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    トランプ氏

    「恐ろしくかつ迅速に」―アジアにおける核戦争のことではなく、トランプ氏の選挙運動について

    © AP Photo/ Chris Carlson
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    エフゲーニヤ モイセーエワ
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    米共和党の大統領候補、エキセントリックな物言いで知られる大富豪のドナルド・トランプ氏は、大統領選挙キャンペーンの間に、その発言で世界中を驚かせてきた。日本も例外ではない。トランプ氏は「日本経済というカバを養う」のをやめるため、米国はTPPから脱退するとして日本を脅迫した。また彼は「あまりに高くつく」米軍基地を閉鎖すると約束し、日本と韓国に対して、北朝鮮の脅威から自分達を守るため核兵器を持つよう提案した。トランプ氏は「日本と韓国は、北朝鮮から自らを守ることができるようにする必要がある。彼らは、すぐに北を懲らしめるだろう。もし戦いが始まれば、それは恐ろしいものとなる。ただただ恐ろしいものだ。しかし、もしそうであるのなら、そうなるのだ」と述べている。

    こうした類の発言は、日本政府をさえ警戒させた。毎日新聞は、7月のある号の中で、次のように報じている-「日本では、トランプ氏が政権の座に就く可能性に向け準備が始まった。専門家が集められ、彼の発言のすべてが分析された。その結果、おそらくトランプ氏がホワイトハウスに入ったら、彼は主に、米国内の問題にかかりきりなるだろうとの結論に達した」。

    スプートニク日本記者は、ロシア極東研究所日本調査センターのエキスパート、ヴィクトル・パヴリャテンコ氏にインタビューし、意見を聞いた。氏は「これはコップの中の嵐だ」と表現し、次のように続けた-

    「トランプ氏の人を驚かす発言の数々が、彼が政権の座に就いた時に、実現されるものではないことは、全く明らかだ。もしトランプ氏が勝利しても、ホワイトハウス前庭での最初の演説の中では、もう全く別のことを言うだろう。11月まで2カ月、まだいろいろな動きがある。しかしトランプ氏が勝利すれば、彼は全く別のトランプになると確信している。そもそも米国の政策を決定するのは、大統領ではない。大統領は一定の個人的貢献はするが、それは、国際舞台における国際戦略を決定づけるものではない。」

    トランプ氏の選挙キャンペーンで物言いが、いかに挑戦的なものであっても、その背後には、自分達の一定の目的を持つ一定の人達が控えている。いくつかの西側のマスコミも書いているように、このことを、プーチン大統領ではなく、米国の独占資本家や軍人達がよく理解している。

    パヴリャテンコ氏は、さらに次のように述べた-

    「中国やロシアの目と鼻の先にある軍事基地をなくすとトランプ氏が言ったのは、日本の安全保障が大変高くつくからで、それは単に無理だからだった。いつの日か、万一そうした決定が下されても、米軍が出てゆくのは⒑年か15年後だろう。自分達がリードする立場を維持することに向けた新しい戦略が、米国内で考えつかれないうちは、彼らは、現状維持を目指すだろう。」

    最後に一つ指摘しておきたいことは、7月16・17両日に実施された産経新聞とFNNの世論調査の結果だ。それによれば、調査に参加した人のうち、トランプ氏が次期米国大統領として、日本に肯定的影響をもたらすと考えている日本人は4,1%に過ぎなかった。

    日本政府について言えば、彼らはトランプ氏について、あまり真剣には受け止める気分になく、彼の「失策」を指摘するチャンスを逃してはいない。例えば、佐々江賢一郎駐米大使は、トランプ帝が米国とメキシコの間に「長城(偉大なる壁)」をどう築くのかを説明する専門家による聴聞会を今か今かと待っていると、ジョークを交えて述べた。

    いずれにしても、トランプ氏は、ああした独特の物言いによって、望むものを手に入れた。現時点で専門家らは、大統領選挙で彼が勝利する確率は47%と見ている。でもつい最近まで、誰も、彼をまじめに受け止めてはいなかったのだ。彼のやり方を何と評したらいいだろう? それは、ひどいものだが、確かに大統領候補になるためには早道だった。

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