01:51 2017年10月19日
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    デニス・ロドキン

    デニス・ロヂキン 「日本の完璧主義は大好き」

    © 写真: 「ロシアの季節」
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    アナスタシア フェドトワ
    日本、「ロシアの季節」初の開催国に (37)
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    「ロシアの季節」(ロシアンシーズンズ)プロジェクトの枠内でボリショイ劇場の日本公演が行われている。ボリショイ・バレエのプリンシパルダンサー、デニス・ロヂキンさんがスプートニクの特派員と対談した。独占インタビューでロヂキンさんは、不安とインスピレーションを与えるもの、日本への愛と、キャリアの難しさを明かしたほか、皆さまへのメッセージを語った。

    スプートニク日本

    公演について

    スプートニク:デニスさん、あなたはよく、日本の観客を驚かせることは難しいので、日本で踊ることはあなたにとって大きな責任だとおっしゃっていますね。公演を終えて、ご自身の演技をどう評価しますか。お客さんを驚かせることができましたか?

    デニス:ある場面ではできましたが、ある場面ではできませんでした。上手く出来たところもあれば、望んでいたようにできなかったものもあります。ステージに上がる時はいつも、バーが上がるようにレベルがどんどん伸びていくよう、前回の公演よりも良くありたいと思っています。公演自体は上手くいきましたからみんな満足していますが、自分が今後、取り組まなくてはならない課題をメモしました。

    日本について

    スプートニク: すでに4回目の来日ですね。

    デニス: ええ、4回目です。4回とも、バレエ団での私のステータスは異なるものでした。ですから、バレエ団における私のキャリアアップが無駄なものではないということを、つまりは私のキャリアアップの結果を日本の観客の皆さんに観ていただくことが、今回の一連の公演において大事なのです。とはいえ、日本ではあらゆるスターが公演してきましたから、観客を驚かせるのは大変難しいのですが。

    スプートニク: 東京にお気に入りの場所はありますか?

    デニス:私は、東京といえば、渋谷の有名な交差点を連想します。東京の様々な地区を散歩するのが大好きです。それぞれが違って、全く違う街のように思われます。私が昨日ある地区を歩いたとして、それは1つの東京で、2つ目の地区は違う東京で、3つ目の地区ではヨーロッパにいると考えることすらできます。このため東京は非常に興味深い街です。大きくてたくさんの顔を持っています。そして何より、悪い地区が全く無いのです。

    スプートニク:現代の日本文化に興味はありますか?

    デニス:いいえ、特にそれに関心を惹かれてはいません。ですが、日本人が漫画やアニメに熱中していることは知っています。どうやら、これを理解するためには日本に浸るか、本当の日本人になる必要がありそうです。私はおそらく、旅行者の視点から日本を見ているのでしょう。

    ファンと人気について

    スプートニク:4日、出演前後にたくさんのファンに囲まれたあなたを見ることができました。東京の街を歩いているとき、あなただと気づかれますか?

    デニス:東京では基本的に、気づかれます。劇場を訪れると、ファンの方たちが私が来ないかと見渡しながら待っています。 日本ではロシアのバレエにを、何か高次元のものとして接していることを知っています。ファンの方たちにとってロシアバレエの公演とはおそらく、今年最大級のイベントのうちの一つでしょう。ですから皆さんいつも、一緒に写真を取り、サインをもらおうとしているのですね。

    スプートニク: ご自身の人気についてどう思われますか?

    デニス:いえ、特に人気があるとは考えていないんですよ。舞台の後はいつも、幸福感に満ちた状態になります。しかし普通の生活ではこんなことは全くありません。もしかしたらそれは、良いことですらあるのかもしれません。より長く働く助けになる上、常に幸福感にひたることがないようにしてくれます。「口パク」ができない職業であるため、これは非常に大事なことです。自分が何をしているか常にはっきり理解し、結果を達成するためにはバレエに非常に集中する必要があります。自分が一般人だと感じること、これが私たちの職業において正しいことだと思われます。

    インスピレーションについて

    スプートニク:日本のバレエの訓練をどう評価しますか?傑出したダンサーとして誰かを挙げられますか?

