04:47 2020年01月28日
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26日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の油井亀美也宇宙飛行士が、モスクワにあるスプートニクのスタジオに来てくださった。油井さんは30日に地球に帰還する予定の大西卓哉宇宙飛行士の出迎えのため、取材後カザフスタンへと向かった。本稿ではインタビューの抜粋をお届けする。

油井さんは、ISS(国際宇宙ステーション)第44次・第45次の長期滞在クルーとしてISSに約142日間滞在し、昨年12月に地球に帰還した。極寒かつ悪天候のカザフスタンの草原、しかも夜間にISSから地球に帰還したのは、これが初めてだった。

油井さんは当時のことを「天気が悪くヘリも満足に飛べない中、ロシアの方々は私たちを探しに来てくれました。30分くらいは待ったかもしれませんが、すぐ見つけてくれ、カプセルから出してくれました。地球に帰還した直後は正直、天気がどうなっているかよくわからなかったのですが、後からビデオを見ると吹雪になっていたので、この悪天候でこれだけ早く見つけてくれたとは、ロシアの底力はすごいなと思いました」と振り返っている。ISSにいると温度も湿度も一定なので、油井さんにとっては冬の冷たい風が心地良く、帰って来た実感がわいたという。その後まもなくヒューストンへ飛び、リハビリが約一か月半続いた。

意外にも、帰還後の食事に厳しい制限は無いという。帰還セレモニーではカザフスタンのお菓子を食べ、なかなか美味しかったそうだ。ヒューストン行きの機内では、油井さんの大好物であるアイスクリームも食べることができた。

油井さんが「中年の星」と言われる所以は、39歳で宇宙飛行士になったから、だけではない。宇宙に行くためにはロシア語が必要なので、40歳でロシア語を勉強し始めた。それまでロシア語を学んだことはなかったが、初めは米国で、その後ロシアで勉強を重ねた。最初の1年ほど、ロシア語の壁は高かったが、ロシア人と話すうちにだんだんと上達してきたという。現在、油井さんはロシア語を自由に話す。油井さんの存在は私たちに、大きな目的のためには人間の可能性は無限だと気づかせてくれる。

幼い頃から星が大好きで、お年玉を貯めて天体望遠鏡を買った少年時代の油井さん。宇宙へ行く夢を叶えたときのことについて、次のように話してくれた。「夢が叶ったときは、感慨深かったです。宇宙から地球を見たときは感動しました。地球は本当に青くて美しく、とても小さくて、壊れやすいもののように感じました。宇宙へ行って、人生観が変わりました。地球には空気も無限にあり、多少人間が汚しても大したことはない…と思っていましたが、宇宙から見ると空気の層が本当に薄くて、驚きました。これだけしか空気がないのなら、私たちは気をつけて生活しなければと思いました。」

油井さんの宇宙でのお気に入りは、ロシアの缶詰タイプの宇宙食だった。「お肉とご飯が入ったものですとか、本当に美味しいんですよ。あと、ロシアはやはりジャガイモが美味しいですよね。ジャガイモを使った料理もありました。」ロシアの家庭に招かれた際も、ジャガイモ料理を楽しんでいるという。

30日の大西宇宙飛行士の帰還に続き、12月には無人宇宙輸送船・こうのとり6号のISSへの打ち上げが予定されている。こうのとりと言えば、こうのとり5号をロボットアームでキャッチした油井さんの活躍を思い出す人も多いだろう。2014年から2015年にかけて、米国やロシアによる物資輸送は3回連続で失敗してしまい、生活用品がピンチに陥っていた。日本中が固唾を飲んで見守っていたこうのとり5号のミッションが成功したおかげで、物資不足は解消され、クルーたちはオレンジやレモンを食べることもできた。

油井亀美也宇宙飛行士インタビューのフル・バージョンは、ポッドキャストでお楽しみください。

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