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    安倍首相

    ロシアとの平和条約は安倍首相にとっての強迫観念

    © AFP 2017/ Saul Loeb
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    安倍首相は9月30日衆議院での演説で、平和条約締結と「四島返還」をめざしロシアと広範な経済交渉を行うという意向を示し、70年間にわたって解決できなかった問題の重大性を認識してはいるものの、解決にむけ全力を尽くすと述べた。

    首相は次のように述べた。「経済分野を含め幅広い分野で日ロ関係を国益に資するような形で進めていく中で、4島の帰属の問題を解決をして平和条約を締結すべく、引き続き、ロシア側との間で粘り強く交渉に取り組んでいく考えでございます。もちろん70年間解決することができなかった問題でありますが、全力を尽くしていきたいと思います」

    平和条約締結のあらゆる側面を「静かな環境で」プーチン大統領との率直な対話において話し合い、領土問題について相互理解を達成したい、と安倍首相。先にプーチン大統領も平和条約締結の条件として高度な信頼感と双方ともが敗北感を感じないような形式を模索する必要性を挙げていた。

    「まずは歯舞と色丹の返還に片をつけ、同時に経済協力を推進。残る択捉と国後の帰属は継続協議とし、平和条約締結に道筋をつけるというシナリオで、かつて日ロ交渉に携わり、現在も安倍首相に対ロ外交を助言する鈴木宗男元衆院議員の提言と似ている」との自民党の参院議員阿達雅志氏の言葉をロイターが伝えている。

    日本がもし本気でそのようなアプローチをとるならば、それは1956年のモスクワ宣言への回帰を意味する。平和条約締結後に善意で2島を日本に譲渡するというものだ。スプートニクの取材にロシア高等経済学校で教鞭をとる日本の専門家アンドレイ・フェシュン氏が述べた。

    「ロシアとの平和条約は安倍首相にとっての強迫観念だ。彼はそれで歴史に名を残したい。仮に領土問題で最終決着できなくても、少なくとも大前進を遂げることで。しかしそれで双方が何を得るか?日本はわずかにもせよ領土が拡張する、安倍氏は面目を保ち、外交的勝利と目される。ロシアは1956年宣言の条項が実現したところで何らの利益も得ない。両国関係にブレーキをかけているのは平和条約の欠如ではなく、相互信頼・理解の欠如だ。経済を成長させ、日本を含むあらゆる国と対等な関係を維持することで、我々は遥かに多くのものを得ることが出来る。それにロシアの世論は日本に対するいかなる領土的譲歩も支持しない。プーチン氏が絶大な支持率のもとで世論に逆らう行動に出るか、私にも疑わしい」

    極東研究所副所長のウラジーミル・ポルチャコフ教授はスプートニクにこれと異なる見解を示した。

    「ある種の動きは常にある。問題は閉じており話し合うことは何もないというグロムィコの立場と同じ状況ではない。何らかの前進は可能と思う。両国の政治家たちの強い動機を目にしている。プーチン氏も安倍氏も大きな外交的成功が必要だ。何らかの形で平和条約が結ばれれば、敗者のいないウィンウィンとなる」

    最近まで日本はクリル問題と政治を結び付けてきたが、今はアクセントが経済に移っている。極東の百単位のインフラプロジェクトに日本が大規模投資する用意があるとのデータもある。具体的な話には至っていないが、総額を200億ドルとする声も。しかもそれらプロジェクトは道路や病院、都市インフラなど、採算性では測れないような内容のものだという。

    安倍首相の任期は2018年9月まで。同年ロシアでは大統領選挙がある。両リーダーにとって残された時間はそう多くはない。もっとも、両リーダーとも任期延長の可能性も残している。

    なお記事の中で述べられている見解は、必ずしも編集部の立場とは一致していません。

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