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    南シナ海の係争の島が再び世界の地政学のホットスポットになる?

    南シナ海の係争の島が再び世界の地政学のホットスポットになる?

    © Flickr/ Official U.S. Navy Page
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    ドミトリー ヴェルホトゥロフ
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    トランプ大統領は、レックス・ティラーソン国務長官候補の「中国は南シナ海の係争の島への立入りを禁止されるべきだ」という発言に賛成するかどうかと問われ、次のように回答した:「問題は、これらの島が本当に公海にあるのかどうか、中国の所有物の一部ではないのかどうかということだ。そうならば、もちろん、我々は国際領土がどこかの国に強奪されることのないよう確実に保護しなくてはならない。」

    問題となっているのは主に南沙諸島であり、これらの島には6ヶ国が同時に領有権を主張している。ベトナム、中国、台湾、マレーシア、フィリピン、ブルネイである。1987年から中国は島の海上パトロールを開始し、これまでに人工埋立地に軍用飛行場やレーダーなどのインフラを含む基地を建設した。このようにして、中国は世界的にも極めて重要な海上輸送路が通るこの海域に対し、一歩一歩、完全な支配権の要求を確実にしてきたのである。トランプ氏はまだ、今後どのような行動をとるつもりかを説明していないが、明らかにレックス・ティラーソン氏が言いたかったのは、米国は中国の試みを遮断し、島の防御を固めて南シナ海を「独占」するということである。

    国連海洋法条約の観点から言うと、満潮時に海面下に沈まない陸の一部はすべてどこかの国家に帰属し、領海を決定する際に考慮される。南沙諸島の領有権を主張する国はすべて、まさにこの原則に依拠しており、だからこそ島の防備を固め、守備隊を駐留させようとしているのである。ちなみに、米国は国連海洋法条約を署名していない数少ない国のひとつである。つまり、法的にはこの条約の条項を遵守する義務はないということだ。また、米国は中国による島の強奪だけを阻止するつもりなのではなく、ベトナムでもフィリピンでもマレーシアでも台湾でも同じことだという可能性もある。そうであれば、トランプ氏の姿勢はすなわち、米国自身が南沙諸島の支配権を強奪するつもりであることを意味しているように私には思われる。

    しかも、調査によると、あの海域には大量の石油ガスが眠っているという。島の帰属問題の解決如何で、誰がこれらの油ガス田を開発するのかが左右される。ちなみに、レックス・ティラーソン氏は2006年から2017年初頭まで石油会社エクソンモービルの会長兼CEOだった人物だ。南沙諸島が「公海」であると発表してほしいのは、まず誰を差し置いても彼なのではないだろうか。島がどこにも帰属しないのであれば、誰とも合意形成を図る必要がなく、生産物を分かち合う必要もない。米国海軍はライバルを蹴散らし、この海域の支配と安全を保障するのに十分な強さを持っている。そうなれば、この考えはもはや政治的なものではなく、あからさまに儲けを狙った商業的性格を帯びることとなる。

    その一方で、中国はすでに、自国の利益を一歩も譲るつもりはないというシグナルを米国に送っている。中国は史上初めて、係争の南シナ海を管轄する南部戦区の司令員に、陸軍大将ではなく、海軍大将を任命したのだ。これについては中国の英字新聞Global Timesも次のように書いている:「新たな人事は南シナ海の防衛の重要性を反映している。」

    その一方で、すでに米国防長官となったジェームズ・マティス氏は2月初旬に予定されている最初の外国訪問でソウルと東京を訪れる。専門家によると、陰に陽に、議論のテーマは中国の封じ込めになるという。韓国では、とりわけ、中国側が絶対的な不承認を表明しているミサイル防衛システムTHAADの配備問題が話し合われる。日本で議論の対象となり得るのは、東シナ海と南シナ海での両国の協調行動である。その際、日本が米国側から、中国への現実的な対抗のために防衛費を増額するよう求められる可能性は否定できない。現在、日本は防衛費にGDPの約1%を費やしている。「マッド・ドッグ(狂犬)」として有名なマティス長官が、中国の拡張主義への対策費として日本の負担分を2%に増額するよう執拗に要求するかどうか。十分にあり得ることだろう。

    なお記事の中で述べられている見解は、必ずしも編集部の立場とは一致していません。

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