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    2017年の露日関係、加速とペレストロイカ

    2017年の露日関係、加速とペレストロイカ

    © AP Photo/ Koji Sasahara
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    アンドレイ イルヤシェンコ
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    2017年、露日関係は加速のスローガンの下、進んでいく。とはいえ関係のペレストロイカ(立て直し)が行われるかどうかは、まだわからない。

    日本の世耕弘成経済産業相は、ロシアと日本の経済協力プランの実現化の道筋を審議するために、1月11日から12日にはすでに訪露する予定だ。

    世耕経産相の訪露で、安倍首相が提案した8項目のロシアとの経済協力プランの実現化と、60以上の合意書と覚書が調印されたプーチン大統領訪日中の日露首脳会談の結果が話し合われるのは明らかだ。

    だが実際一番の関心事である南クリル諸島(北方領土)での共同経済活動プロジェクトはまだ何も明らかにはなっていない。世耕経産相は「共同経済活動については、外交問題であり、交渉等の予定について、私からコメントすることは差し控えたい」と述べており、具体的な案件は外交ルートで交渉されていくべきだとの認識を示している。

    東京で露日首脳は関係省庁と閣僚らに対し、漁業や養殖業、観光業、医療、環境などの分野を包括しうる共同経済活動問題についての協議を始めるよう指示した。協議の結果に基づき、個別の国際条約締結など共同経済活動の実現のための適切な法的根拠の問題が検討される。

    協議の日程はまだ決められていないものの、毎日新聞によると日本の外務省は昨年12月19日にすでに省内会議を開いており、東京で調印された合意の実現に関する問題を話し合っている。

    協議の結果は安倍首相の訪露をかなりの程度左右する。安倍首相は昨年12月20日、早期の訪露に意欲を示したが、これは訪露が今日実質的に、二国間関係の分野における政治的対話の鍵となるテーマだからだ。

    もうひとつ安倍首相の訪露にとっての重要な前提条件になるはずなのは昨年12月に露日両首脳が合意した、外務・防衛担当閣僚会合(2プラス2)の実施だ。会合では露日間の信頼感の醸成の成否を左右する、非常に真剣な問題が話し合われることは明らかだ。その問題になるのは北朝鮮の核開発、南シナ海の情勢、極東での米国のミサイル防衛(MD)システムだが、ロシアと日本は上記のどの問題でも一致した立場を持っていない。しかし、MDというテーマはロシアの国家安全保障政策において最も中核をなす。MDシステムに隣接したテーマとして、日米安全保障条約の有効範囲を南クリル諸島に拡大するというテーマも、未だ想定的ではあるものの存在する。どうやら、まさにそのためにプーチン大統領は、日本へのハボマイ(歯舞)諸島とシコタン(色丹)島の譲渡義務は、主権譲渡を意味しないとの声明を一度ならず出しているのだ。

    もしこれらの容易ではない問題に迅速な合意がのぞめず、今年上半期での安倍首相の訪露の調整に至らなければ、露日首脳の今年最初の会談は、7月7日、8日に開催されるドイツ・ハンブルグG20サミットの場となる可能性がある。5月末にはイタリアでG7サミットが行われる。現在ロシアはG7サミットに出席していないが、トランプ次期米大統領のロシアに対する建設的な立場は、プーチン大統領の同サミット出席をめぐる筋書きに新たな展開をもたらしている。

    このほかにも安倍首相はウラジオストクで9月はじめに開催される第3回東方経済フォーラムへの参加を約束した。同フォーラムは、プーチン大統領によって打ち出された「ロシアの東方への転換」政策をのシンボルだ。おそらく同フォーラムでこそ、2国の様々な省庁のルートで行われた協議と作業の結果に基づいたフルフォーマットでの露日首脳会談が行われる可能性がある。

    しかしいずれにせよ、訪露の基礎になるのは、12月のプーチン大統領の訪日中に得られた合意に関する具体的で形のある結果であることは間違いない。立て直し抜きの加速は意味を持たないが、加速なしの立て直しは十分可能だ。

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