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    ウズベキスタン

    もし米国が中央アジアでの「グレートゲーム」から撤退しても日本は何も失わない

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    エフゲーニヤ モイセーエワ
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    9月2日、ウズベキスタンの独立以来これまでずっと大統領を務めてきたイスラム・カリモフ氏が亡くなったが、氏は「ウズベキスタンはあてどなく漂流する氷山のような不安定な国にはならない」と述べ、一見、国の政治方針が不安定に見えても、それは実際十分に考え抜かれたものであると強調した。カリモフ氏の治世下、ウズベキスタンは、旧ソ連邦構成共和国の中で人気のある「マルチベクトル政策」をとり、中央アジアにおける所謂「新グレートゲーム」参加国、つまりロシア、米国そして中国の間でバランスをとってきた。

    ソ連邦崩壊後、豊かな天然資源を持ちながら、インフラ整備が未発達のまま残されたウズベキスタンは、近代化路線をとり、この地域で主導的立場を得ようとし、そうした課題実現のための「ドナー」を探した。しかしカリモフ死後、ウズベクの政治的方向性が変わることはないのだろうか?

    CIS諸国研究所のウラジーミル・エフセーエフ副所長は、スプートニク日本のエフゲーニヤ・モイセーエワ記者のインタビューの中で、ソ連崩壊から4半世紀の間に「新グレートゲーム」は、すでに古くなってしまったとの考えを示した。彼の意見によれば、主要なプレーヤーのうち2つ、つまりロシアと中国が、上海協力機構やBRICSといった機構の枠内で協力に入ることができ、今や中央アジアで数々の共同プロジェクトを実現させている、しかし米国は現在、他の地域での紛争に参加していることから、この地域における自らのプレゼンスを絶えず弱めざるを得ず、ロシアや中国を同時に抑え込むことができない、とのことだ。

    アフガニスタンにおける米国のプレゼンスの縮小は、客観的に、中央アジアにおける彼らの役割を引き下げてしまった。米国はそれを、新しい協同行動のフォーマットの助けを借りて埋め合わせようと試みた。ヒラリー・クリントン氏は国務長官時代「新シルクロード」という概念を積極的に推し進めたが、この構想は、それほど実現されなかった。

    エフセーエフ副所長は、2015年11月、米国のケリー国務長官が、サマルカンドを訪問し、中央アジア5カ国に米国をプラスした「С5+1」という新しいフォーマットを提案したことに注意を促している。しかし副所長は、中央アジア諸国外相のワシントン訪問が実りのないものであったことを思い起こしつつ、米国のリソースが不足しているため、このプロジェクトの成功にも期待をかけるには及ばないとし、次のように指摘した-

    「5カ国の外相がやって来て、5つのプロジェクトについて討議され、彼らに、我々は、あなた方5カ国に1500万ドルを供与すると言われるとしたら、それはもちろんお笑い草だ。それは国家が何かを成すための資金ではない。」

    米国は、中央アジアに注意を向けないでいるつもりはないが、彼らに自分のリソースを投入するつもりもないだろう。エフセーエフ副所長は、中央アジアにおける自分達のプレゼンスを保持するために必要不可欠な費用負担を他の国々、特に日本に負わせようと試みていると指摘している。日本には「中央アジア+日本」という名のこの地域との独自の協同行動フォーマットがある。その枠内で昨年10月、安倍首相は、初の中央アジア・モンゴル歴訪を行ない、総額270億ドルの契約を結んだ。

    エフセーエフ副所長は「日本は自身のゲームをしている」と確信しており、米国が、この地域に自分達の影響力を伝える存在として利用しようとしたトルコも同様に自分のゲームをしていると考えている。副所長は、インタビューの最後を次のように締めくくった-

    「事実上、米国には、中央アジアにおける自分達の利益のため必要不可欠な費用負担を肩代わりしてくれるような国はない。それ故、この地域での米国の立場は、必ずや弱くなってゆくだろう。一方、ロシアと中国、そして他の若干の国々の立場も強くなってゆくだろう。私は、日本が今後さらに積極性を示すだろうと思っている。韓国、イラン、トルコもそうだ。加えて各国は、自分達の領域で活動している。例えば、教育の領域では、まさにトルコと日本が積極的に活動している。」

    なお記事の中で述べられている見解は、必ずしも編集部の立場とは一致していません。

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