    デニス:熊川哲也さんです。いつも大好きでした。小さい時に彼を見ていて、どうやって動いているのかわからないところがいくつかありました。非現実的で、とてもできそうにないことだと感じていました。脚を電線に似たものにかけている動画を観たことがあります。当時は、何のことだかわかりませんでしたが(おそらく、なんらかの物理療法を施されていたんでしょう)、ここにこそ彼の秘訣があると考えたんです。今ではもちろん、彼の技巧は、日本人に生まれつき備わっている、日本的な勤勉さの結果だということを理解しています。

    スプートニク: 日本文化からインスピレーションを受けますか?

    デニス:言うまでもなく、興味深いです。神社仏閣、素晴らしい自然、細部にすらいたる文化。全てが便利で、ジュースを飲む際のストロー用の場所すらあり、バナナが一本一本袋詰にされているほどです。この日本の完璧主義は本当に大好きです。

    不安について

    スプートニク:「ロシアの季節」のオープニングや、安倍首相による「ジゼル」観劇を受けて、ボリショイ劇場の今年の日本公演には特に大きな注目が集まりました。不安は感じましたか?

    デニス:もちろん。このような大規模なセレモニーには全く参加したことがない上、これは国際的な意義を持ったイベントです。当然、出演前は不安でしたが、それは心地よいものでした。なぜなら、今これは、ボリショイ劇場の名誉ですらなく、国全体の名誉だとわかっていたからです。そのため私にとって出演は不安にさせるものでしたが、同時に、私のキャリアでこんなことが起きて、私がまだ活発に踊っているときに日本に「ロシアの季節」が降って湧いたことは、非常に自尊心をくすぐるものでした。非常に光栄でした。

    スプートニク:出演前の不安をどう克服しますか?

    デニス:全てを抽象化することで気をそらして、不安が邪魔にはなれどプラスにはならないと理解するよう心がけます。舞台裏でも、何も待ち受けるものはないかのように普段通りに振る舞います。もちろん、舞台で何らかの緊張は必要なので、不安は常にあるべきですが、震えて舞台で何も出来ないようなものは当然ありませんでした。どのみち、不安は常にとても強いです。ボリショイ劇場は、維持する必要のある一定のレベルであり、もしその水準がでなければ、ボリショイ劇場のブランドは意味がなくなります。

    デニス・ロヂキン
    © 写真: Fedotova Anastasia
    デニス・ロヂキン

    難しさについて

    スプートニク:この職を選んで後悔したことはありますか?

    デニス:ひどい病気になり始めたときはそうですね、おそらく。ですが、これは自分に対する瞬間的な哀れみです。なぜなら、働き通した年月は全て、無駄ではないはずだと理解しているからです。私たちの職業は、25、26歳ですでにどこかが軽い病気になるため、克己する必要があるものです。おそらく、このような瞬間においてのみ後悔しますが、これはやはり一瞬のことです。翌朝には、どうやらこれが私の運命であり、私の人生にバレエがなければおそらく、私は今ある人間にはなっていなかっただろうと理解するためです。

    デニスさんから皆さまへ

    デニス:皆さまが、今のように感動できる人であると同時に感動的な人であり続けるように願っています。日本の観客は本当に、非常に感動的な人です。このように優しく、そして働ける人であり続けてください。仕事ができることはおそらく、人間が持つものでいちばん大切なものだからです。労働なしに人間はなかったでしょう。日本公演はいつもとても心地よいものです。温かいおもてなしが待っているとわかっているためです。まさにここが日本の観客の尊いところです。日本は、何よりもロシアバレエが好きな国です。このままでいてくれるよう願います。

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    ボリショイ劇場日本公演
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