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    ロシアの介入がなければシリアという国はもはや存在していない

    ロシアの介入がなければシリアという国はもはや存在していない

    © REUTERS/ Bassam Khabieh
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    タチヤナ フロニ
    シリアへのロシア作戦参加から1年、テロ闘争は今なお続く (65)
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    シリア内戦が5年以上続いている。国連の推計では、既に40万人以上が死亡。2300万という全人口の半数が住む家を追われた。そんなシリア紛争に、グローバルなテロの脅威を背景に、ロシアが参戦したのは、ちょうど1年前のこと。

    シリアのアサド大統領はプーチン大統領に対し国内におけるテロとの戦いへの支援を要請。このときロシアの支援はロシア航空宇宙軍によるシリア軍の空中支援に限定された。シリアにおけるロシア地上軍の使用は排除された。米国の不満や危惧をよそに、ロシアの攻撃は正確で、ダーイシュ(IS)に大きな損害を出した。

    この1年のシリアにおけるロシアの軍事行動の成果はいかがなものか。紛争に変化を与えたのか。「グローバル政治の中のロシア」誌編集長フョードル・ルキヤノフ氏がスプートニクに語った。

    「ロシアの最大の功績はシリアという国の完全崩壊を回避したことだ。ロシアの介入がなければアサドも、シリアという国も、もはや存在していないだろう。2015年の夏秋にはそのような脅威は非常に高まっていた。しかし、この間に政治解決や情勢安定化が進んだとも決して言えない。軍事的な方法で勝利を収めることは誰にもできない。シリア正規軍はロシアの強力な支援を受けてさえ軍事的課題を達成することができない。反体制派にも勝利は不可能だ。なのに政治的なプロセスが全く進まない。対立する勢力が、力では何も手に入らないということを十分に理解しないためだ。それに、交渉当事者の確定が非常に難しい。特にアサド反対派。これが政治解決という課題を非常に遠ざけている」

    シリア情勢は解決しないばかりか、混迷を深めている。ダーイシュに対する共通の勝利のために必要な形態で行動を調整することを望まない米露の相互的また恒常的な批判も火に油を注いでいる。結果として、嘆かわしいことに、停戦も破綻してしまった。それについては米国が国連で、何らの証拠もなしに、声を大にして性急にもロシアを非難した。フョードル・ルキヤノフ氏は語る。

    米露の不信はほぼ100%だ。シリア紛争における全体的な対立の一環として情報戦争も行われている。影響力の点からいえば、ロシアはシリアにおける最重要のプレイヤーだ。これが米国を不満にさせ、苛立たせている。シリア紛争の各参加者がそれぞれ課題をかかえている。そのすべてが公表されることはないが、それはこのような大きな紛争では不可避のことだ。米国自身、自分がシリアで何を成し遂げたいのか分からなくなっており、それがシリアにおいて自信を失うということにつながっている。ロシアは米国には手のつけようもない重大なファクターになっている」

    米国の苛立たしいレトリックを背景に、シリアの停戦がそれでも成立することを期待できるか。フョードル・ルキヤノフ氏は次のように語る。

    「おそらく現時点では停戦の希望はない。停戦を成功させる一番の障害は、米国がパートナーとして一枚岩ではないことだ。米国の中にも本当に合意を望んでいる人たちはいる。オバマ大統領やケリー国務長官などはやはりそうした立場だ。しかしペンタゴンは、明らかに違う立場だ。オバマは退きつつある大統領であり、できることはどんどん少なくなっている。ペンタゴンはロシアを全く信用していない」

    しかも、シリア紛争には、ますます多くのファクターが絡んできている。シリア紛争はこれから地域に拡大していく傾向を持っているのか?

    「奇妙なことに、地域への拡散のリスクは、紛争勃発当初より下がっている。これまでシリア紛争における主要なプレイヤーには、露米のほかに、トルコ、サウジアラビア、カタール、イランがいた。今は状況が根本的に変わった。紛争の本質が変わったのだ。地域諸国は脇へ退き、ロシア内部のプレイヤーにすべてが集中してきた。今は彼らが大きく情勢を左右する」

    いずれにせよ今年どうなるか予断を許さない。シリアの完全崩壊という最大の目標はロシアは達成した。しかし、シリア紛争における米露の間接的競合は、明らかに今後も激化していく、とフョードル・ルキヤノフ氏。

    なお記事の中で述べられている見解は、必ずしも編集部の立場とは一致していません。

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      酒虎碁山
      ロシアの介入がなければシリアという国はもはや存在していない という記事の見出しは凡そ間違っていないでしょう。ただし、ロシアが国として介入するにはやはり限界があると、ここで告白しているという事でしょうか?ここにも国連の無能ぶりが著されていると感じます。次期国連事務総長に期待を置けばいいのでしょうか?国際世論などというものは既に存在しないのでしょうか?しかしそれを乗り越えて事を為さんとする姿勢をロシアこそ真に持っていると感じます(今の日本政府よりかずっと)。
    • ネットもぐら
      オバマは米戦争屋(ここではペンタゴンと表現している)に尻をつつかれてやる気のない爆撃しか行わなかった。本来シリアのアサドはISに殺されて米戦争屋による国内に内乱を抱えたままの「民主主義の夜明け」を迎えるシナリオだったろうが、オバマは動かなかった。
      米戦争屋のインチキデタラメは米軍がインターネットを開放してバレバレになり、世界の小国市民に至るまでそのやり口が知られてしまっている、もう無理なのだ。カラー革命のインチキはもう通用しないということを分かっていて力で押し切ろうとしているだけだ、必ずコケる。
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      catss4
      プーチンが激情的に振る舞っていたら、世界は第三次世界大戦に突入した!

      日本のマスメディアは、米国CIAの手下ですから…プーチンを悪魔のように、報道するでしょうが…!
      プーチンは秘密結社と本気で戦い始めた! 彼は殺されそうになって…!兵頭正俊氏
      E・スノーデンは、イスラム国ISISの指導者バグダディは、モサドとCIAとMI6が育てたと暴露!アルカイダも米国が作ったとヒラリー・クリントンが暴露!
      blog.goo.ne.jp/kimito39/e/575cae208159b4e874bba05ddfb0850a
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      tirori_kiku
      >シリアの完全崩壊という最大の目標はロシアは達成した。

      ではなく、

      >シリアの完全崩壊「回避」という最大の目標はロシアは達成した。

      ということであると文脈でわかります。

      とはいえ、ニュースソースとしての信頼度が薄れるので、翻訳は難しいとは思いますが、重大な誤字、誤訳の発生はなるべく「回避」してください。

      いつも有難うございます。
    • unimaro unimaro
      だからといって、ロシアの弱腰がアメ公とトルコのシリア侵略を容認してしまった事実をなくすことはできない。それはそれこれはこれだ。
      シリア国民はロシアを許すだろう。でもその事実を忘れることはできない。世界のロシアを注目していく国々も同様。
      ロシアがしなければならないのはいいわけでは無く、挽回だ。
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