00:24 2020年12月01日
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米大統領選挙 (69)
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11月8日、モスクワでは昼休憩が、東京では労働時間が終わる頃、米国で大統領選挙の投票が始まる。全世界が米大統領選に注目しているが、これは偶然のことではない。米国の経済的、政治的、軍事的な全面的拡張は、同国が何らかの形でほぼ全世界のプロセスと関わりを持つことにつながった。

それはまず第一に、世界の紛争であり、その多くが、まさに米国の政策によって生じた。しかし米国の有権者らは、次期大統領の外交政策よりも、国内政策を気にしている。

クリントン氏は、金融エリートと働く女性の支持を得ていることが知られている。しかし同氏は、以前オバマ大統領に投票した若者やアフリカ系アメリカ人の好感を勝ち取ることができるだろうか?ニューヨーク・タイムズ紙は、このように問いかけている。クリントン氏の信奉者たちは、同氏の豊かな経験、素晴らしい労働能力、議論の余地のない政治的権威を主張している。一方で手厳しい敵対者たち、特に若者たちは、クリントン氏から計算高さや不誠実さ、政治家としてのキャリアのためなら何でも犠牲にするという意欲を感じている。

クリントン氏は、米国の国家安全保障の主要な脅威について、テロリストの手に渡る可能性のある核兵器やその材料の拡散だと考えている。クリントン氏の米国務長官時代の外交政策における功績は、イランに対する厳しい制裁だと言われている。これは結果的に、イランの核プログラムに関する合意締結と、中国との対話拡大と深化を促進した。ロシアに対する厳しい態度は、選挙戦でのクリントン氏の一般的なイメージの一部となった。一方で米国のアナリストらは今も、クリントン氏のロシアに対するアプローチは、同氏のレトリックよりもはるかに考え抜かれた実用的なものになるだろうとの見方を示している。

社会学者らによると、トランプ氏の支持者の大部分は、「ブルーカラー」層の白人、すなわち民主党のオバマ政権と米議会の共和党の多数派に対して同じように不満を持つ労働者階級だという。

彼らはトランプ氏を、形式ばった人間ではなく、自分の力で成し遂げることのできる「self-made man」だと考えている。イスラム教を信仰する米国市民全員の義務的な登録や、イスラム教徒の米国への入国禁止などを含むトランプ氏の奇抜で、時に挑発的な発言に、ある人々は歓喜し、ある人たちは憤りを表し、大騒ぎとなった。選挙期間中の演説で、国際政治のさまざまな側面に対するトランプ氏の態度は、思慮深いというよりも、常軌を逸した振舞いのように思われた。

グローバル化・社会動向研究所・経済研究センターのワシリー・コルタショフ所長は、トランプ氏は社会秩序の問題で明らかにクリントン氏に負けたとの見方を示し、次のように語っている-

「彼らの意見が異なっているのは、安全保障でもテロ対策のテーマでもない。これらのテーマでは、両者が『私は市民を守ることができる。私は問題を解決する』と、同じことを述べている。選挙にとってはるかに重要なのは、全ての米国人が実際に不安を抱いている社会問題と経済問題だ。まさにこの問題で、クリントン氏はライバルのトランプ氏より優勢に見えた。クリントン氏は、以前オバマ大統領が行ったように、たくさんの新たな雇用を米国人に約束した。同氏の選挙公約には、所得不平等の是正、最低賃金の引き上げ、有給出産休暇、家族の価値のサポートなどがある。トランプ氏は、これらは全て空約束だと主張したが、自身はまるで明確なアイデアを持たない批判者のようだった。トランプ氏の提案はあまり説得力がなく、あまり体系的ではないように思われた。同氏は多くのことについて話したが、有権者たちが何よりも期待していたのは、社会問題と経済問題についての明確さだった。トランプ氏の弱点は、米国における福祉国家の形成への注目が欠如していたことだ。トランプ氏は、有権者により良い未来の確信を与える社会支援策を持ち合わせた経済成長計画が、クリントン氏の約束と対比されるとは思っていなかった。トランプ氏が有権者の心をつかむとしたら、それは国際政治の問題に同氏がより精通しているからではなく(彼は時折、正真正銘の田舎者に見える)、嘘つきだと思われていないからだ。一方でクリントン氏は、嘘つきの評判が高い」。

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