09:20 2020年04月06日
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専門家らの間では、かつて米国はテロ組織「アルカイダ」の強化を自らの手で促したがために、結果的にはこれが2001年9月11日の同時多発テロの惨劇を招いたという見解がある。市民に最大の惨禍を招いている「ダーイシュ(IS)」。このような組織を中東でいわゆる「カオス」を作り出すために米国が支持しているのではという問いは、こんにち一般の間でもよく提起されている。9・11テロの後と同様、すでに米国は「ダーイシュ」を相手にした闘いを余儀なくされた。それは「アルカイダ」の時と同様に状況はすでにコントロールをはずれており、米国人自身にも脅威をもたらしているからだ。

時に日本だが、アジア太平洋地域では米国の主たる戦略同盟国である、ということが中東における米国の政策を完全に支持することになるのだろうか? これについて著名な政治学者でモスクワ国際関係大学の東洋学科のドミトリー・ストレリツォフ教授はスプートニクに対して次のような見解を語っている。

「1970年代からすでに日本は中東における自国権益を主張するかなり連続的な政策を行ってきている。日本は、イスラエル、ひいては米国の政策とある意味で矛盾しようとも、アラブ世界の大多数の諸国と友好的関係を維持しようとしてきている。これは70年代に起きたオイルショック時に現れたものだ。いずれにせよ日本はイラクでかなり積極的に行動し、中東プロセスで著しい役割を演じようとした。

今の状況に関していえばもちろん日本は、2001年のニューヨークのツインタワーの攻撃があった段階からすでに反テロ闘争で米国を支持する立場をとってきた。当時日本が、これは前代未聞のことだったが非常に迅速に法改正を行い、テロとの闘いに加わり、平和創設、人道ミッションに参加するために中東に自国の自衛隊を派遣したのも偶然ではない。こうしたことはイラクでもアフガニスタンでも行われた。そして今の状況も例外ではない。だが今のはこれはテロ闘争における質的に新たな段階だ。」

この新たな段階は中東における日本の国益に沿うものだろうか?

ストレリツォフ教授「中東における日本の国益は、日本が使うエネルギー資源の8割を、いや、別の評価では9割をまさに中東から得ていることに関係する。ともかく石油は中東からだ。だから日本はアラビア半島のスンニー派諸国とは良好で友好的な関係を結ばざるを得ない。依存しているのは中近東全体と、いっても過言ではない。このため日本はこの意味では米国をはじめとする同盟国の後ろにまわって危険を避けるしかない。

しかも今の時期は日本が憲法の平和主義的立場から退き、今まで続けてきた受動的なアプローチから国家安全保障へと移り変わろうとしていることと重なっている。これはすべて、日本が世界において今すぐにも完全な軍事大国になること、世界のあらゆるプロセスに自国の軍事ポテンシャルに依拠して積極的に参加する国へとなることに通じている。
このコンテキストで考えた場合、私は日本は世界で展開しているテロとの闘いから外れた位置にいるわけにいかないと思う。今、欧州で起きていることは日本にも及ぶということになる。フランスやドイツと道徳的な連帯を示すにはとどまらない。日本にだってイスラム原理主義組織からの直接的な脅威は及ぶだろう。なぜなら日本はISにとっては欧州諸国と何ら変わらない敵なのだから。」

強まる脅威に日本はどう反応するだろうか?

ストレリツォフ教授「日本は、自国領内で自国民に対するテロの脅威を許さないために国内の法規制をさらに厳格化する必要に迫られるだろう。このため、海外の自国民を守ることに関して米国との相互行動はただ強化される一方になると思う。この観点でいうと中近東は質的に新たな連合関係を結ぶ場になる。つまりこの関係はより高いレベルへ、つまりグローバルな相互関係レベルへと引き上げられるだろう。ダーイシュとの闘い、2国の国益の保護などこれにまた中東もこうした道後行動の試験的な場となるはずだ。加えて日本は、米国が中近東において自国の戦略的連合国とみなす諸国に対する経済支援をすることになるだろう。」

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