大統領はトランプ氏。だが民主党は敗北を認めてはいない

© REUTERS / Sandy HuffakerDemonstrators walk through Downtown San Diego in protest to the election of Republican Donald Trump as the president of the United States in San Diego, California, U.S. November 9, 2016
Demonstrators walk through Downtown San Diego in protest to the election of Republican Donald Trump as the president of the United States in San Diego, California, U.S. November 9, 2016 - Sputnik 日本
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米選挙人団は今週、11月8日の一般有権者の投票結果を確認し、第45代米大統領選挙に正式な終止符を打った。勝利したのは予想通りドナルド・トランプ氏。同氏は、当選に必要な過半数の270人を上回る304人の選挙人から票を得た。民主党のクリントン氏が獲得したのは232人だった。

トランプ氏 - Sputnik 日本
選挙人投票で逆転を、トランプ氏大統領就任阻止の動き強まる
このようにしてトランプ氏は、ホワイトハウスへの最後の正式な障害を乗り越えた。選挙人団は民主党の最後の希望だった。民主党員の一部は、このメカニズムを介してトランプ氏から勝利を奪うために、前例のない、しかし見込みのない試みを実施した。一部のクリントン支持者は、一般有権者の投票結果を拒否してトランプ氏へ反対票を投じるよう、共和党選挙人たちの説得を試みた。

第45代米大統領選の結果や衝突、また今回の選挙が今後の露米関係にどのような影響を与えるのかについて、雑誌「グローバル政治の中のロシア」の編集長フョードル・ルキヤノフ氏が「スプートニク」に語った。ルキヤノフ氏は、米大統領選挙の主な結論は、結果の予測不可能性だとの見方を示し、次のように語っている-

「個人的には、もうサプライズは起こらないと確信していた。それは、選挙人が違う結果を出したならば、これは想像することさえ難しい規模の米国の政治的危機を意味したはずだからだ。とはいえ大統領選全体が米国の政治モデルの機能上の重大な問題を露呈させた。政党は国民の大半が満足する候補者を擁立できないことが明らかとなった。両者の不人気ぶりは稀に見るものだった。もちろん米国の選挙システムは次第に困難を伴う状況から抜け出すだろう。しかしプロセス自体は長く、政治的変動に満ちたものであるかもしれない。」

民主党は最終的な敗北を認めるだろうか?ルキヤノフ氏の答えは、「ノー」だ。同氏は、米大統領の座をめぐる争いは選挙人投票と1月の就任式では終わらないとの見方を示し、次のように語っている-

「トランプ氏は、エスタブリッシュメント(支配階級)の凄まじい怒りや敵意を引き起こしている。そのため恐らく何らかの形でトランプ氏を止めるために、非難、弾劾の試み、同氏の活動の妨害など、あらゆる手段が使われるだろう。この方向性でロシアというカードは攻撃のために意図的に選ばれた。だが非常に興味深いことに、選挙運動中にあらわれたロシアの脅威への期待は、決定的な役割を果たさなかった。ロシアの脅威というものは、米国の有権者たちを不安にさせなかったのだ。彼らは今この問題を心配してはいないようだ。そのためまさに今、上層部の戦いが始まりつつある。トランプ氏の信用を失墜させるためのすべての力の動員だ。トランプ氏が仕事をするのは彼のことをサポートしている人たちではなく当局だ。まさに当局のために今トランプ氏の最大限ネガティブなイメージがつくりあげられている。そしてこの場合、そのような種類の出版物やリークが、有権者よりも議員たちに強い影響を与える可能性がある。」

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オノ・ヨーコさん トランプ氏の勝利を長い叫びでコメントする
なおトランプ氏はすでに新政権の主要ポストを決定した。これは今後の露米関係にどのような影響を与える可能性があるのだろうか?ルキヤノフ氏は、次のような見方を示している-

「私は、何らかの非常にポジティブな進展には期待していない。なぜならトランプ氏にとって彼の政治的世界観の最も重要な概念は、威信と尊重だからだ。それは、もし米国を尊重しないのであれば、我々は米国を尊重させるという意味だ。これは米国の利益に反する人々への力の行使を含む激しい衝突を暗示している。そのため私は、露米関係の『蜜月』には一切期待していない。だが、1990年代から2000年代に露米関係を激しく不安定化したような、ロシアを変えて別の国にしたいという米国の願いのようなものは恐らく起こらないだろう。私はこれを主なポジティブな違いだと考えている。すなわちトランプ氏は誰のことも変えようとしないということだ。彼には他の国がどんな国でも関係ない。トランプ氏にとって重要なのは、他の国が米国の利益を尊重することだ。」

トランプ氏という第45代大統領のその予測不可能性を、欧州は恐れている。ロシアは、同国と新大統領率いる米国の理解と相互利益の接点をどこに見出せば良いのだろうか?ルキヤノフ氏は、次のように語っている-

「この意味ではもしかしたら中東が最も有望かもしれない。トランプ氏は、いかなる体制も変えるつもりはないと一度ならず述べているからだ。同時にトランプ氏は、主要な標的は国際的テロリストだと考えている。トランプ氏のこの発言では、ロシアとトランプ氏には同氏の前任者のオバマ大統領よりもはるかに一致する点が多い。他の面では、大きな一致はないかもしれない。なぜならトランプ氏の今後の主な攻撃対象となるのは、イランと中国だからだ。トランプ氏はこれらの国に対する同氏の政策を支持するようロシアを説得するのではないかと考えている。特に中国に関してだ。でも上手くいかないのではないかと思う。したがって、すぐに複数の意見の相違が生まれるだろう。また国際舞台における米国の活動がある程度低下することで、今後何をするべきなのかまだよくわかっていない米国の欧州のパートナーたちは、確信が持てなくなるだろう。」

だが実際のところ、思想的教義ではなく、自国の具体的な利益に従うトランプ氏は、それほど予測不可能な人物なのだろうか?

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