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    ピチャゴルスクのカフカス管区で

    日本人政治活動家 「クリミアには日本が学ばねばならぬところがある」

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    オピニオン
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    エフゲーニヤ モイセーエワ, 徳山 あすか
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    日本の愛国主義的政治団体「一水会」の木村三浩代表がスプートニクの独占インタビューに答えてくださった。木村氏はクリミアを何度も訪れており、先日当地で実施の下院選挙の投票にもオブザーバーとして立ち会っている。投票区を視察した木村氏は記者団に対し、クリミアの市民は日本人よりも強い本当のサムライ魂を持っていると評価した。この場合のサムライ魂とは何か、その他、現在の世界が抱える急務について、中でも露日関係について木村氏はスプートニクの向けるマイクに次のように語っている。

    スプートニク:先日あなたは、クリミアでの下院選挙の投票に立ち会われました。あなたが、クリミアを訪れたのは今回が初めてではありません。なぜ、あなたの注意は、他ならぬクリミアにひかれるのでしょうか?あなたはクリミアのロシア連邦への編入、そして現在のこの地域の状況についてどう思われますか? クリミアに対する西側の立場、クリミア及びロシアに対する西側の制裁措置について、どう評価されますか?

    木村氏:クリミア住民が自分たちの意思でロシアに復帰したということ、その意思の表れとして住民投票をしたという実情が、日本の報道ではあまり伝わっていません。「ロシアがクリミアを力によって最終的に編入した」と伝えられているので、私は事実を確認したくて、最初にクリミアを訪問しました。日本のメディアには西側諸国の考え方や主張を反映してしまう報道が多く、実情を反映していません。日本メディアの報道にはチェック機能がなく、西側にコントロールされてしまいかねない。そして一般の人は事実を知らないままになる。私はそのことを残念に思っています。

    クリミア スダクの下院選挙の投票所
    © 写真: 一水会
    クリミア スダクの下院選挙の投票所

    クリミアで下院選挙の投票に立ち会いました。私がお会いしたクリミア・タタールの方々も、ロシアに帰属して良かったという気持ちを持っていました。クリミアがウクライナだったときは「ウクライナ化」が強くて、クリミア・タタールの人たちは自分たちの言葉を失う危機に瀕していました。今ではロシア語、ウクライナ語、クリミア・タタール語でテレビ放送がなされています。西側諸国は「ロシアがクリミアを併合してからタタールの人たちは迫害されている」と言っています。ロシア人とタタール人は一緒に発展しようとしているのに、西側はそれを疑っています。ロシア側の方が、クリミア・タタールの人たちと共存することに真面目に取り組んでいる、それを評価しなければなりません。これからクリミアはどんどん発展していけると思っています。

    クリミアのタタール人の方々と意見交換後の記念撮影
    © 写真: 一水会
    クリミアのタタール人の方々と意見交換後の記念撮影

    スプートニク:またあなたは今回、アプハジアと南オセチアも訪れました。アプハジアでは、選挙でオブザーバーを務め、両国の代表と会いました。この地域について、あなたはどう思われますか、将来についてはどう見ておられますか?

    木村氏:2008年8月8日、ジョージア(グルジア)が南オセチアを攻撃したとき、日本メディアは南オセチアを助けたロシアの行動を非難しました。私はそれをおかしいと思い、先日亡くなられましたが、自民党の幹事長を経験した加藤紘一さんに話をしました。彼もそう思う、と話していました。自民党の中にも、そのような方はいます。そのとき日本共産党はロシアの行動を批判していました。ポピュリズムに迎合しているのでしょう。

    アブハジア ハジンバ大統領と
    © 写真: 一水会
    アブハジア ハジンバ大統領と

    アブハジアの大統領選挙では、アブハジアは未承認国家なので、「ちゃんと選挙をやっているのか?」という疑いの色眼鏡で見られています。大統領選挙の際、アブハジアにはイタリアなどヨーロッパからのオブザーバーが来ていました。私も現地に滞在し投票所も行きましたが、透明で、不正はありませんでした。私は、人々の自己決定、自分たちの未来を考えた上での投票行動を尊重しています。私ができることは現地に行って状況を見て、選挙がきちんとなされていること、この国は独立した国であり、国家として承認しなければならない、ということを訴えることです。

    クリミア、アブハジア、南オセチアの人々の、自分たちの住んでいる場所の発展を自分たちで考えていこうという自決の権利を私は尊重しています。むしろ日本はこれらの人々の、自決の権利を得るための戦いに学ばなければいけないのでは、とすら思っています。

