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    「死のセルフィー」 まだ今のところはお咎めなし!?

    「死のセルフィー」 まだ今のところはお咎めなし?

    © REUTERS/ Dylan Martinez
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    タチヤナ フロニ
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    韓国と朝鮮民主主義人民共和国、両国は、半島を2分して隣り合い共通したアイデンティティを持ちながらも、今では全く多くの点で違ってしまっている。しかしリオデジャネイロ五輪では、すでに長年において、政治の世界では見られないことが起きた。韓国のイ・ウンジュ選手と北朝鮮のホン・ウンジョン選手が、オリンピックの場で親交を結び、記念に一緒に自撮りしたのだ。

    この写真は、世界中のマスコミが取り上げ、ソーシャルネットワーク上では嵐のような議論が巻き起こり、賛否両論が戦わされた。新聞Daily starなどは「初めて会った記念の、この何の罪もない写真が、北朝鮮の女子選手に銃殺にまで至る厳罰をもたらすおそれがある」などと報じている。新聞報道によれば、北当局は、こうした記念撮影を「祖国への裏切り」とみなす可能性があるとのことだ。北朝鮮では、祖国を裏切れば死刑が待っている。今回の二人の女子体操選手の行動は「死のセルフィ-」になるかも知れない。そうした推測について、スプートニク日本のタチヤナ・フロニ記者は、ロシア極東研究所コリア調査センターのコンスタンチン・アスモロフ研究員に意見を聞いた。研究員は、この有名なタブロイド新聞の報道について「何の根拠もない」として、次のように続けた-

    「新聞Daily starは、できるだけ多くの人に新聞を買ってもらおうと、あんな根も葉もない記事を載せたのだろう。あれは、北朝鮮についてのものなら、どんな嘘でも信じてしまう西側の読者用の明らかに全くバカげた記事だ。西側では、北朝鮮の高官、チャン・ソンテク氏が失脚し、罰として犬の餌にされたとのニュースさえ信じられてしまう。今回の、可哀想な女子体操選手の処刑に関する憶測も、同類のものだ。北朝鮮が、外の世界から見れば、大変閉鎖された国であることは言うまでもない。しかし韓国選手とのこうした接触について、何の処罰もされないことは明白だ。この写真が撮られてからもう数日が経ったことに注意してほしい。もし北朝鮮が、新聞Daily starが書いているような懲罰的体制を持っているなら、とっくに選手は祖国に送還されていただろう。でもそんなことは、起こらなかった。」

    質問:では逆に、韓国のスポーツ選手の場合、こうした写真を撮ったことで罰を受ける可能性はないのか?

    答え:「韓国には、いわゆる国家安全保障法が存在する。この法律は、北朝鮮市民との正式に許可されていない接触について、非常に厳しく規制している。それ故、帰国後(もし罰を受けるようなことが万一あるのなら)韓国の選手にか、はたまた北朝鮮の選手にか、どちらが重い処分を受ける可能性があるのかは、まだわからない。もし、そんなことは信じられないという人がいたら、国家安全保障法についての内容はネットで英語で出ており、誰でも読むことができるので確認してほしい。北朝鮮の代表者とコンタクトしたり、写真撮影した韓国市民がどうなるか知ることができるだろう。」

    韓国選手と記念撮影した北朝鮮選手は「死刑になるかもしれない」という話や、北朝鮮の指導者金正恩氏の叔父にあたる高官が失脚し、飢えた犬たちの餌にされたとの怪情報は、疑いなく、北朝鮮からの情報が不足している事からくるものだ。朝鮮民主主義人民共和国、北朝鮮は、なんでもありのミステリアスな国家だというイメージが勝手に作り上げられている。この事は、現代のインターネット社会が、無責任な憶測や検証されていない情報を積極的に垂れ流し、再生産していることの反映だと言ってよい。

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