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    稲田朋美氏のためのアメリカンドリーム:女性が日本の首相になるか?

    稲田朋美氏のためのアメリカンドリーム:女性が日本の首相になるか?

    © AFP 2017/ Jiji Press
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    8月、日本の防衛相に稲田朋美氏が任命された。同氏は、角ばったメガネ、網タイツ、極右的思考をトレードマークとする女性だ。そして9月、欧米のメディアは、稲田氏の就任後初の米訪問を前に同氏について、「任命を待つ首相」、安倍晋三首相の「後継者」と呼んだ。もちろん稲田氏が日本初の女性首相となったら、それは国際舞台における欧米トレンドのさらなる勝利となるだろう。しかし、アメリカンドリームは日本の現実からどれほどかけ離れているのだろうか?

    「任命を待つ首相(prime-minister in waiting)」という決まり文句は、欧米の大手メディアで稲田氏を表現するものとして定着した。9月、この文句はフィナンシャル・タイムズ紙の見出しに使われ、ワシントン・ポスト紙の記事にも、稲田氏の米国訪問の前と後で2度にわたって登場した。なお日本の公式プレスで稲田氏が首相になる可能性があるという記事を見つけることはできなかった。

    ​​だがそれでもフィナンシャル・タイムズ紙は期待を表している。同紙は、「日本の大勢のコメンテーター」の意見を引用しているが、コメンテーターたちは、全体としてそのようなことは何も話していない。それは以下に記す内容で容易に気づくことができる。コメンテーターの1人は、「誰が新たな首相になるかはさておき、稲田氏は間違いなく日本の政治において重要な人物の一人である」と摘した。別のコメンテーターは、「グローバルなプロセスの論理にのっとり、今女性が日本の首相になる可能性がある」と述べた。

    ​稲田氏の防衛相就任が、世界的な動向だけでなく、「ウーマノミクス」と呼ばれる安倍首相の社会・経済的戦略とも一致していることに疑いの余地はない。アレクサンドル・パノフ元駐日大使は「スプートニク」のインタビューで、「稲田氏は十分に若く、日本ではそれほど有名な政治家ではないが、安倍氏は日本の政治エリートにできるだけたくさん女性が登場することを目指している」と指摘した。稲田氏が国防省を率いたというのも象徴的だ。東洋学者で、高等経済学院世界経済政治学部の研究員アンドレイ・フェシュン氏は「スプートニク」に、「欧米諸国で、軍事関係官庁のポストに女性が就いていることを自慢できる国は少ない」と述べた。

    ​さらにフェシュン氏は、「一方で稲田氏がいずれ首相になるというのは非常に可能性が低い出来事だ。日本には首相の椅子への暗黙の順番が存在しており、それは政治的な重みで構成されている。稲田氏のあらゆる長所をもってしても、彼女はそのような人物ではない」と語った。フェシュン氏によると、現在最も首相になる可能性が高いと思われるのは、菅官房長官だという。パノフ氏は、首相候補として岸田外相を挙げ、稲田氏については「必ずしも首相候補になる保証はない」との考えを表した。

    なお欧米メディアが日本の首相候補として挙げたのは稲田氏だけではない。しかし米国のジャーナリストたちはもっぱら女性を好む。公平を期するために言わなければならないのは、ジャーナリストラが、何らかの政治的ポストに就くことのできた女性たちそれぞれに、例外なく、首相の座をおまけに約束しているということだ。「雑誌タイムの説によると」、次期首相は村田蓮舫氏だという。CNNは先に、新東京都知事の小池百合子氏に「賭けた」。

    ​女性が国家元首までの高いポストへ登りつめることが、重要な世界的傾向であることに間違いはない。だがなぜ安倍首相の後継者探しが突然始まったのかは全く理解できない。安倍首相の任期は2018年に終了するが、延長される可能性もある。そしてメディアが男性後継者に関心を示さない理由も不明だ。いずれにせよ、米国内の出来事を見ればすべてが明らかとなる。フェシュン氏は、「彼らは選挙症候群を持っている」と指摘し、この「症候群」について、「女性が初めて米大統領になる可能性があるということは、日本でも初めて女性が首相になる可能性があるということだ」と説明した。

    ​​この方向で話を続けると、稲田氏が首相になる可能性があるという欧米メディアの報道では、「伝統主義的」な日本が「最先端を行く」米国を女性の昇進で追い越すことがないようにするために、ヒラリー・クリントン氏に投票するための隠された選挙運動というものに至るまで、あらゆることを見つけ出すことができる。だがこれらの報道で現実的な予測を見つけることはできない。

    なお記事の中で述べられている見解は、必ずしも編集部の立場とは一致していません。

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