14:55 2019年07月18日
トランプ氏

トランプ氏の大統領選出でOPECの計画に影響は出るか?

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ロシアのエネルギー省は17日、ドーハでのガス輸出国フォーラム閣僚会合に合わせOPECの代表らと非公式協議を行う予定。その直前に、多くの人が予想もしなかった、米国大統領選挙におけるトランプ氏の勝利があった。

11月末、OPEC諸国は産油量制限で合意し、世界の市場における原油価格の引き上げに成功した。しかし専門家らは次期大統領のエネルギー政策は全く未知数であり、OPECのせっかくの合意も全く不適合なものにしてしまいかねない、としている。

「エクスペルト」誌の金融アナリスト、アンナ・コロリョワ氏は、スプートニクの取材に次のように述べた。

「合意はまだすっかり成立したわけではないが、既にOPEC合意に影響は出ている。まだ合意が達成されるだろうという淡い期待があるに過ぎない。むろん市場には膨大な要因が影響を与える。各国が、合意がどのようなものになるか、誰が特段の利益を得ることになるか、気にしている。こうした状態では楽観視は禁物で、OPECの中でも意見は分かれている。彼らは自分たち同士で合意にこぎつけることができない。それをトランプ氏も経済政策で利用する可能性がある。

トランプ氏の発言はOPECの石油大臣たちに不安と悲観を植え付けた。OPEC諸国は今極めて複雑な選択に直面している。一方には、一部の加盟国の予算は均衡を要求しており、そのためより高い原油価格が必要となっている。それはOPECを産油割当量削減の決定へと押しやるはずだ。他方、米国で、国内のシェール生産増大を公約したトランプ氏が勝利した。氏はまた、石油、ガス、石炭を含む米国のエネルギー備蓄の開発への制限を解除し、積極的な輸出を行う、と述べた。これは潜在的に、米国での産油量の増大を中期的展望においてもたらすことになる。OPECが割当量を減らせば市場シェアを奪われるばかりか、シェール生産をよりお得にしてしまう。もっとも原油価格は下がりこそしないが相当低いレベルで固定されており、上昇の兆しは見えない。これにトランプ氏の発言など相当量のヴァーバルな要因が効いてくる」、とコロリョフ氏。

「発言はシェールオイル増産への現実的な一歩ではない。彼の言葉を支える強固な基礎はない。言葉にどのような行動が続くのか、まだ分からない。だがいずれにしろ、将来の政策を語るさい、彼は石油部門の重要性を強調し、安定的な雇用源と米国の性増力増大の源としてこれを位置づけた。OPECにとっては警戒心を呼ぶ発言だ。世界市場に新たなオイルが溢れかえるかもしれないからだ。ロシアも当然原油価格に影響を与える潜在的リスクを警戒心をもって評価している。他方、シェール革命についてはかなり以前から言われていたが、実質何らの革命もなかった。反対に、膨大なオイルバブルがあったばかりだ」

たとえ選挙中のトランプ氏発言が実行をともなったとしても、次期大統領の行くところどこでも青信号ということにはならない、とコロリョワ氏。

「トランプ氏が公約にどれだけ真剣にアプローチするかがすべてを決める。米国が二党制であることを忘れてはならない。選挙に勝ってもトランプ氏が上院の全共和党議員の支持を受けることはあるまい。OPECの対抗措置については、OPECがどのような結論に達するかを見なければならない。産油制限で合意できるかどうか。そして、それによって価格が増大するかどうか、事後の経過を。また米国がどのような価格でシェールオイルを売りに出すか。非常に高価だった場合は(シェールオイルは採掘コストが高い)、ロシアおよびOPEC加盟国の立場は遥かに強固なものとなる」

欧州の消費者らは既に確立された原油入手の良い経路から高価でなお不安定なエネルギー市場に乗り換える意味などないのである、とコロリョワ氏。

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