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    プーチンは南クリルの主権を日本に渡すつもりはないのか?

    プーチン大統領は南クリルの主権を日本に渡すつもりはないのか?

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    アンドレイ イルヤシェンコ
    サンクトペテルブルク国際経済フォーラム (12)
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    プーチン大統領は、サンクトペテルブルグで世界各国の通信社の代表達を前に、近い将来、南クリルの主権を日本に譲渡する事は、米国がミサイル防衛(MD)その他の軍事施設をこれらの島々に配備する恐れがある事から「絶対に受け入れられない」という立場を初めてはっきり示唆した。恐らく日本の一部マスメディアが用いている表現、具体的には「ロシアのプーチン大統領が、日米安保条約が適用される現状での北方四島返還は困難との姿勢を改めて示した,」 といったものは、大統領の立場を若干ソフトに変えて報道していると言ってよい。

    スプートニク日本

    第一に、島の軍事化の問題に答え、プーチン大統領は明確に、ロシア防衛のための南クリルの島々の軍事的意味合いに関し発言している。彼は、極東にとって、より正確に言えば、そこに配備されているロシアの戦略軍にとっても含め、米国のミサイル防衛システムがいかに脅威であるかを詳し説明し、次のように指摘した-「我々は、いかに安全を保障すべきかを考えている。我々は、遠隔地での脅威をいかに薄めるかを考えている。その意味で、島は、十分に都合の良い場所である。」

    ロシア政府は、大統領の発言から判断して、ロシア東部国境の戦略的防衛をどこでどのように組織するかを決める権利を、譲り渡すつもりはない。

    第二に、これも肝心な点だが、プーチン大統領は「島々に対する主権の譲渡は、ロシアにとって絶対に受け入れられない、なぜならば、米国のミサイル防衛システム関連施設及びその他の軍事施設が、そこに配備される可能性があるからだ、そうした仮想的な脅威でさえロシアは受け入れられない」と、率直に示唆している。

    まずプーチン大統領は「日本のジャーナリストの質問の二番目の部分に関してだが、もし島々がいつか、日本の主権下に置かれることを予想する場合、これらに米軍部隊が配備される理論的可能性がある」と述べ、1998年に当時の橋本首相が、川奈での会談で、エリツィン初代大統領に提案した「主権繰り延べ」というバージョンに精通している事を示した。

    しかし大統領は、この考えについて「そうした条件においては、理論的に、今はすべてOKだが明日はそこに何らかの基地あるいはMD関連施設が現れかもしれないと予想する事は、我々にとって絶対に受け入れられない」として斥けた。大統領のメッセージは、濃縮された形で、次のようにまとめられている-「南クリルに対する主権の日本への譲渡は不可能である、なぜなら、そこに米国のMDの出現をもたらす可能性があるからだ。」

    そうしたアプローチに問題があるとは、プーチン大統領は見ていない。昨年末、APEC(アジア太平洋経済協力)首脳会議での記者会見で大統領は「1956年、ソ連と日本の間でしかるべき文書が締結され、そこでは、日本への2島返還が予想されている。ただ何を基盤とするか、これら2島がどこの国の主権のもとに残るのか、どういった条件で譲渡されるのかについては、述べられていなかった」と発言している。つまり、ソ日共同宣言第9項を、ロシアの義務とみなしていない。日本の主権下に島を譲渡する義務はないと考えている。

    その際プーチン大統領は、他のバージョンが存在する事をほのめかしているが、その中身を明かさなかった。彼は「様々なバリエーションがあり得ること話している」と述べるにとどまった。

    今明らかなのは、プーチン大統領が、7月に迫ったG20や9月のウラジオストクでの東方経済フォーラムでの安倍首相との会談で、自身の極めて強硬な立場を明らかにするつもりだという事だ。まず大統領は、米国との関係において問題が拡大する中、彼にとって主要な問題である安全保障問題をまず解決する事に、そして日本との関係では、南クリルにロシアの抑止力を維持しながら、米軍基地やMDシステム関連施設を配備しない確約を得るよう、主権の問題で日本側の歩み寄り模索を促す事に、恐らく努力を集中させるだろう。

    南クリルでの共同経済活動や、制裁の影響下での経済協力の問題は、現在の状況では前面には出ず、プーチン大統領にとって、彼はその事について何も述べてはいないが、第一に取り組むものとはならないに違いない。

    なお記事の中で述べられている見解は、必ずしも編集部の立場とは一致していません。

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    ウラジーミル・プーチン, クリル諸島, 日本, ロシア
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