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    金正男

    誰が、なぜ、金正男氏を殺害したのか? いろいろな説や憶測は謎を増すだけ...

    © AFP 2017/ Toshifumi KITAMURA, Ed JONES
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    北朝鮮最高指導者の兄、金正男氏マレーシアで殺害される (74)
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    世界中のマスコミが、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男氏の謎の死について議論している。メディアは、金正男氏殺害に関する驚くべき新たな詳細を次々と報じている。一方で金正男氏の突然の死の主な説は、北朝鮮の工作員が金正男氏を排除したというものだ。通信社「スプートニク」は、ロシアの朝鮮問題の専門家2人に、この謎の殺人について意見を聞いた。なお2人の意見は異なっていたが、これは驚くべきことではない。

    ロシア人外交官で東洋学者のゲオルギー・トロラヤ氏は、実際に北朝鮮の工作員が殺害に関与した可能性が最も高いとの見方を示し、次のように語っている-

    「最も気づきやすい状態にある主な仮説は、金正男氏が可能な代替候補者として金正恩氏の立場の強さを脅かしたため、金正恩氏の指示で排除されたというものだ。この説に反対する論拠は、それならば金正恩氏はもっと前に『敵』を始末することができたというものだ。また現在、金正男氏は金正恩氏にとって特に危険性を示してはいなかった…だがもしかしたら、誰かが金正男氏を代わりのエースとしてつかまえていたのかもしれない。北朝鮮で何かが起こった場合には、合法的なリーダーが必要となる。もしかしたら金正男氏は、同氏を金正恩政権を崩壊させるために利用しようとした韓国人と接触したのかもしれない。いずれにせよメディアはこのようにほのめかした。この信憑性の高さを判断するのは難しいが、いずれにしてもこれは自分の兄を排除するという動機を金正恩氏に与えている。だが表ざたになり、これ見よがしだ。動機はなんからのビジネス取引の可能性もある… だが医師や警察の結果や結論が出て死因が分かったとしても、動機や殺人依頼者の名前は分からない。これは決して明確になることはない筋立ての一つだ。」

    韓国の情報機関は、金正男氏の暗殺が2012年から計画されていたと考えている。韓国の朴槿恵大統領の職務を代行している黄教安首相は、金正男氏殺害に北朝鮮が関与したことが確認された場合、これは金正恩政権の残虐性を証明することになると述べた。

    ロシアの朝鮮問題の専門家コンスタンチン・アスモロフ氏は、提起された嫌疑は証明を必要としていると強調し、中国のマスコミが金正男氏の死に『北朝鮮の痕跡』のみを見ようとしていないことに注目し、次のように語っている-

    「中国のマスコミは韓国の痕跡も堅持している。なぜなら金正男氏の死をまずは誰にとって得か?という立場から検討しているからだ。そして韓国にとって得だと考えている。第一に北朝鮮にはこれほど恐ろしい政権が存在するとの素晴らしい例となる。国のリーダーが自分の兄を殺害する。しかもこのような残忍な方法で。目的は、米政府に北朝鮮に対してより断固とした行動を取らせるために。」

    吉林大学北東アジア研究院の中国人専門家バ・ジャニュン氏は「スプートニク」のインタビューで、現時点では金正男氏の死因に関する確かな情報がないため、何らかの仮説を立てるのは無責任な行為だと述べ、次のように語った-

    「現在たくさんのマスコミ、特に日本や韓国のマスコミでは、中国と北朝鮮の関係に焦点が向けられている。なぜなら金正男氏は、大部分の時間をマカオで過ごしていたからだ。同氏は何かあった場合に北朝鮮に新たな秩序をつくるために利用するための中国の「予備の案」のようなものだったという見方もある。だが私は反対に、金正男氏の死は、中国にはいかなる計画もないことを証明していると考えている。」

    実施に米国で政権が変わり、ミサイル防衛システムTHAADの配備プロセスが継続している現状の中、西側の戦略計画は、中国と北朝鮮の関係に影響を与えることにある。これについてコンスタンチン・アスモロフ氏は興味深い指摘を行っている-

    「驚くべき事実は、マレーシアの警察が金正男氏の死を確認する前に、韓国のケーブルテレビが殺人の様子を独自に描いたということだ。金正男氏が体の不調を訴えた時は、まだこの人物が誰なのか正確には知られていなかった。当初韓国のマスコミはマレーシア警察の情報を引用していたが、情報は確認されていなかった。そこで韓国のマスコミは、匿名ではあるが事情に詳しい政府筋の情報を引用した。したがって、あらゆる説は証拠がないため今のところ完全に同等ということだ。それぞれの説から動機を見出すことができる。例えば、韓国人はこのような形で金正恩氏を苛立たせ、彼が何らかの行動に出るよう挑発するというものだ。」

    一方でこの謎の犯罪は、まずメディアや国際社会の関心を北朝鮮へ向けさせた。なぜなら北朝鮮は世界で最も閉ざされた国の一つであり、北朝鮮の生活に関する情報はメディアあるいは情報機関筋から伝えられているからだ。多くのデータがかなり矛盾しており、それを確かめるのはほぼ不可能だ。現時点では、金正男氏殺害で2人目の容疑者が拘束されたことが分かっている。だが未だに金正男氏の死因は特定されていない。これはいろいろな説や憶測が、今後もこの死の謎を増やすことを意味している。

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