    アブハジアの英雄記念碑で記念撮影
    © 写真: 一水会
    アブハジアの英雄記念碑で記念撮影

    スプートニク:現在ロシアと日本の関係には、温暖化が見られます。首脳同士の会談が定期的に行われ、経済協力も活発に発展しています。安倍首相は、ご自分の任期中の平和条約締結を目標にしていると言われています。あなたは、この目標は実現されるとお考えですか? 現在、いくつかのバリエーションが検討されています。先日、読売新聞には、日本政府は2島のみの譲渡案を検討中だとの情報も出ました。日本の世論は、そうしたロシアとの妥協に向け、どのくらい用意ができているのでしょうか? またそれは、両国に何をもたらすでしょうか?ロシアと日本の理想的な関係について、あなたはどのように見ていらっしゃいますか? あなたの目からご覧になって、クリルの運命はどうなるべきでしょうか?

    木村氏:安部首相は所信表明演説で、ロシアとの関係を非常に大切にしなければ、と述べました。私は、この所信表明は良かったと思います。12月15日にプーチン大統領が来日しますので、私たちが出している新聞「レコンキスタ」の10月号では、「プーチン大統領来日歓迎・今こそ日露平和条約を締結し、領土問題の解決と日露の関係改善を実現しよう」という画期的なテーマを特集します。

    また、鈴木宗男さんとお話し、プーチン大統領来日歓迎の集会・ミーティングを日本で行うことも決めました。大統領歓迎の他に、日露平和条約締結促進という意図もあります。これは大統領の来日前に、東京や北海道はもちろん、日本各地で行うことができればと思っています。日露関係の改善に賛成している人がこれだけいるのだ、ということを見せたいのです。ロシアとの関係改善がなされ平和条約が締結されれば、日ソ共同宣言に基づき、色丹島・歯舞群島の引渡しをしてほしいということも要求するつもりです。

    また安部首相は、所信表明演説で「日露間に平和条約がないことは異常事態である」と述べました。私たちもその認識を共有していますし、平和条約締結のために安部首相が動いていることを支持しています。しかし、これを阻害する三つの勢力があります。一つには、アメリカ的な考え方の保守グループです。このグループは、ロシアに経済協力をしても、日本に何の成果も及ぼさないと主張し、色丹島・歯舞群島も返ってこないと見ています。ロシアへの警戒感を煽っているとでも言いましょうか。こういう人は日本の右翼勢力にもいます。二つ目は、リベラル派です。こういう人は「クリミアは力によって奪われた。G7が経済制裁をしている中で、日本が抜け駆けするのはおかしい、国際協調を逸脱している。また、NATOに対抗するために核使用の可能性もほのめかしているプーチン大統領に、どうして付き合わなければいけないのか」などと言って批判しています。三つ目は、日本共産党です。日本共産党は、千島列島全島を日本のものだとして要求しています。それがもし色丹島と歯舞群島だけで終わってしまったら、それは安部政権の妥協だというわけです。しかしこれはもちろん現実離れした話です。

    日露平和条約は絶対にこの段階で締結すべきです。平和条約の中身は、単に領土問題について取り決めるだけではなく、百年の計のスパンで考え、日露両国が平和のリーダーシップをとっていけるようなものになることを望んでいます。今、露中関係は良いので、もしかすると日露の接近に対して中国が「やきもち」をやくかもしれませんが、日本は「中国とは約40年前に締結した。日本としては、このタイミングでの日露平和条約の締結は遅いくらいだ」と、きっちり話すべきです。

    クリミアの城をバックに
    © 写真: 一水会
    クリミアの城をバックに

    スプートニク:あなたの団体は、日本は米国から自立した政策をとるべきだと主張し、米軍部隊の日本からの撤退を求めています。しかし今日、米国との防衛協力は、地域全体の地政学的状況において、かなり重要な役割を果たしています。 米軍基地が撤去された後、日本の安全は、どのように保証されるのでしょうか? 東アジアのパワーバランスは変化するのでしょうか?あなたのお考えでは、どうすれば、アジア太平洋地域を平和なものとすることができるでしょうか? その際、すべての国の安全が保障され、この地域のあらゆる利益は守られなくてはなりません。

    木村氏:私は、米軍は日本から出ていってもらいたいと、一貫して主張しています。東アジアのパワーバランスの変化を考えれば、これは今すぐにできることではありませんが。しかし基本は、自立をしていくということです。自分の国の地政学的な安全保障を、自分の国の決定で考えられるようにしなければなりません。外交はあくまでも「付き合い」です。外交で、緊張関係を信頼関係に置き換えることもできるわけです。外交は共通の利害がベースになっています。つまり両者互いにメリットのある枠組みを作ることが必要になってきます。ソチの日露首脳会談で提案された、日本の、ロシアへの8項目の経済協力については、10月15日までにロシア側も担当大臣を設ける予定です。更に具体的なプランが作られるでしょうから、これは良いことだと思います。

