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    再び2島ではなく4島:「新しいアプローチ」はどこに?

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    リュドミラ サーキャン
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    安倍首相は、日本の沿岸から同国が領有権を主張している南クリルの視察を検討しているという。過去にも日本の首相たちはこのような視察を上空から、あるいは巡視船から一度ならず行ってきた。もちろん、島の領有権を主張する国の首相によるこのようなジェスチャーは特別な意味を持っている。なお安倍首相は、何十年も長引く南クリルの領土問題を断固として進展させる構えだが、日本国民はより懐疑的な見方を示している。

    大半の日本人が、今も「北方領土の返還」を主張している。一方で最新の世論調査によると、日本の若い世代にとってこの問題はそれほど重要ではないという。なおロシア人を対象に実施された全ロシア世論調査センターの世論調査によると、ロシア人の53パーセントが、エトロフ島、クナシリ島、シコタン島、ハボマイ島はロシアに帰属し、今後もロシアに帰属すると考えており、42パーセントの回答者が、領土問題に関する露日交渉を支持し、日露が相互に合意する必要性を認識していた。また4島について、日本に帰属するべきだと考えているロシア人は、わずか1パーセントだった。なお回答者の97パーセントが、ロシアにとって日本との友好関係が重要だと考えていることが分かった。そして世論調査の回答者の78パーセントが、ロシアと日本は友好関係にあると答えた。世論調査は今年春に日本外務省の委託を受けて行われたもので、最近発表された。恐らく、予定されているロシア大統領の訪日とつながりがあると思われる。

    領土問題をめぐるこのような「活気」を背景に、最近読売新聞は、日本がロシアとの北方領土問題の交渉で、4島ではなく2島の引き渡しを最低条件とする方針を固めたと報じた。読売新聞によると、日本政府は平和条約締結の際に、2島については平和条約締結後の継続協議とし、『「4島の帰属」問題の解決を前提としない方向で検討している』という。なお日本外務省は、読売新聞の報道を急いで否定した。一方で複数の専門家たちは、日本の当局はこのような妥協へ向かう用意があるため、このような案に社会がどのような反応を示すかを前もって探るために、意図的にメディアへ情報を漏らしたした可能性もあるとしている。1956年の共同宣言で述べられているまず日本に2島を引き渡すという案は、2001年にプーチン大統領と当時の森首相がイルクーツクで会談した際に議論したが、その後この案は立ち消えとなった。アナリストらは、まさに2島の境界線の引き方が、60年にわたる交渉プロセスの主な困難をつくり出したとの見方を示している。

    日本研究センターのオレグ・カザコフ専門家は「スプートニク」に、日本がロシアに対する戦術を変えたのは明らかだが、その戦略は隠されたままだと述べ、次のように語っている-

    「まず、政治と経済を切り離すという安倍首相の発言だ。これは領土問題と露日の経済協力のつながりを少なくすることを明確に目指すということだ。これは、もちろんロシアにとってはいいことだ。一方で、これは決して新しいものではない。日本はこのような立場をエリツィン時代に提案した。日本の戦略は隠されたままだ。日本が述べているように、日本が4島全てを求めた場合、『新しいアプローチ』という考えでは何が変わったのか?そのためロシアとの関係の新しいアプローチの完全な理解は、ロシア社会にも日本社会にもない。ジャーナリストや専門家たちにもない。我々は、ロシアとの関係で誰が安倍首相のアイデアマンなのかを知らない。しかし私は、読売新聞の報道は、政治勢力の様々なグループが、この問題に対する自分のたちの視点を位置付けるために必要だったのではないかと考えている。日本の権力組織には、『経済協力や資金援助などと引き換えに領土を』という形で、もう一度ロシアを『絞り切る』のを試すことができると考えている勢力が未だにあると思う。しかしこのような直線的なアプローチは上手くいかない。」

    なおプーチン大統領の訪日に向けた準備は全速力で進められている。両国の外務省は、このテーマに関する協議をすでに2回行っている。しかし、協議の内容は霧に包まれている。

    なお記事の中で述べられている見解は、必ずしも編集部の立場とは一致していません。

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