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    核大国になるため憲法をどう解釈すべきか

    「核兵器は大分前から少なくとも沖縄に存在している」―日本学者

    © AFP 2017/ TOSHIFUMI KITAMURA
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    米国では大統領選挙戦が続いているが、また一人の政治家が、ホットな発言をし話題となった。その人物とは、民主党のバイデン現副大統領で、彼は共和党のトランプ候補と討論したさい「核保有国にはなれないという日本の憲法は、われわれが書いたものだということを理解していないのか」と述べた。

    この発言は、おそらく関心を惹かずにはおかないものだが、17日水曜日、NHKは、この「困った発言」に対し、ワシントンの日本大使館や専門家らによる「バイデン副大統領は正しくない」と一連のコメントを引用し、伝えた。

    法律的観点から見て、彼は本当に正しくないのか、そして実際上はどうなのだろうか?

    スプートニク記者は、ロシアの日本学者で歴史家のアナトーリイ・コシキン氏に、インタビューし意見を聞いた。彼は次のように述べている―

    「私は個人的に、バイデン氏の発言に何も当惑することなどなかった。日本の人達が、そうしたことを耳にするのは不愉快だと感じるのは、また別のことだ。なぜならああした発言は、米国の保護領としての日本の状態を、そこから生み出される数々の結果と共に、改めて強調しているからだ。日本憲法の基本的な条項が、米国の占領行政当局によって書かれたという『秘密』はもう大分前から、あらゆる人に知られている。日本人が今の時期に、そうしたことに言及されたからと言って神経質に反応するのは奇妙である。」

    ​コシキン氏は、日本憲法について核兵器保有を許していると論理的に解釈することに疑いの念を持っており「憲法第9条は、必然的に、核兵器を保有しないことを意味している」として次のように続けた―

    「日本は、核兵器のみならず、そもそも軍隊の保有にも関心を持っている。憲法には、明確に、国民の主権として、日本国民は永久に戦争を放棄すると述べられている。それゆえ、日本には核兵器を保有する権利があるのかといった論議はすべて、憲法の意味や文言を歪めようとする試みである。それは、詭弁やトリックをもって、証明できないものを証明しようとする一例である。」

    またスプートニク記者は、アジア太平洋地域における国際関係の専門家で、中央アジアに関するケンブリッジ・フォーラムの研究員であるニコライ・ムラシキン氏にも意見を聞いた。以下、氏の意見を御紹介したい―

    「日本の対外・国内政策にとって規範的側面は、伝統的に大変重要だ。」

    政治的レトリックの中では、憲法9条以外に、しばしば言及されるのが、核兵器を持たず、作らず、持ち込ませずと謳った非核三原則だ。これらについて、安倍首相は、広島・長崎の原爆死没者を慰霊する演説の中で触れている。また稲田防衛相も、このポストに任命された日に、これらを引用した。さらに、かなりの影響力を持った政治家達が日本国内で、日本は自前の核戦力を持てるばかりでなく持たねばならないと発言し始めたことを受け、鈴木貴子衆議院議員が出した質問書に対し答えた中で、政府は、非核三原則を持ち出した。しかし実際のところは、この三原則も、かなり以前から侵されていると、多くの専門家らは見ている。

    またコシキン氏は次のように述べている―

    「運命の皮肉は、戦後70年、日本に完全な非武装化を押し付けた米国人が、今度は、それを決めた条文を骨抜きにしようとあらゆる努力をしていることにある。核兵器を国内に持ち込ませずという原則に関していえば、この条項を、米軍は最初から破ってきた。これについては何の秘密もない。核兵器は、大分前から、少なくとも沖縄に存在している。」

    日本が核戦力を拡大しているとの情報を、ロシア科学アカデミー極東研究所日本調査センターの責任者であるワレーリイ・キスタノフ氏も確認し、スプートニク日本記者に次のように伝えた―

    「日本においては、核戦力拡大に向けた作業は、密やかに行われている。例えば、プルトニウムの貯蔵量が増えている。昨年公表された中国のデータを引用して、中国の国連大使は、日本国内には、すでに10,8トンものプルトニウムが貯蔵されており、これは1350個もの弾頭を生産するのに十分な量だと伝えた。この問題に関しては、米国も一定の懸念を表している。」

    ​しかし専門家達は、やはり、日本人達は、核大国になる道を選ばないだろうと確信している。キスタノフ氏も、次のように続けた―

    「日本にとって固有の核兵器というのは今日、純粋に理論上のものであり、創造の産物だ。現在日本と鋭く対立している中国や韓国を含め、誰もそれを許さないし、誰にとっても必要ないとはっきり言える。ロシアもそうした試みに、ネガティヴに接するだろう。米国自身も、そうだ。まして日本が核兵器を持てば、自分達の保護を必要としなくなり、ワシントンの方針に従わなくなってしまうのだからなおさらである。」

    そうした中にあって、日本人が、米国の大統領選挙キャンペーンで口にされる発言に、ひとつひとつ注意を向けるのは、無駄ではない。どんな法律的詭弁も、そこからの合図なしには、日本政府が、自分達の軍事的政治的戦略の何かを変える助けにはならない。ただバイデン副大統領が、米国人は日本国憲法を書いたばかりでなく、核兵器が日本人に必要かどうか、日本人のために解決しながら、今後憲法を書き換えるつもりだと考えている事は、明白だろう。

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