    日露平和条約が締結できれば、その先に日朝国交正常化も可能だと思います。これはやる気になればできますし、やらなくてはいけないことです。韓国の問題はありますが、お互いに国連に加盟している国ですし、韓国と北朝鮮が、朝鮮半島の人々が国家として互いを尊重しあえば、平和共存できると思います。

    南オセチアの山の中で兵士と
    © 写真: 一水会
    南オセチアの山の中で兵士と

    スプートニク:間もなく米国では、大統領選挙が行われます。 あなたは、その経過をどうご覧になっておられ、結果はどうなると予想されますか? あなたご自身は、どの候補を支持されていますか、またそれはなぜですか?

    木村氏:私は、トランプ氏が主張している「日本からの米軍撤退」については、こちらもお金を払う必要はないし、出て行ってもらえばいいのではないかと主張しています。アメリカ軍には、日本から撤退する自助努力をしてもらえば良いのではないでしょうか。ブッシュ氏とゴア氏が争ったときは不正選挙がありましたし、選挙は番狂わせがありますので、大統領選の行方はわかりません。

    日米安保ということで言えば、私は日米地位協定はすぐやめてもらいたいと主張しています。日本人として屈辱的で、人間の価値にも関わる問題です。愛国者でなくてもこれはおかしいと思うはずです。日米地位協定の廃止は、私にとって必ずやりとげたいテーマです。

    ピチャゴルスクのサナトリウムで
    © 写真: 一水会
    ピチャゴルスクのサナトリウムで

    スプートニク:2010年、あなたの団体は、東京で欧州の右派政党のためのフォーラムを組織されました。 今日、数々の問題を抱え、EUに対する懐疑的な気分が高まっている欧州において、あなたは、これらの政党の役割を、どうご覧になっていますか?

    木村氏:今日、欧州にとって主要な問題の一つは、移民危機です。日本の移民政策は、その慎重さで知られています。あなたは、日本の経験が欧州にとって有益なものになりうると、お考えですか? あなたはそれを、欧州の同僚達と分かち合いましたか?

    ジャン=マリー・ル・ペンさんは、フランスは主権国家としての立場に戻るべきだと話していました。先日、イギリスの離脱の選挙もありましたけれど、無理やり統合するというのでなく、主権国家、その中における民主体制の確立をする、行き過ぎたグローバル主義に反対する、そのような傾向でした。意見交換では、それぞれの国の国家主権を守ろうというテーマの議論をしました。ル・ペンさんのグループからのリクエストで、ウクライナの議員も参加したいという意思表示がありましたが、ビザがおりず、ウクライナの議員は日本に来ませんでした。

    ジャン=マリー・ル・ペンさんは移民に全面反対しているのではありません。日本のようにきちんと管理するべきだという見解を示していました。

    セバストポリの英雄記念碑で献花
    © 写真: 一水会
    セバストポリの英雄記念碑で献花

    スプートニク:あなたのお考えでは、いま日本が抱えている主要な内政問題はどんなものでしょうか? それらを解決するためには、どのような方法があるとお考えですか? 経済の停滞を克服するために、どんな措置を講ずるべきでしょうか? 人口の高齢化問題や、それに関連した社会保険の問題を、どう解決すべきだとお考えですか?

    木村氏:内政には問題が山積みです。少子高齢化、社会保障政策における高齢者対策は喫緊の課題です。また教育の問題があります。日本人が日本人であるという誇りをもてるような教育が必要です。今は核家族社会・都市型社会で、社会全体がバラバラになっていると感じます。また全てにおいて東京集中をやめ、地方を活性化させなくてはいけないと思います。安全保障の観点からも、東京一極集中はよくありません。

    スプートニク:もしあなたが日本の首相になられたら、真っ先に何をされますか? あなたのお考えでは、現在最も緊急に求められている行動は何でしょうか?

    木村氏:一番にやりたいことは、米軍の、日本からの撤退です。米軍には出ていってもらわなければなりません。米軍とケンカしようというのではありません。自主権を、明確にし、日本の自主独立を勝ち取るべきだということなのです。ロシアとの関係で言えば、日露平和条約を既に安部首相が結んだ、という前提でお話すれば、もっと良好な関係を築きたいと思います。しかしどこかに偏るのではなく、対外的には、中立的に平和を維持したいと思います。また、国連改革にも取り組む必要性があります。

    シンシェロポリで「I LOVE JAPAN」のTシャツを着た人と
    © 写真: 一水会
    シンシェロポリで「I LOVE JAPAN」のTシャツを着た人と

    なお記事の中で述べられている見解は、必ずしも編集部の立場とは一致していません。

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