国連大使は、日本は平和国家であり、核兵器を製造するつもりはないと反駁。またこのプルトニウムは国際原子力機関(IAEA)の管理下にあるとも指摘。ところで安倍内閣は再編されたばかりだが、防衛大臣には女性の稲田朋美氏が起用された。彼女はプロの軍事政治家ではないが、保守的ナショナリズム的確信を貫いている。稲田氏は日本は現在核兵器を製造しようとはしていないが、将来、状況が変わることもありえると明言している。この発言が引き金となり中国のみならず、韓国でもまた抗議運動が引き起こされた。というふうに日本の政治には非核三原則について実際にある種の矛盾が存在している。」

    仮に日本が長崎市長の呼びかけたとおりに行い、非核三原則を言葉の上ではなく法的に定めた場合、これは実際に北東アジアに非核ゾーンを創設するプロセスにおいて重要な貢献になるだろう。だがキスタノフ氏はこうしたアプローチは現実味に欠けるとしてさらに次のように語っている。

    「 今日の北東アジアでは軍拡競争、核ポテンシャルの拡大が見られる。この地域の情勢に目だって強力にネガティブな影響を及ぼしているのは韓国への米国のMD配備だ。これは大気圏、宇宙圏内の両方でミサイルを迎撃することができるものであり、そのレーダーを使えば中国領内もロシア極東までも透けて見えてしまう。しかも韓国は米国のレーダーのデーターを日本に開示するつもりでいる。それどころではない。こうした米国のMDシステムを日本にも配備する可能性について、すでに話が始まっているのだ。」

    キスタノフ氏はすべては、北東アジアに非核ゾーンをつくろうではないかという長崎市長の希求に真っ向から反対する方向に向かっていると指摘した。

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    核兵器, 日本, 米国
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