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    ロシアでオウム真理教がダーイシュ(IS)と同等のものとされる

    ロシアでオウム真理教がダーイシュ(IS)と同等のものとされる

    © AP Photo/ Itsuo Inouye
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    リュドミラ サーキャン
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    ロシア最高裁が20日、日本の宗教団体「オウム真理教」をテロ組織と認定した。

    これにより同教団は以後ロシアで法的・商業活動が禁止され、従来通りインターネットを通じて教義の普及をはかることが禁止される。ロシアのメディアで団体名が明示されるときはダーイシュ(IS)と同様「ロシアで活動が禁止されている」との言葉を付すことが義務付けられる。

    一連の専門家がダーイシュとオウムのような全体主義セクトを平行に論じている。両者に共通するのは勧誘時の欺瞞、洗脳、メンバーの全生活の紀律、教祖または教団の絶対化・神格化だ。

    オウムは1990年代初頭よりロシアでの活動を活発化させた。ロシア経済に数十億円を呼び込むとの約束のもと麻原彰晃氏が1992年にモスクワ入りしたときは最恵待遇だった。ロシア法務省はオウムの宗教企業支部を登記し、2年後にはもうひとつの関連団体も登記した。同氏は都合500万ドルをロシアにおける教義の普及に費やしたともいわれる。教団幹部はロシアの役人・政治家・宗教家と会談し、ラジオに出演、スタジアムで大観衆を集め、学研センターと連絡をつけ、交響楽団「キレン」さえ結成した。モスクワにおけるオウムのオフィスはズヴェズドノイ大通りにあり、市中心部には露日基金もオープン。ロシアの役人らの狙いはロシアへの投資誘致であったが、麻原氏の狙いは別のところにあった。オウムはロシアの軍産複合体との関係強化に積極的で、モスクワ郊外部隊の軍事イベントにも参加。武器売買にも関心を示した。これを担当していたのは側近の早川 紀代秀氏である。

    1995年にかけてロシアには7つのオウムセンターが開き、信者は3-5万人と、日本より多くなった。しかしロシアの信徒らは教団の宗教外の活動については何ら知らなかった。1995年3月20日に地下鉄サリン事件が起きてはじめて、教団の危険を知ったというわけだ。ロシア国内のセンターが捜索され、日本人教徒らは一掃された。露日基金は数日後に火災にあい、ロシアにおける教団の活動に光を当てたであろう書類はすべて灰燼に帰した。おびただしい証言や調査にもかかわらず、当時教団が禁止されるには至らなかった。裁判所は証拠不十分と断じた。

    2000年7月、ウラジオストクで、教祖解放のためのテロを日本で行おうとしたとして、青年信徒らが逮捕された。武器、ドル、爆発物組み立て部品が摘発された。それぞれ異なる刑期を言い渡された。2003年にはオウムの後継「アーレフ」を創始した元幹部の上祐 史浩氏がモスクワ入り。ヨガおよび東洋のエキゾチックな修行を行うモスクワの「アートマン」センターのひとつを訪問し、目撃者によれば、自分たちおよびアーレフは危険ではないと語った。アートマンはアーレフと関係があるのかとのスプートニクの問にマリーナ・ズーブリツカヤ代表は「否定も肯定もできない。私は適任ではない」と答えた。

    「ロシア宗教・セクト研究センター連盟」のアレクサンドル・ドヴォルキン総裁は、オウムの問題は開かれた問いだ、と語る。没頭と盲目的信仰は理性の声を消してしまう、と同氏。

    「国が経済的・文化的にどれほど栄えようと人は人。ストレスにおしひしがれた人生の時期には付け入られやすくなる。そこにつけこむのがセクトである。彼らは独自の人間ネットワークをもち、洗脳の様々な方法を使う。不安定で危機的な社会では勧誘は大規模に行われる。社会がよく発展していれば暗躍のための余地も少なく、したがってセクトも少ない。しかしいずれの社会にも彼らはいる。そして意識をコントロールすることで、人間内部の道徳的禁制を迂回できるようになり、同胞を殺せるようになる。自分や近しい人を脅かす敵がいるのだと信じ込まされると、その障壁はかるがる超えられてしまう。セクトでは人らは一番重要なのはセクトであると信じ込まされる。セクトの役に立つこと、それが最高の善、最高のモラルなのだと。このような加工をうけた人間は徐々にそういう意識に侵され、すべてを行えるようになってしまう」

    今年3月にはモンテネグロでオウムの活動に参加した疑いで55人のグループが逮捕された。うち7人がロシア人だった。4月にはモスクワ・ペテルブルグでオウムの密かな後継組織が捜索を受けた。過激文書や宗教上の道具類、膨大なシムカードが発見された。それらの所有者は逮捕されたが、本人らは日本のセクトとの関連を否認し、単にヨガをやっていただけだと述べている。

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