03:36 2021年06月18日
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12月15日に予定されているプーチン大統領と安倍首相の首脳会談を前に、経済協力のパラメーターが確認されている。3日は、モスクワを訪問した世耕弘成/経済産業相にとって、極めて中身の濃い一日となった。経産相は、先日作られたばかりの露日作業部会の二つの会議に出席した。おまけにこの会議は、今回初めて行われたものだった。

第一回露日エネルギー評議会会議には、ロシア側からアレクサンドル・ノヴァク・エネルギー相が出席し、石油や天然ガスの採掘、輸送、加工分野における協力について意見が交換された。中でも特に大きな注意が割かれたのは、エネルギー資源のロシアから日本への供給問題だった。その際世耕経産相は、日本のエネルギー戦略の基本は中東への依存度を低め、エネルギー資源の供給元をできるだけ多角化することにあると強調した。これに関連して日本では、海底電気ケーブル敷設プロジェクトに特別な期待がかけられている。それが実現すれば、露日首脳会談で取り上げられる見込みの領土問題解決の助けになるかもしれないというわけだ。

海峡を挟んでサハリン南部から北海道の稚内まで40キロを結ぶケーブルを使って「ルスギドロ」の火力発電所から日本へ電気を送ることができる。日本市場のエネルギー需要に十分こたえる力を持った発電所の建設は、すでにサハリンで始まっている。先月10月に、発電機が設置された。プロジェクトへの融資に関する交渉には、国際協力銀行(JBIC)が参加している。見積もりでは、プロジェクトには60億ドルかかると見られている。しかしこれは十分採算が取れるものになり得る。なぜならサハリンのエネルギー価格は、日本の三分の一にしかすぎないからだ。

またモスクワでの会合では、.原子力エネルギー、エネルギーの効率的利用や再生可能エネルギー分野における両国の協力問題についても、当然取り上げられた。

今回の会合について、ロシア極東研究所日本調査センターの責任者ワレーリイ・キスタノフ氏は、次のようにコメントしている-

「つまりは、極東におけるエネルギー産業の発展、新たな産地の開発、資源加工工場の建設への日本の参加が拡大するという事だ。ロシアは、国の領土内で剰余価値の一部が作り出されるよう、資源の直接的な単なる供給国から完成した加工製品の輸出国への脱却を目指している。今回の会合では特に、日本側が沿海地方その他での石油化学工場建設に参加するバリエーションが話し合われている。肝心なのは、こうしたプロジェクトの中で、採算的観点からばかりでなく将来を見据えて、双方の利益を考慮することだ。」

さて、もう一つ世耕経産相が出席した露日作業部会の第一回会議だが、これは経済発展省の建物内で行われた。この作業グループの課題について、アレクセイ・ウリュカエフ経済発展相は「ロシアと日本のビジネス活動にとって最良の条件を作り出すことにある」と性格付け、さらに「我々が始めた仕事が成功するか否かは、人々やビジネス界そして経済に利益をもたらすプロジェクト実現において、具体的な成果を達成できるかどうかにある。まず第一に、付加価値の共同の鎖を作り出すことに向け、成果を上げなくてはならない」と指摘した。作業グループにより、90の共同プロジェクト が割り当てられた。そのうちのいくつかは、12月の露日首脳会談までに具体的成果を上げることが期待されている。現在日本の財界は、1兆円(約96億ドル)を超える約40のプロジェクトを、多かれ少なかれ具体的に検討中だ。 ただ、日本も加わっている西側の対ロシア制裁措置導入という条件下でのプロジェクトへの融資には、今のところまだ問題点が多いのも確かだ。

さて最後に付け加えておくが、12月のプーチン・安倍会談を前に、今月さらにもう一つ会合が準備されている。それはイーゴリ・シュワロフ副首相と岸田文雄外相による、露日貿易経済政府間委員会である。

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露日関係, ロシア, 日本
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