フランス人写真家 スプートニクに廃墟化した「日本版ディズニーランド」とフクシマを撮らない理由を語る 【写真】

© Romain Veillon奈良ドリームランド
奈良ドリームランド - Sputnik 日本
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フランスの写真家ロメイン・ヴェロン(Romain Veillon)さんは、自身の作品の中で、閉園した日本の遊園地「奈良ドリームランド」の「最後の日々」を紹介した。「奈良ドリームランド」は1961年に開業、カリフォルニアのディズニーランドを模倣した遊園地だった。しかし2006年、入場者数が減少して閉園、廃墟化して残った。だが最近解体作業が始まり、その思い出は写真のみとなった。

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終末論的な美しさ:荒廃とカオスの美学
「スプートニク」は、ベイロンさんへのインタビューに成功した。ベイロンさんは日本訪問について、そして廃墟化した遊園地について、その印象を語ってくれた。

スプートニク:日本にある「奈良ドリームランド」を訪れたきっかけはなんですか?

ベイロンさん:私はずいぶん前から日本に行きたいと思っていました。約5年間、日本旅行について考えました。私の場合、主な目的は、旅行というよりも、写真のための廃墟化したミステリアスな場所を探すことです。私はそのような日本で訪れたい場所25カ所のリストをつくりました。そしてまず奈良ドリームランドに行きたいと思ったんです。私は以前この遊園地の写真を見たことがありました。ユニークな遊園地です。これはまさに私が見つけたかったもので、終末的スタイルのミステリアスな荒廃したものが残っている、人々に捨てられた場所でした。

ベイロンさんは、奈良ドリームランドは閉鎖されたオブジェクトであるため、この遊園地に入れたのはとてもラッキーだったと考えている。ベイロンさんは遊園地で1日過ごし、写真を撮った。誰にも会うことはなかった。このような一人ぼっちの状況が、遊園地をさらに謎めいた不思議なものとしたという。ベイロンさんは、次のように語っている-

「この場所は神秘に満ちています。ここでは時間が感じられません。過去に思いを馳せ、20年前この遊園地は大勢の人で溢れ、子供たちが笑い、楽しんでいたことを想像しました。これはとても興味深い感覚でした。」

スプートニク:奈良ドリームランドの他にも、心が惹きつけられる廃墟はありますが、ベイロンさんのリストに、2011年の悲劇後に人々が去ってしまった居住地があるフクシマ周辺は入っていましたか?

© 写真 : Romain Veillon 奈良ドリームランド
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ベイロンさん:私はそのような場所について聞いたことはありますが、行きたいとは思いません。第一に安全上の理由からです。またそれは、かつてそこに住んでいた人々に対して失礼なことだと思うからです。彼らは最近そこから去りました。彼らが残した家や、急ぐ中で置いてきた物の写真がインターネット上に掲載されたとしたら、彼らは嬉しく思わないでしょう。

スプートニク:チェルノブイリに行ってみたいと思いますか?

ベイロンさん:チェルノブイリの美しい写真をたくさん見たことがあります。今チェルノブイリの立ち入り禁止区域は、大勢の観光客の巡礼の場所となりました。人々は美しい写真を撮るために集団でそこを訪れています。でも私は、もっと独創的でユニークな場所が好みなんです。もしかしたらいつかチェルノブイリに行くかもしれませんが、でも実際はロシアに行って、何か興味深い場所を探したい気持ちのほうが強いです。ロシアにも謎めいた廃墟がたくさんあると確信しています。

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スプートニク:日本訪問の話に戻りますが、日本からどのような印象を受けましたか?

ベイロンさん:私は日本に非常に感銘を受けました。日本には素晴らしい人たちがいて、食事も美味しく、そして私にとって重要なのは、素晴らしい景色です。日本の北部、長野、奈良、京都、広島など、たくさんの場所を訪れました。また農村部もたくさん見ました。新しい場所一つ一つが、私にとってはインスピレーションと興奮の源でした。機会があれば喜んでもう一度日本を訪れるでしょう。

だがもう一度、奈良ドリームランドを訪れることはできない。ベイロンさんによると、遊園地は競売にかけられ落札、遊具や建物の解体作業が始まった。インターネット上では、米国の半分廃墟化した町や、崩壊したパビリオンの写真などが公開されている。これらの写真も非常に印象的だ。しかし廃墟化した遊園地の最後の写真を撮るチャンスをものにしたのは、ベイロンさんだ。

ベイロンさんは、自身の著書「Ask the dust」で、廃墟を巡る旅について語っている。「Ask the dust」には、ベイロンさんが世界中で撮った選りすぐりの写真が紹介されている。

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