23:29 2018年09月24日
金正恩第一書記

制裁を克服するために北朝鮮を助けているのは何か?

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リュドミラ サーキャン
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米ニューヨークで米日韓の外相が9月9日に核実験を行った北朝鮮への対抗措置と制裁について議論した。新たな制裁はより厳しく、最後通告的なものになるとみられる。

なお北朝鮮の挑発的な行動への対応に関するテーマは、国連総会の議題に含まれている。そして日本の岸田外相が述べたように、国連安全保障理事会の対北朝鮮制裁決議の採択では、ロシアと中国との協力も重要となる。

北朝鮮の隣国3カ国の代表者たちは、まず北朝鮮の核・ミサイル開発の収入源のさらなる制限などに関心を持っている。なお米国は、北朝鮮が核兵器の放棄に同意した場合、北朝鮮との交渉担当者になる用意を表した。

だが核兵器は北朝鮮の指導者の唯一の切り札であるため、その見込みは非常に少ない。北朝鮮の金正恩第1書記は、一定の条件の下で制限に同意するかもしれないが、核兵器の完全廃棄はないというような旨を述べたことがある。

北朝鮮指導は5月の朝鮮労働党大会で、経済の発展と防衛力の増強を並行して進める方針を確認した。そのために制裁を背景にあらゆるリソースの動員が行われている。制裁を受け、実験のために多額の軍事費が必要とされる中での暮らしは非常に困難であるかのうように思われる。しかし!近年北朝鮮を訪れた外国人の大半が、周囲の現実は北朝鮮の人々が飢餓の危機に瀕しているという既存のステレオタイプを否定していると語っている。ソウルにある国民大学で教鞭をとるコリア学者のアンドレイ・ラニコフ氏は、北朝鮮の首都・平壌で見かける人々は、衰弱の兆候をみせてはおらず、比較的良い服を着て、価格が高いもののレストランにはお客がたくさん入っていると述べ、次のように語っている-

「北朝鮮はあらゆる基準からみて貧困国であり続けており、ここに幻想は必要ない。しかし春は十分に食事がとれない可能性もあるが、飢餓はない。北朝鮮が自ら国連に提供している情報によると、春は人口の4分の1が十分な食事をしていないという。この数字は誇張されている可能性がある。なぜなら北朝鮮側は外国から援助を受けるために、しばしば自国の経済的困難度を誇張する傾向があるからだ。しかしそれはさておき、飢餓はなく、しかもある程度の経済成長がある。改革とは言われていないが変化が進められており、農業改革を除いてそれらは視覚的に知ることができる。改革は機能し、生活は向上し、北朝鮮ではすでに自家用車がたくさんみられる。平壌では渋滞が発生することもあるほどだ。至るところで建設ブームが起こっている。

その結果が不動産価格の上昇となっている。平壌の高級住宅の価格は、最高で20万ドルする可能性がある。だがこれは例外だ。平壌にある一般的な良いマンションの価格は、7万ドルから9万ドル。私は、住宅あるいはビジネスのために誰かが大金をつぎ込もうとしていたとしても、その資金源に関心を持たないように、という金正恩氏による非公式の指令が存在するという噂をあまりも大勢の人たちから聞いた。そのためこれを完全に無視することはできない。なお金正恩氏が、個人事業を禁止する法律あるいは条例を発令したことは一度もない。この商業的『グレーゾーン』は、公式的にはあたかも存在していないが、新リーダーの訪れと共に繁栄し始めた。北朝鮮の中産階級は、すこぶる元気だ。良い生活を送り、民間のレストランで食事をし、マンションもあり、あたかも彼らをそっとしておけという非公式の指令があるのではないかと思うほどだ。しかしいつでも彼らの財産を没収したり、逮捕することができる。なぜなら非公式の指令はいつでも撤回が可能だからだ。改革はひときわもとに戻りうる性格を有している。」

公表されていない市場経済あるいは、むしろ半市場経済への移行は、北朝鮮が1990年代に陥っていた悲惨な状況から抜け出すことにつながった。金正恩第1書記は、自分の祖父と父親の遺産からあまりにも急激に遠ざからないために、まだそれを公式に認めようとはしていないが、まさに制裁が発動されている現在の状況の中で、この個人事業が北朝鮮の人々の生活を支えている。

なお記事の中で述べられている見解は、必ずしも編集部の立場とは一致していません。

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