07:53 2018年06月25日
日本の花日本の花と美女

生け花と盆栽だけじゃない!日本の花、繊細な美でロシア人を魅了

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徳山 あすか
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今月13日から15日までロシア最大規模の花き・園芸関連の見本市「フラワーズ・エキスポ」がモスクワで開かれ、日本企業3社も参加した。生け花と盆栽のワークショップも行われ、ロシア人が日本の花の美しさに触れる絶好の機会となった。

ロシアでは至るところに花屋があり、その多くが24時間営業だ。3月8日の国際女性の日や誕生日といったイベントはもちろん、ちょっとしたデートの際にも花を贈る習慣がある。また、ダーチャ(ロシア人の多くが所有する、夏のセカンドハウス)では野菜以外に花を育て、ガーデニングを楽しむ人も多い。ロシアでは花や植物を愛する文化が一般に広く根付いている。

生け花はすでにロシア語でも「イケバナ」として認知されているが、盆栽の方はまだあまり有名ではない。フラワーズ・エキスポで盆栽の実践レクチャーを行ったのは、大宮盆栽協同組合の田畑好信氏だ。田畑氏はロシア盆栽界の第一人者、ワレリー・ピテル氏が所有する盆栽をモデルに、手入れ方法などを実践レクチャーした。盆栽に感銘を受けた聴衆の一人、音楽教師のナタリアさんはカットされた盆栽の枝を大事そうにハンカチにしまい「盆栽はすばらしい芸術だと思います。これから家でこの枝を育てます。ちゃんと盆栽になるまで育ってくれるといいのですが…」と話していた。

田畑氏「私は他の国でも何度もワークショップをしてきました。それと比べてもロシアの方は特に反応がよく、興味を持ってくれ、非常に熱心に質問をしてこられました。日本は盆栽といえば年配の男性のイメージがありますが、こちらでは9割が女性です。自然環境が厳しい国で日本の盆栽が流通しにくいのは確かなのですが、育てられないわけではありません。盆栽に興味があるけれど身近に盆栽がないという方のためにも、今回のエキスポに出展することにしました。」

盆栽講座
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盆栽の手入れをするためには道具を揃えなければならない。盆栽ワークショップに触発されて盆栽を自分で育てたくなった人たちは、花鋏や盆栽用鋏などを扱う孔雀商会(兵庫県三木市)のブースに流れていったが、このエキスポは展示会であって即売会ではないため、買うことができず残念そうにしていた。ロシアでは質の良い鋏を手に入れるのは難しく、「今すぐ買いたい」という熱心な華道関係者が後を絶たなかった。孔雀商会の奥山和美氏は「安価な鋏はロシアでも出回っていますが、高級な盆栽を低品質な鋏で手入れすると死んでしまうため、ニーズはあると思います。いくつかの価格帯を揃えていますので、商品を扱ってくれるロシアのパートナーを見つけたいと思います」と話していた。

繊細な美しさをもった日本の切り花にも注目が集まった。今回で三度目の出展となる豊明花き株式会社・販売部国際取引課の佐々木北斗氏はフラワーズ・エキスポの意義について、「日本の花をより多くの方に広く知っていただくことに意味があります。このイベントには花の卸売業者だけではなく、小売業者やデザイナーも多く来場しています。実際に花を使う方に花を見ていただき需要を喚起することで、輸出にもつながると思います。今年はそのような方々の反応が一番良かったと感じています」と述べている。

生け花講座
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花の国際取引に詳しいブルームジャパンネットワーク株式会社の白川裕代表取締役によれば、ロシアの花の消費量はかなり大きいものの、日本の花のシェアは「限りなくゼロ」に近いという。まずはブライダル用やブランドショップの装飾といったプロ向けに認知度を上げることから始め、ひいては小売にまで展開していくことを目指している。現在はルーブル安・円高の影響もあり、日本の花は、ロシアで高シェアを占めるオランダの花の10倍もの価格になってしまう。

為替レートのデメリットがあっても、ロシア市場が大きいことに変わりはない。入り込むのが難しいロシアのマーケットだからこそ、景況感にかかわりなく常に日本の花の存在感を高める活動をしている。白川氏は「花は画像を見せても本当の良さは伝わりません。実物を見てこそ、心に伝わってくるのです。デザイナーのようにインスピレーションを大事にしている方々に、年に一度でも本物の花を見てもらえる機会があるのは、とても良いことです」と述べている。

三年連続でフラワーズ・エキスポへの日本企業の出展を手助けしたJETRO(日本貿易振興機構)モスクワ事務所の島田憲成氏は「来場者の方が喜んで日本の花や盆栽を見ている姿を目にすると、ロシア人の植物を愛する国民性を感じます。しかし流通している花はほとんどがバラなどで、種類は多くありません。物流の難しさはありますが、日本の高品質で長持ちする切り花や、今までロシアで見たことのなかった花を供給する手伝いができればと思います」と話し、今後のシェア拡大に期待を示した。

ちなみに、花の見本市であるにもかかわらず、おもちゃメーカーの巨大ぬいぐるみのブースも設けられていた。実はロシアでは7年程前から、恋人に花と一緒にぬいぐるみをプレゼントする習慣が定着し始めた。どこの花屋にも大抵ぬいぐるみが置いてあり、特にロシアの象徴であるシロクマがよく売れている。

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