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    潘基文

    潘基文氏:心底失望したのか、それとも巧妙な策略か?

    © REUTERS/ Heinz-Peter Bader
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    タチヤナ フロニ
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    国連事務総長を務めた潘基文(パン・ギムン)氏は、つい最近まで、韓国次期大統領選挙の有力候補者の一人とみなされてきた。しかし彼は突然、出馬取りやめを明らかにした。

    世論調査によれば、潘基文氏は、立候補が予想される人達の中で、野党陣営が支持する政治家、文 在寅(ムン・ジェイン)には劣るものの、2位につけていた。しかし、潘基文氏に対し、思いもかけず汚職疑惑がかけられ非難が始まった。一方彼の弟や親族が、米国で贈収賄の罪により拘束された。このスキャンダルは、政治改革を実施する能力のある指導者としての潘基文氏の立場を根底から崩すものとなった。しかし潘氏が、出馬を取りやめたというニュースは、韓国政界に大きな戸惑いを呼び起こした。

    議会で記者団を前に、潘氏は「政治エスタブリシュメントの一部の、時代遅れのあまり賢くない、利己的な立場に、極めて失望した。そのため、彼らと共に歩んでゆく意味はないとの結論に達した」と述べた。氏の言葉によれば「私の誠意に満ちた愛国主義と希望は、殺人行為にも近い、ひどい中傷や様々な偽情報にさらされた」とのことである。そう述べることで潘氏は、韓国内の汚い政治ゲームでプレイする事に自分自身、到底耐えられないことを示唆した。

    しかし、これは同時に、有権者の同情を呼び起こし、急速に勢いを増している韓国大統領選挙で、更なるポイントを加えるための、潘基文氏の、やむを得ない戦略的アプローチではないだろうか? あるいは前国連事務総長は、絶対的な誠意を持って韓国政界に戻ってきたが、もう戻らないという事なのだろうか?

    スプートニク日本のタチアナ・フロニ記者は、ロシア科学アカデミー経済研究所アジア戦略センターの所長で、朝鮮問題の専門家ゲオルギイ・トロラヤ氏の意見を聞いた-

    「私には、彼の声明は完全に誠意あるものだったように思われる。ルールや原則のある国際機関で10年働いた後で、魔窟のごとき韓国政治のただ中に飛び込んだからだ。あそこでは、皆互いに相手を裏切り、騙し、様々なタイプの非道が行われている。私は単に、彼は、そうした事に耐えられなかったのだと思う。それで、彼が正常に、彼に示された条件下で働けるよう強く支える力のある連立は組めないと見たのだろう。しかし、彼を説得しようとする動きが始まることもあり得ると私は思う。そうしなければ、韓国の与党勢力には、今単に、誰も候補者がいないからだ。」

    潘基文氏には、韓国の実に様々な政治勢力をまとめ、その頭となるよう提案がなされ、その支持率は、少なくとも野党候補と戦えるものだった。今後韓国の政治状況はどう変わるのか? 残った候補者には、いかなるチャンスがあるのだろうか?

    世論調査では、大統領候補者として、一番支持されているのは野党陣営の候補、文 在寅氏だ。そのため専門家の中には、潘基文氏の出馬取りやめ決定には、マスメディアによる汚職報道以外に、世論調査の結果も影響を与えた可能性があると考える向きもある。潘氏には、かなりの国際経験と政治的な重みがありながら、最大のライバルである文氏は、着実に彼との差を広げてきたからだ。最近の調査結果では、文氏と潘氏2人の一騎打ちになった場合、文氏は52,6%、潘氏はその半分以下の25,6%の票を獲得するとのことだった。 とにかく潘基文氏が大統領選挙から自主的に撤退したおかげで、来るべき選挙戦における、文 在寅氏の立場は、さらに強固なものになったと言ってよいだろう。

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    潘基文, 韓国
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