食を知れば国がわかる!懐かしのロシアパン、そして長門食材とロシア料理のコラボ【写真】

© 写真 : 大津緑洋高等学校ロシアパンを販売する生徒
ロシアパンを販売する生徒 - Sputnik 日本
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プーチン大統領の山口県長門市来訪、15日の日露首脳会談まで残すところ一週間を切った。この機会を生かし、ロシアについて学んだり、ロシアを身近に感じるための取り組みが地域住民の間で広まっている。

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山口県立大津緑洋高等学校・日置校舎では、広大なロシアをイメージさせる巨大サイズの「ロシアパン」を生徒たちが製造し、販売するというユニークな取り組みが行われている。同校には農高夢市場という直売所があり、授業の一環として、生徒たちが作ったものを販売しているのだ。営業は原則水曜日の13時半から14時半までと短めだが、開店の2時間前から地域の人々の行列ができるほどの人気ぶりだ。

日本でロシアパンといえば、1970年代に大ヒットした山崎製パンのロシアパンを思い浮かべる人が多いだろう。ロシアパンより更に大きい「大ロシア」というパンもあり、その長さは40センチにも及ぶ。ロシアパンづくりの指導にあたった静間和恵先生によれば、きっかけは思い出話だったという。

静間先生「私が子どものころに、ロシアパンはとても人気がありました。そんな思い出話をしたら、食品加工を専攻している生徒たちがインターネットで調べて、『私たちも作ってみたい』という話になったのです。パンを作るだけではなく、ロシア語や国旗を調べたりして、ロシアについて勉強もしました。まず11月30日の農高夢市場で24個販売してみたところ、お一人様一個限りの販売でしたが、あっという間に売れてしまいましたので、12月7日の販売は50個に増やしました。」

購入者の中には「懐かしくておいしい」という人もいれば、初めて食べてすっかり気に入った人もいた。農高夢市場の中にはロシア語の単語や挨拶が貼り出されており、買い物を楽しみながら簡単なロシア語を覚えることができる。ロシアパンは期間限定品なので、生徒たちが作ったロシアパンを食べてみたい人は14日の水曜日がラストチャンスだ。農高夢市場ではベーコンパン(ベーコンも学校で作っている)やシュガーパン、果物ジュースやジャム、季節の野菜や花、米や卵などを買うことができ、地域住民と生徒とのコミュニケーションの場となっている。

© 大津緑洋高等学校買い物しながらロシア語のお勉強
買い物しながらロシア語のお勉強 - Sputnik 日本
買い物しながらロシア語のお勉強

いっぽう、長門市のご当地メニューを開発する団体「チームNGT」は長門市の食材を生かしたロシア料理メニューを成功裏に開発し、6日に試食会を行った。披露されたのは、長州ながと和牛のビーフストロガノフ、ぴよシキ(長州どりの鶏チャーシュー入りピロシキ)、長州どり・仙崎かまぼこのオリヴィエ・サラダ(ロシア風ポテトサラダ)、長門市産いちごのジャムを使ったブリヌィ(ロシア風クレープ)、ゆずきちコーヒー(レモンコーヒーのゆずきち版)の五種類だ。

試食会に参加したのは長門の明日を考える会「長明塾」のメンバーだ。長明塾は、まちづくり学習会と、地産食材を味わう賞味会(今回はロシア料理試食会)の二部制で、平成20年から始まり、年に約四回開催されており、住民なら誰でも参加することができる。長明塾を主催している長門市中央公民館の財満俊夫館長は「地域の特産品、例えばお菓子の新作など色々なものを作っていらっしゃる方々がいます。賞味会は、どんなものがあるかを披露してもらい、皆でそれを食べてみて、美味しいものを広めていただくという場でもありますし、住民の皆様の交流の場でもあります」と話す。

長門市にロシア料理のレストランは一軒もない。食べ慣れないものに抵抗があるかと思いきや、どの料理も大好評で、年配の方から子どもたちまで美味しく味わい、量が足りないという声まで上がった。

オリヴィエ・サラダはロシアでは普段の食事で食べるほか、正月料理の定番でもある。ブリヌィは朝食や軽食用に人気が高く、冬を送って春を迎える祭「マースレニッツァ」では太陽に見立てたブリヌィを焼いて食べるのがロシアの恒例となっている。ビーフストロガノフとピロシキに関しては説明は不要だろう。

他の料理と比べるとレモンコーヒーは、ロシアで大人気とは言えない。筆者はロシアに住んで四年目になるが、レモンコーヒーという存在を知らなかった。ロシア人の同僚に聞いてみたところ、レモンコーヒー愛好者は確かにいる。ふわっと香る柑橘の香りとコーヒーのハーモニーがたまらないという。カフェでは、レモンコーヒーというメニューこそないものの、コーヒーとレモンを一緒に(裏メニュー的に)注文することができる。ある人によると、愛好者の割合としては日本における青カビチーズの愛好者と同じくらいではないか、ということだった。むしろロシアの首都圏よりも、旧ソ連のグルジア(ジョージア)やアルメニアといった国々ではレモンコーヒーの愛好者率が高く、ポピュラーだということだ。ゆずきちコーヒーは、山口県オリジナルの柑橘「長門ゆずきち」をレモンのかわりに使ったもの。チームNGTの代表、西原秀卓さんは「コーヒー好きとしては、コーヒーに何かを入れることに最初は抵抗がありましたが、試してみたら美味しかったです」と話している。

© 写真 : チームNGTゆずきちコーヒーのお味は?
ゆずきちコーヒーのお味は? - Sputnik 日本
ゆずきちコーヒーのお味は?

チームNGTが今回開発したメニューのうち、商品化に最も期待が寄せられているのはぴよシキである。西原さんは「日露首脳会談がきっかけになってできたメニューが、今後ひとつでも多く定着して残ってくれれば」と期待を見せる。もし今回の首脳会談をきっかけに日露関係が大きく前進すれば、数年後にはぴよシキをつまみながら、歴史的な「長門会談」の思い出話ができるかもしれない。

© 写真 : チームNGT長門とロシアの最強コラボ!
長門とロシアの最強コラボ! - Sputnik 日本
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長門とロシアの最強コラボ!
© 写真 : チームNGT長門の食材を生かしたロシア料理をお披露目!
長門の食材を生かしたロシア料理をお披露目! - Sputnik 日本
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長門の食材を生かしたロシア料理をお披露目!
© 写真 : チームNGT日本のメディアも試食会に注目
日本のメディアも試食会に注目 - Sputnik 日本
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日本のメディアも試食会に注目
© 写真 : チームNGT国旗クッキーの試作
国旗クッキーの試作 - Sputnik 日本
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国旗クッキーの試作
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長門とロシアの最強コラボ!
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長門の食材を生かしたロシア料理をお披露目!
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日本のメディアも試食会に注目
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国旗クッキーの試作
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